トヨタやパナソニク:円安ひとまず歓迎-韓国圧力緩和も

日本の自動車や電機は2011年秋、最 悪期にあった。円が対ドルで戦後最高値の1ドル=75円台を付けて輸出 に激しい逆風が吹き、ウォン安に乗った韓国勢との競争激化も響いてい たからだ。各社トップは7、8日の賀詞交歓会で、安倍政権発足に伴い 為替の流れが変わったことを歓迎、さらなる円安への期待を示した。

衆院選で自民・公明両党が大勝する直前の昨年12月14日に同83円70 銭だったドル円のスポットレート終値は、4日に88円台まで下落。この 間のウォン相場は1ウォン=0.078円から同0.083円へと上昇した。

トヨタ自動車の豊田章男社長は望ましいドル相場を「100円、ある いは90円台で安定」とし、現在の同80円台後半では「適正レベルの域に 入っていない」と語った。パナソニックの大坪文雄会長はドルが「90円 をボトムに動くようになって欲しい」と期待。円の対ウォン相場につい ては「一時の非常に不利な状態に比べれば是正されている」と述べた。

第一生命経済研究所の永浜利広エコノミストは、国内電機各社は製 品の世界シェアでは韓国勢にリードされているが、主要部品の輸出を通 じて円安メリットを受けられると指摘。米国経済回復や安倍首相の政策 実行力次第で、円相場はさらに下落の余地があると述べている。

日産自動車の志賀俊之最高執行責任者(COO)は現行の相場では 「過去に行った投資が回収できるだけ」だが、1ドル=100円まで円安 が進めば国内に新工場を建てる意欲が出てくると語った。ソニーの中鉢 良治副会長も「年末年始の為替動向は歓迎すべき」としつつも「これが 基調になるかはまだまだ。もう少し為替動向を見てから最適な生産体制 を考える」と述べた。

サムスンや現代

各社はウォン安を生かした韓国勢との価格競争に悩まされてきた。 携帯電話やテレビの世界シェアは、韓国のサムスン電子が現在トップ。 自動車でも現代自動車が存在感を増した。しかし、そのウォンも高くな った。

米アップルに部品を供給している村田製作所の村田恒夫社長も、円 安が「90円以上まで進行して欲しい」と語った。その上でウォン安是正 に伴い、韓国勢との「価格競争が落ち着くことを願う」としている。

トヨタの前期(12年3月期)純利益は2836億円と、円高や東日本大 震災の影響から前の期比で31%減。ソニー、パナソニック、シャープの 国内家電3社も前期で過去最悪の純損失を計上した。円高是正などをバ ックに今期は回復を図るが、パナソニックとシャープは構造改革負担が 響き、前期と並ぶ純損失を出す見込みだ。

--取材協力:小笹俊一、Mariko Yasu、藤村奈央子. Editors: 駅義則, 室谷哲毅,上野英治郎

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