1月8日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が続伸、日銀の追加緩和は織り込み済みとの見方で

ニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで続伸。リスク選好の動 きが後退したことに加え、過去3カ月にわたる円の下落で日銀の追加緩 和が既に織り込まれたとの見方から買いが続いた。

欧州中央銀行(ECB)政策委員会の会合を10日に控え、ユーロは 対ドルで3日ぶりに下落。欧州安定化メカニズム(ESM)が発行を始 める債券について、麻生財務相が購入の意向を表明したものの、円は主 要16通貨全てに対して上昇した。スウェーデン・クローナは下落。同国 中銀の昨年12月の会合で政策当局者2人が大幅な利下げを検討していた ことが、議事録で明らかになった。

BNPパリバのチーフディーラー、ピーター・ゴラ氏は「円は過去 数週間に約5-7%の価値を失った。ポジションがわずかに解消され、 円はさらに50-100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇す る可能性がある。その後、円は軟調な地合いに戻るだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比0.9%上昇し 1ドル=87円05銭。4日には一時88円41銭と、2010年7月以来の安値を 記録していた。対ユーロでは前日比1.1%高の1ユーロ=113円86銭。ユ ーロはドルに対し0.3%安の1ユーロ=1.3081ドル。

ゴラ氏は円が対ドルで90円まで下落する可能性があると指摘した。 実際にそうなった場合、2010年6月以来の円安水準となる。

ブルームバーグ相関加重通貨指数によると円は過去3カ月に12%安 と、構成する先進10カ国の通貨の中で最悪の成績。ドルは0.7%下落、 ユーロは1%上昇している。

ユーロの50日移動平均

ユーロは対ドルで過去2日間は50日移動平均を割り込まなかったも のの、この日は同水準である1.2996ドルに近づいた。移動平均は相場の モメンタム(勢い)を示し、方向転換の可能性を示すとの見方がある。

ファロス・トレーディングのシニアトレーダー、マイケル・ラビー ナ氏(コネティカット州スタンフォード在勤)は電話インタビューで、 「ユーロは前日、そこそこ堅調に推移したため、この日はその反動のよ うなものが起こっている」と指摘した。

対ドルでの円相場の相対力指数(RSI、期間14日)は30.8と、30 をわずかに上回った。同水準は相場の下落が行き過ぎ、ペースが速過ぎ ることを示唆するとされる。前日は20.9だった。

日銀は21-22日に金融政策決定会合を開催する。昨年12月の前回会 合では金融緩和策を拡大したが、インフレ目標は1%で維持した。安倍 晋三首相は同目標を2%に引き上げるよう求めている。

ESM債購入

麻生財務相はESM債の購入に関して「欧州の金融安定化が円を含 む通貨の安定に資する観点から、外貨準備を活用して継続的に購入する 方針だ」と言明した。

8日に経済再生本部で議論した緊急経済対策の骨子案は為替市場の 動向に関して、「引き続き注視し適切に対応」する方針を示した。デフ レからの早期脱却に向けて「政府と日本銀行の連携を強化する仕組み」 を構築することも明記した。

オンライン為替取引オアンダ・コープのシニア通貨アナリスト、ア ルフォンソ・エスパルザ氏は「レトリックは奏功した。介入することな く円を軟化させるという望ましい効果をもたらした」と述べた。

スウェーデン・クローナは主要16通貨全てに対して下落した。同国 中銀の12月18日会合の議事録で、ヤンソン、ビックマンパラーク両副総 裁が0.5ポイントの利下げについて「かなり考えた」ことが明らかにな った。同中銀はその際、主要政策金利のレポ金利を0.25ポイント引き下 げ1%に設定した。

クローナは対ユーロで0.7%、対ドルでは0.9%それぞれ下げた。

原題:Yen Rises a Second Day Amid Bets Stimulus Priced In; Euro Falls(抜粋)

◎米国株:続落、企業の決算シーズン開始を控え-様子見姿勢が続く

米株式相場は続落。企業の決算シーズンを控え、様子見姿勢が広が った。

「タコ・ベル」や「KFC」を展開するヤム・ブランズが安い。中 国の既存店売上高が予想以上に落ち込んだことが嫌気された。元仕入れ 先に政府の調査が入った影響で需要が落ち込んだ。テレビゲーム小売り 最大手のゲームストップは大幅安。売上高予想の下方修正に反応した。 アルミ生産で米最大手のアルコアは通常取引終了後の時間外取引でニュ ーヨーク時間午後4時29分現在、0.9%高。10-12月(第4四半期)決 算で売上高が市場予想を上回った。

S&P500種株価指数は前日比4.74ポイント(0.3%)安 の1457.15。ダウ工業株30種平均は55.44ドル(0.4%)下げて13328.85 ドル。

ウェルズ・ファーゴ・アドバンテージ・ファンズのチーフ株式スト ラテジスト、ジョン・マンリー氏(ニューヨーク在勤)は電話取材で、 「市場は決算発表を待っている状況だ」とし、「バリュエーション(株 価評価)は過剰な水準からはほど遠い。ただ非常に速いペースで大きく 上昇したため、今は調整段階にある」と分析した。

米国株は先週、13カ月ぶりの大幅高となった。歳出削減と増税が重 なる「財政の崖」の影響を回避する法案を米議会が可決させたことが好 感された。ブルームバーグがまとめたデータによれば、S&P500種採 用銘柄の第4四半期の利益は平均で2.9%増加したもようだ。実際にこ の増加率だった場合、四半期ベースでは2009年以降で2番目に低い伸び となる。

アルコア決算

アルコアは通常取引終了後に0.9%高の9.18ドルを付けた。第4四 半期の売上高は59億ドルと、前年同期の59億9000万ドルから減ったもの の、アナリスト11人の予想平均56億ドルは上回った。電力関連資産の売 却益など一時的な項目を除いた1株当たり利益は6セントで、アナリス ト20人の予想平均と一致した。

ヤム・ブランズは4.2%安の65.04ドル。同社は7日、中国での 「KFC」の売り上げが12月の後半2週間、「鶏肉供給に関する政府調 査に関連した悪評」に「著しい影響」を受けたと説明した。中国での第 4四半期の既存店売上高は6%減と、従来予想の4%減より大幅な落ち 込みとなった。

ゲームストップは6.3%下げて23.19ドル。同社は13年1月通期の既 存店売上高が7.5-9%減少するとの見通しを発表。従来予想は6- 9%減としていた。同社は昨年11月、「テレビゲーム市場の厳しい環 境」を理由に200店舗を閉鎖すると発表している。

ボーイングは続落

ボーイングは2.6%安の74.13ドル。BB&Tキャピタル・マーケッ ツの株式アナリスト、カーター・リーク氏が「買い」の投資判断を「ホ ールド」に引き下げたことに反応した。同社株は前日、ボストンのロー ガン国際空港で日本航空のボーイング「787」(ドリームライナー)の 機体から出火したことを嫌気し、2%下げていた。

一方、種子開発最大手モンサントは2.7%高の98.50ドル。同社の12 年9-11月(第1四半期)決算では、利益がアナリスト予想を上回っ た。中南米と米国でトウモロコシ種子の販売が好調だった。同社は通期 予想を上方修正した。

原題:U.S. Stocks Decline Before Corporate Earnings Season Starts(抜粋)

◎米国債:続伸、今年最初の入札で需要旺盛-逃避先として選好

8日の米国債は3日続伸。利回りが8カ月ぶり高水準に迫ったこと で、午後に入って実施された今年最初の入札(3年債、320億ドル)で は応札が増えた。また企業決算で米景気の減速が示されるとの懸念が広 がっており、投資家が米国債に安全性を求めた。

米財務省が実施した3年債入札の結果によると、最高落札利回り は0.385%と、入札直前の市場予想0.387%を下回った。米国債利回りは 低下した。この日の入札でプライマリーディーラー(政府証券公認ディ ーラー)以外の直接入札者の落札全体に占める比率は前回に続き過去最 高を更新した。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレクタ ー、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は、「この先の課題 や不透明感を考えると、この程度の利回り水準はそこそこ買いの好機 だ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)下げて1.87%。同年債(表面利率1.625%、2022年11月償還) 価格は1/4上げて 97 26/32。既発3年債利回りは2bp下げて0.37%。

入札結果

この日の入札で投資家の需要を測る指標の応札倍率は3.62倍と、過 去10回の平均値である3.57倍を上回った。

直接入札者の比率は26.4%と、前回12月に記録した過去最高24.8% を上回った。過去10回の平均値は14.2%。海外の中央銀行を含む間接入 札者の落札全体に占める比率は28.4%と、過去10回の平均値(31%)を 下回った。

ジェフリーズ・グループのエコノミスト、トーマス・サイモンズ氏 (ニューヨーク在勤)は、「入札は非常に良い結果だった。入札のダイ ナミクスが根本的に変わりつつあることを示唆している」と指摘。「償 還期間の短い国債に対する直接入札者からの需要が基本的に拡大してい る」と続けた。

米金融当局は保有する短期債を長期債に乗り換えるオペレーショ ン・ツイスト(ツイストオペ)を昨年末で完了したことから、この分、 供給可能な短期債が減少している。

マイナスのリターン

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、今年の米国債リターンは前日時点で0.7%のマイナス。昨年のリタ ーンは2.16%のプラスだった。

米ナビゲート・アドバイザーズのマネジングディレクター、トーマ ス・ディガロマ氏は、「米国債は極めて激しい売りを浴びた」と指摘。 「このため、市場にはバーゲンハンターが戻っている。今後、米国債相 場は上昇へと向かうだろう。今週の入札は順調に推移するとみている」 と述べた。

米財務省は9日に10年債(210億ドル)、10日に30年債(130億ド ル)の入札を実施する。今週の入札規模は計660億ドル。

原題:Treasuries Gain as Refuge Demand Boosts First Note Sale of Year(抜粋)

◎NY金:4日ぶり上昇、中国の需要増加が手掛かり-金貨販売も好調

ニューヨーク金先物相場は4営業日ぶりに上昇。世界2位の金購入 国である中国での需要が増加したことが手掛かり。

中国による香港からの金輸入は昨年11月にほぼ倍増したことが、香 港政府の統計で明らかになった。米造幣局によると、アメリカンイーグ ル金貨の販売量は今月に入って7万1500オンスとなっている。12月全体 では7万6000オンスだった。先週発表された米連邦公開市場委員会 (FOMC)議事録で債券購入プログラムが年内に終了する可能性が示 されたことを背景に、金先物は4日、4カ月ぶり安値をつけていた。

金・銀のネット販売を手掛けるブランシャール・ボールトのアンセ ム・ブランシャール最高経営責任者(CEO)は電話インタビューで、 「先週の下げを受けて、値ごろ感から買いが入っている」と指摘。「中 国からの需要も高まっているようだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物2 月限は前日比1.0%高の1オンス=1662.20ドルで終了。過去3営業日で は合わせて2.5%下げていた。

原題:Gold Futures Rise Most in a Week on Chinese, U.S. Coin Demand(抜粋)

◎NY原油:ほぼ変わらず、製品価格は上昇も在庫増予想が重し

ニューヨーク原油先物相場はほぼ変わらず。ガソリンやヒーティ ングオイル(暖房油)の価格は上昇したものの、米原油在庫の増加観 測が重しになった。

燃料精製・販売会社の米モティバ・エンタープライゼズはテキサス 州ポートアーサーの製油所で原油関連設備の操業を一時停止した。ブル ームバーグがまとめた調査によると、米エネルギー省が9日発表する原 油在庫は200万バレルの増加が予想されている。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニアマーケッ トアナリスト、フィル・フリン氏は「石油製品価格は堅調だが、原油在 庫の増加見通しで相殺されている」と指摘。「在庫は増加すると見込ま れており、それが製品に比べて原油の動きが鈍い一因だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日比 4セント(0.04%)安の1バレル=93.15ドルで終了。過去1年間で は8.3%値下がりしている。

原題:Oil Fluctuates as Stockpile Expectations Counter Product Gains(抜粋)

◎欧州株:総じて安い、ドイツ輸出減と高値警戒感で

8日の欧州株式相場は総じて安い。ドイツ輸出が落ち込んだほか、 企業の利益見通しと比較した最近の相場上昇が行き過ぎとの見方が広が った。

利益率見通しを引き下げた英百貨店のデベナムズは約3年ぶりの大 幅安。英携帯電話サービスのボーダフォン・グループは1.7%上昇。米 携帯電話会社ベライゾン・ワイヤレスの合弁相手、ベライゾン・コミュ ニケーションズがボーダフォンの持ち分を買収することは可能だと言及 したと、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたのが 手掛かり。ノルウェーの検層データ・サービス企業、TGS- NOPECジオフィジカルは7%上昇。売上高見通しが予想を上回った ことが買いにつながった。

ストックス欧州600指数は前日比0.1%安の286.25で終了。騰落比率 は2対3だった。ブルームバーグがまとめたデータによれば、この日の 出来高は30日平均を46%上回った。米財政合意を背景に、同指数は先週 に2011年2月以来の高値を付けた。

クレディ・スイス・アセット・マネジメント(ロンドン)のシニア アドバイザー、ボブ・パーカー氏はブルームバーグテレビジョンに対 し、「ユーロ圏経済指標が極めて弱い内容になることを認識せざるを得 ない」と指摘。「ユーロ圏全体に株式投資を分散するのが好ましい。相 場はもどかしい展開となる。日々の値動きは荒くなるだろう」と語っ た。

この日の西欧市場では18カ国中10カ国で主要株価指数が下落した。

原題:Most European Stocks Decline on German Exports; Debenhams Sinks(抜粋)

◎欧州債:アイルランド5年債が上昇、順調な発行で-独債堅調

8日の欧州債市場では、アイルランド5年債が急伸し、利回り は約7週間ぶりの大幅低下となった。ケニー首相はこの日の国債発 行が順調だったことを明らかにした。

イタリアとスペインの国債も高い。アイルランドの国債発行に 詳しい関係者2人によれば、表面利率5.5%の国債に対する応札額 は約70億ユーロ。発行計画額は25億ユーロだった。昨年11月の ユーロ圏失業率が過去最悪を更新したことを手掛かりに、ドイツ国 債も堅調。同国債は年初の出だしとしては、少なくとも1990年以 降で最悪となっている。

ドイツ銀行の欧州金利戦略責任者、モヒト・クマール氏(ロン ドン在勤)は「アイルランド国債の需要がまあまあで、他の周辺国 債への支援要因となった」と述べ、「非常にプラスの展開だ。アイ ルランドは市場での調達回復に向け、前向きな措置を多く講じてき た」と続けた。

ロンドン時間午後4時半現在、既発のアイルランド5年債利回 りは前日比12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の

3.21%。一時は13bp下げた。同国債(表面利率5.5%、2017 年10月償還)価格は0.525上げ109.955。

発言する立場にないとして匿名で語った関係者によると、アイ ルランド国債管理庁(NTMA)は2017年に償還を迎える国債約 25億ユーロを利回り3.316%で発行した。

イタリア10年債利回りは前日比6bp低下の4.29%、同年 限のスペイン国債の利回りは3bp下げて5.08%。

11月のユーロ圏失業率は過去最悪の11.8%で、市場予想と一 致した。前月は11.7%だった。別の発表によると、同地域の11 月の小売売上高指数は前月から0.1%上昇した。

ドイツ10年債利回りは3bp低下し1.49%。4日には

1.56%と、昨年10月26日以来の高水準に達した。

英国債相場は上昇し、10年債利回りは1週間で最大の下げとな った。比較的安全とされる英国債を求める動きが強まった。

利回りは6bp低下の2.03%。先月27日以降で最大の7b p下げる場面もあった。同国債(表面利率1.75%、2022年9月 償還)価格は0.50上げ97.58。

原題:Ireland’s Notes Advance as Nation Sells Debt; Italian Bonds Rise(抜粋) Pound Approaches One-Month Low as Retail Sales Slow; Gilts Gain (抜粋)

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