NY外為:円続伸、日銀の追加緩和は織り込み済みとの見方で

ニューヨーク外国為替市場では円が 対ドルで続伸。リスク選好の動きが後退したことに加え、過去3カ月に わたる円の下落で日銀の追加緩和が既に織り込まれたとの見方から買い が続いた。

欧州中央銀行(ECB)政策委員会の会合を10日に控え、ユーロは 対ドルで3日ぶりに下落。欧州安定化メカニズム(ESM)が発行を始 める債券について、麻生財務相が購入の意向を表明したものの、円は主 要16通貨全てに対して上昇した。スウェーデン・クローナは下落。同国 中銀の昨年12月の会合で政策当局者2人が大幅な利下げを検討していた ことが、議事録で明らかになった。

BNPパリバのチーフディーラー、ピーター・ゴラ氏は「円は過去 数週間に約5-7%の価値を失った。ポジションがわずかに解消され、 円はさらに50-100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇す る可能性がある。その後、円は軟調な地合いに戻るだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比0.9%上昇し 1ドル=87円05銭。4日には一時88円41銭と、2010年7月以来の安値を 記録していた。対ユーロでは前日比1.1%高の1ユーロ=113円86銭。ユ ーロはドルに対し0.3%安の1ユーロ=1.3081ドル。

ゴラ氏は円が対ドルで90円まで下落する可能性があると指摘した。 実際にそうなった場合、2010年6月以来の円安水準となる。

ブルームバーグ相関加重通貨指数によると円は過去3カ月に12%安 と、構成する先進10カ国の通貨の中で最悪の成績。ドルは0.7%下落、 ユーロは1%上昇している。

ユーロの50日移動平均

ユーロは対ドルで過去2日間は50日移動平均を割り込まなかったも のの、この日は同水準である1.2996ドルに近づいた。移動平均は相場の モメンタム(勢い)を示し、方向転換の可能性を示すとの見方がある。

ファロス・トレーディングのシニアトレーダー、マイケル・ラビー ナ氏(コネティカット州スタンフォード在勤)は電話インタビューで、 「ユーロは前日、そこそこ堅調に推移したため、この日はその反動のよ うなものが起こっている」と指摘した。

対ドルでの円相場の相対力指数(RSI、期間14日)は30.8と、30 をわずかに上回った。同水準は相場の下落が行き過ぎ、ペースが速過ぎ ることを示唆するとされる。前日は20.9だった。

日銀は21-22日に金融政策決定会合を開催する。昨年12月の前回会 合では金融緩和策を拡大したが、インフレ目標は1%で維持した。安倍 晋三首相は同目標を2%に引き上げるよう求めている。

ESM債購入

麻生財務相はESM債の購入に関して「欧州の金融安定化が円を含 む通貨の安定に資する観点から、外貨準備を活用して継続的に購入する 方針だ」と言明した。

8日に経済再生本部で議論した緊急経済対策の骨子案は為替市場の 動向に関して、「引き続き注視し適切に対応」する方針を示した。デフ レからの早期脱却に向けて「政府と日本銀行の連携を強化する仕組み」 を構築することも明記した。

オンライン為替取引オアンダ・コープのシニア通貨アナリスト、ア ルフォンソ・エスパルザ氏は「レトリックは奏功した。介入することな く円を軟化させるという望ましい効果をもたらした」と述べた。

スウェーデン・クローナは主要16通貨全てに対して下落した。同国 中銀の12月18日会合の議事録で、ヤンソン、ビックマンパラーク両副総 裁が0.5ポイントの利下げについて「かなり考えた」ことが明らかにな った。同中銀はその際、主要政策金利のレポ金利を0.25ポイント引き下 げ1%に設定した。

クローナは対ユーロで0.7%、対ドルでは0.9%それぞれ下げた。

原題:Yen Rises a Second Day Amid Bets Stimulus Priced In; Euro Falls(抜粋)

--取材協力:Joseph Ciolli、大塚美佳、Emma Charlton.

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