日航機ボーイング787から出火-相次ぐ機体トラブルで懸念再燃

米ボストンのローガン国際空港で7 日、日本航空のボーイング「787」(ドリームライナー)の機体から炎 が上がった。米当局が現在調査している。787については先月も、不具 合のために運航不能となる事態が複数回発生した。

同空港を運営するマサチューセッツ州港湾局の消防長、ロバート・ ドナヒュー氏によれば、電気・電子機器が収納された部分から60センチ メートルほどの高さの炎が上がり、その後、小規模の爆発があった。日 本航空は787を7機保有。他の787の運航停止予定はないとしている。

米ボーイングのこの新中型旅客機は、2011年後半の商業飛行開始以 降、相次ぎインシデント(重大事故につながる可能性のある事例)に見 舞われている。前回、同様の箇所から出火したのは10年で、その際には 試験飛行の中止を余儀なくされた。昨年12月にはユナイテッド・コンチ ネンタル・ホールディングスとカタール航空が保有する787で電気系統 に不具合が生じた。同機種は、胴体に主として複合材料を用いた初のジ ェット機で、電動システムを全面的に採用している。

元パイロットで、現在は安全性に関するコンサルティングを手掛け るセーフティー・オペレーティング・システムズ(ワシントン)のジョ ン・コックス氏は、「機内での火災発生は極めて深刻だ」と指摘。「今 回は地上で起きたが、慎重な評価が必要なことを意味している」と述べ た。

補助動力

日本航空は8日、補助動力装置用のバッテリーから出火したと発表 した。米運輸安全委員会(NTSB)と米連邦航空局(FAA)はそれ ぞれ調査を開始した。同装置は米ユナイテッド・テクノロジーズ社製 で、エンジンが停止している際に電気を供給する役割がある。

全日空の広報担当、郡司奈緒氏は、同社が保有する787に特に異常 はないと述べた。ボーイングは、他の787の試験飛行計画を変更する予 定はないとしている。

BB&Tキャピタル・マーケッツ(バージニア州)のアナリスト、 カーター・リーク氏は「ボーイングはこの問題に迅速に対応しなければ ならない。利用者離れを起こすリスクがある」と指摘した。

7日のニューヨーク株式市場でボーイングの株価は前週末比2%安 の76.13ドルと、昨年11月14日以来の大幅安で終了した。

ボーイング民間航空機部門の広報担当者、マーク・バーテル氏は 「当社は今回の件をきちんと認識しており、顧客と共に問題に取り組ん でいる」とコメントした。

先月に納入

日本航空の発表資料によると、火災が発生した008便は乗客・乗 員183人を乗せて現地時間7日午前10時6分(日本時間8日午前0時6 分)にローガン国際空港に到着した。港湾局のドナヒュー氏によると、 全員が飛行機を降りた後、10時半に整備士がコックピットに煙が漂って いるのを発見し、消防に通報した。消火には約20分かかった。消防隊員 1人が皮膚に炎症を負ったものの、それ以外に負傷者はいなかったとい う。

出火のあった機体は先月、日本航空に納入された。ボーイングのウ ェブサイトによると、日航の受注残は38機。

ボーイングのジム・マクナーニー最高経営責任者(CEO)は787 の過去のインシデントについて、新型機導入に伴う通常のトラブルとし てきた。同社は、全日空に11年9月に1号機を納入して以降、これまで 8社に計50機ほどを引き渡してきた。各社からの受注は計800機ほど で、ボーイングは今年、生産ペースを月間10機に引き上げる。

原題:Japan Airlines Fire on Boeing Dreamliner Spurs U.S. Safety Probe(抜粋)

--取材協力:Chris Cooper、Mary Jane Credeur、Tom Moroney、Rachel Layne.

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