世界のワイナリー、地球温暖化は頭痛の種-糖度上昇など懸念

ここ10年間、地球温暖化が世界のワ イン用ブドウ産地に影響を及ぼし始めている。気温上昇はワイン生産者 にとって良い面もあれば悪い面もある。フランスのボルドー地方やブル ゴーニュ地方などの気温の低い地域では、気温が上昇すればブドウの糖 度が増す。

米カリフォルニア大学デービス校の生気象学者、リチャード・スナ イダー氏は昨年開かれたワインとブドウに関するシンポジウムで、気温 がセ氏で3度上昇すれば空気中の二酸化炭素濃度が増え光合成が促され るほか、霜の降らない生育期が延長されるとの見方を示した。

ただ、スナイダー氏によれば、気温が上昇すれば地中海沿岸地域や カリフォルニア州で干ばつの頻度が高まる可能性もある。

南オレゴン大学環境学部の気候学者、グレゴリー・ジョーンズ教授 は、広く栽培される大豆や小麦と異なり、ブドウは「特定の地域でしか 栽培されない」と指摘する。

干ばつの頻発

「今日問題なのは、人為的な地球温暖化がこれまでの歴史と比較し てずっと速いペースで進んでいる点だ。50年に1度と考えられていた干 ばつが今ではもっと一般的に発生している。昨年米国を襲った熱波 は1600年に1度の出来事だった」とジョーンズ教授は話す。

イタリアのトスカーナ産ワイン、オルネライアの生産担当ディレク ター、アクセル・ハインツ氏は、2003年夏に欧州で続いた熱波が生産者 に最初に警鐘を鳴らしたと振り返る。

「気象の変化はますます極端になり、予測できない突然の気温の急 上昇や長引く干ばつ、予想外の豪雨が発生している」。

ワイン生産者たちはこれらの気象の変化に適応せざるを得ない。ハ インツ氏の観察によると、過去5年間、糖度の上昇がアルコール度数の 上昇につながる傾向が加速している。

これまでブドウの最適な成熟が困難だった北部の産地では従来のブ ドウ栽培技術が発展を遂げてきたが、今ではこれまでより容易に速いペ ースで成熟するようになっている。

小さな変化

ブルゴーニュ地方のワイナリー、ドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュ レ・ジブールの共同オーナー、マリーアンドレ・ミュニュレ氏は「ブド ウの花がとても早く咲くようになった。9月初めにブドウを収穫してい ると祖父に話したら、そんなことはあり得ないと言うだろう。今のとこ ろ良いことのようだ。香りも濃密だ。ただ、将来どうなるかは分らな い」と話す。

ブルゴーニュ地方の生産者たちは、主要なブドウ品種であるピノ・ ノワールのアルコール度数が14%を超える可能性について懸念してい る。土壌への影響を心配する醸造業者もいる。

ジョーンズ教授はブドウ園のオーナーらに局地的な気候のあらゆる 側面について十分に注意を払うよう促している。「カカオ豆やコーヒー 生豆、ワイン用ブドウなど特定の場所で栽培される農作物の場合、小さ な変化が大きな影響を及ぼす可能性がある」と指摘した。

(マリアニ氏はブルームバーグ・ニュースの芸術・文化部門で記事 を執筆しています。この記事の内容は同氏自身の見解です)

原題:Global Warming Causes Big Headache for Winemakers: John Mariani(抜粋)

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