【コラム】日本人女性の権利の土台を築いたこの女性に敬意を

ニューヨークで昨年12月30日に89歳 で死去したベアテ・シロタ・ゴードンさんをよく知る日本の若い女性は あまりいない。彼女らが現在享受している自由に対し、どれほど彼女が 貢献したかを考えると残念なことだ。

ロシア系ユダヤ人の両親を持つゴードンさんは1990年代半ば、回想 録「ジ・オンリー・ウーマン・イン・ザ・ルーム(原題)」で日本国憲 法の起草に22歳の女性として関わっていたことを明らかにし、ちょっと した評判になった。連合国軍総司令部(GHQ)の憲法草案制定会議の 唯一の女性メンバーだった彼女は、女性の権利に関する部分を任され た。

ゴードンさんの一家は音楽で生計を立てていたが、1920年代の終わ りに来日。女性の権利がどれほど日本に欠落しているかを目の当たりに した彼女は、憲法第14条が最終案に残るよう尽力した。「すべて国民 は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地に より、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」とする この14条は1946年において、まさに画期的だった。

数十年にわたって、ゴードンさんは自分自身にスポットライトが当 たらないよう心掛けた。若さと経験のなさを戦後日本の保守的な男性に 取り沙汰され、憲法が改正されるのを恐れたのだ。幸いなことに近年に なって、米占領下の東京での自らの経験を語り始めるようになった。

一人の女性の情熱を今や日本は真剣に受け止めるべきだ。憲法がで きてから67年近くがたつのに、性差別ははびこったままだ。世界経済フ ォーラムがまとめた2012年の男女平等度ランキングで日本は135カ国 中101位で、インドネシアやアゼルバイジャンの後塵を拝する。このよ うな不平等は労働力の質を劣化させ、日本経済の妨げとなる。

女性は当然の権利を要求すべきだ。日本の歴史がフェミニストのエ ネルギーに満ち溢れていたことにゴードンさんももちろん異論はないだ ろう。しかし、その動きはまとまって持続する圧倒的な力とはならなか った。米国の女性解放運動家グロリア・スタイネムさんのような運動、 あるいは古代ギリシャ戯曲「女の平和」のページを繰ることが経済の刷 新をまさに必要とするこの国で大きな役割を果たすかもしれない。権力 者、特に旧態依然の男社会は結局、簡単には譲歩しないだろうから。 (ウィリアム・ペセック)

(ウィリアム・ペセック氏はブルームバーグ・ビューのコラムニス トです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

原題:Japanese Women Should Honor Their Gloria Steinem(抜粋)

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