東京・築地の中央卸売市場で5日早 朝、初競りがあり、1本222キログラムの青森県大間産クロマグロが1 億5540万円で落札された。昨年の最高値5649万円の3倍近くとなり、過 去最高値となった。落札額は中学卒の女性の生涯賃金に匹敵する。

競り落としたのは築地拠点の寿司チェーン「すしざんまい」を経営 する喜代村で、同社が2年連続最高値で落札した。労働政策研究・研修 機構の資料によると、中学卒の女性の生涯賃金は標準労働者で約1 億5000万円。

喜代村の木村清社長はブルームバーグのインタビューで落札マグロ について「少し高い」と述べながらも、「日本の景気が良くなってもら いたい。日本国民に一人でも多くの人に食べてもらいたい」と語った。

近年は香港系など外国関連の業者が競り落とす例も目立っていた。 香港系の寿司チェーン「板前寿司」は2011年まで4年連続で最高値で落 札している。昨年まで10年間のマグロ初競り最高値の平均は約1450万円 で、落札価格は上昇傾向にある。

木村氏によると、競り落としたマグロから約1万貫の寿司が握れる という。実際には1貫4万-5万円程度だが、値上げはせず通常価格の 1貫128-398円で提供する。

板前寿司ジャパン広報担当の近藤誠氏によると、同社は落札された マグロについて1キロ当たり68万円まで争ったが、競り負けたという。 近藤氏は「昨年までは競り落としたマグロの一部の部位を海外で使った りしたが、今年は日本のみなさんに食べてもらうため全部日本で使う予 定だった。競り負けたのは非常に残念」と述べた。喜代村は1キロ当た り70万円で落札した。

また、木村氏は、来店客の2割は外国人で中国人客もよく利用する と説明した上で、「日中の政治上の問題はあるが、うちに来ていただけ れば分け隔てなく食べていただいている。(争いは)早くやめて仲良く 笑顔で元気よく今年もやっていきたい」と語った。政府が昨年9月に尖 閣諸島を国有化したのに対し、領有権を主張する中国は激しく反発、両 国関係は冷え込んでいる。

築地市場は魚市場と青物市場が移転し1935年に開場。東京都中央卸 売市場の望月博広報担当によると、同市場の11年の1日当たりの取扱数 量は1821トン、金額ベースでは15億5000万円と日本最大。築地市場の初 競りは毎年1月5日に実施。

--取材協力:谷口崇子. Editor: 浅井秀樹

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