日本株5連騰、円安と米財政の崖回避-1部時価総額300兆円

大発会の東京株式相場は5連騰、東 証1部の時価総額は1年10カ月ぶりに300兆円を回復した。米国で税・ 財政問題が一定の前進を見せたほか、ドル・円相場が2年5カ月ぶりの 円安水準に振れたことを好感し、ゴム製品や輸送用機器など輸出関連、 保険や証券など金融株中心に買われ、東証1部33業種は全て高い。

TOPIXの終値は昨年の大納会比28.71ポイント(3.3%)高 の888.51、日経平均株価は同292円93銭(2.8%)高の1万688円11銭。 日経平均は、大発会としては2002年(3.1%)以来の上昇率となった。

しんきんアセットマネジメント投信の山下智巳主任ファンドマネジ ャーは、主要国・地域の中央銀行が金融緩和を続ける一方、景気は底打 ちの兆しを見せ、「投資家としては株を買いやすい環境にある」と指 摘。円安を受けて国内企業の業績改善期待は高まっており、「新政権期 待に支えられた相場から、業績改善を買う相場に移行しつつある」との 認識を示した。

米国時間1日、減税失効と歳出削減が重なる「財政の崖」問題を回 避する法案が米国の上下両院で可決された。歳出削減に関しては議論が 先送りされたものの、崖転落の事態回避から投資家の間では安心感が広 がり、2日の米国株市場でダウ工業株30種平均が2.4%高となるなど、 世界の主要株価指数は軒並み上昇した。

東京市場連休中の海外株高の流れを受け、日本株は朝方から幅広く 買いが先行、東証1部33業種ではゴム、保険、輸送用機器、電気・ガ ス、証券・商品先物取引、銀行、非鉄金属、機械、その他金融、卸売な どが上昇率上位に並んだ。ゴムや輸送用機器など輸出関連に関しては、 為替の円安基調を受けた収益の改善期待が上昇に拍車を掛けた。

10年7月来の円安

為替市場では、昨年11月の衆院解散をきっかけにした円安基調の勢 いが継続しており、4日の東京外国為替市場のドル・円相場は一時1ド ル=87円83銭と10年7月下旬以来の円安・ドル高水準を付けた。ユー ロ・円も2日に一時1ユーロ=115円99銭と11年7月来の円安水準を付 けている。

ただ、朝方の買い一巡後はこう着ムードも広がり、日経平均は取引 開始早々に付けた1万734円がきょうの高値となった。11月中旬からほ ぼ一本調子で上昇していることを受け、東証1部の上昇・下落銘柄数の 百分比を示す騰落レシオ(25日移動平均)は昨年12月28日時点で142% と、買われ過ぎを示す120%を大幅に上回る。

また、バリュエーション面でも日本株の割安感は解消されてきてお り、ブルームバーグ・データによると、東証1部の株価純資産倍率 (PBR)は1.05倍と企業の解散価値と等しいとされる1倍を上回って いる。野村証券投資調査部の若生寿一シニアストラテジストは、足元の 過熱感を見る限り「目先は調整する方が健全」と話していた。

売買代金上位ではトヨタ自動車、野村ホールディングス、三菱 UFJフィナンシャル・グループなどが52週高値を付け、ファナックや ファーストリテイリングが上場来高値を更新した。一方、1000億円超の 増資を検討していると1日付の読売新聞で報じられたシャープは、株主 価値の希薄化懸念から安い。この日、東証1部市場に重複上場した日本 取引所グループの東証での初値は3740円となり、ジャスダック市場での 大納会終値4300円に対し、13%安い水準だった。

東証1部の売買高は概算で34億949万株、売買代金は1兆9516億 円、値上がり銘柄数は1553、値下がり110。国内新興市場では、ジャス ダック指数が0.8%高の55.49と5日続伸し、東証マザーズ指数は2.6% 高の415.04と続伸した。

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