債券下落、円安・株高や入札控え売り優勢-長期金利4カ月ぶり高水準

債券相場は下落。円安・株高への警 戒感や来週に国債入札を控えて売りが優勢となった。先物中心限月は一 時7カ月ぶり安値を付け、長期金利は約4カ月ぶり水準に上昇した。

パインブリッジ・インベストメンツ運用本部の松川忠債券運用部長 は「米10年金利が1.85%を上回ってレンジを抜けてきたように見える。 円安・株高が続く中で米雇用統計の発表を控えて動きづらく、押し目買 いも入るが売りの方が優勢だ。10年債と30年債の入札を控えて買い急ぐ 向きもいない」と話した。米金利上昇に伴って円安が想定以上に進む可 能性もあるとの見方も示した。

東京先物市場で中心限月の3月物は、前営業日の2012年12月28日終 値に比べて40銭安の143円25銭で開始。直後に143円20銭と、中心限月の 日中取引ベースで昨年5月28日以来の安値を記録した。その後は下げ幅 をやや縮め、午後は143円30銭台後半を中心にもみ合いとなり、結局 は33銭安の143円32銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の326回債利回 りは同3.5ベーシスポイント(bp)高い0.83%で開始した。午後3時すぎ には4bp高い0.835%と、9月13日以来の高水準を付けた。5年物の107 回債利回りは午後3時すぎに1.5bp高い0.20%に上昇。昨年11月はじめ 以来の0.2%台に乗せた。

20年物の141回債利回りは一時3.5bp高い1.79%と、新発20年債利回 りとしては昨年4月5日以来の水準まで上昇した。午後2時半前後か ら1.78%で取引されている。30年物の37回債利回りは一時、2bp高 い1.995%と、新発30年債利回りとしては11年12月2日以来の高水準を 付けたが、午後は1.99%で推移した。

利回り上昇で投資家需要

午後に入って超長期債など現物債利回りの上昇幅が縮小したことに ついて、JPモルガン証券の山下悠也債券ストラテジストは、「日本で は一段の金融緩和が見込まれることが売りにくさの一因。10年債利回り の0.8%台半ばでは押し目買い意欲が旺盛」と話した。野村証券の松沢 中チーフストラテジストも、「金融緩和期待が強く残り、5年債利回 り0.20%付近が支えになる構図は、米国で量的緩和第3弾(QE3)停 止論議が本格化するまで続く」とみる。

3日の米国債相場は3日続落。米10年債利回りは前日比8bp上昇 の1.91%程度と、約8カ月ぶり水準に上昇した。この日の東京外国為替 市場で円は1ドル=88円台に下落し、2年5カ月ぶりの円安水準を付け た。米議会で大半の世帯の所得税増税をする財政法案が通過し、「財政 の崖」の悪影響が回避されたことから安全性へ逃避する動きが後退し た。株式市場で日経平均株価は大幅続伸した。

来週8日に10年債入札、10日には30年債入札が実施される。岡三証 券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、需給面から超長期ゾーン中心 に金利上振れのリスクがあるとし、「30年債利回りが10日の入札前後 に2.0%を上抜けると10年債も0.85%超えをうかがう場面がありそう」 だと話した。

--取材協力:赤間信行. Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

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