中国経済は債務で膨らむ「綿あめ」か、成長の影に破裂リスク

中国共産党の習近平総書記はヘビ年 の今年、国家主席に就く予定だが、投資主導の中国の経済回復が金融業 界で高まるリスクに脅かされているのを目の当たりとするかもしれな い。

ブルームバーグ・ニュースが先月実施したエコノミスト調査の中央 値によれば、中国の国内総生産(GDP)は今年8.1%増と、2012年 の7.7%増を上回るペースで成長する見込み。一方で、信託会社やいわ ゆる地下銀行による融資拡大でデフォルト(債務不履行)リスクは増 し、それが経済に「深刻な打撃」となる恐れがあると、スタンダードチ ャータードは指摘する。

危険なのは景気回復で政策当局が自己満足に陥り、経済成長の投資 への依存度を低下させるために必要な市場主導型の改革が遅れること だ。習総書記は中国で消費やサービスを活性化させ、融資が非効率な国 有企業から成長をもたらす民間企業に向かうことを確実にする必要があ ると、元米財務省の中国通、デービッド・ロービンガー氏は語る。

同氏は「中国が債務を拡大し、それを非効率な投資に充てることで 成長を維持しようとするなら、綿あめのような状況となるだろう」と指 摘。「米国はファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)やフレディマック(連 邦住宅貸付抵当公社)のような組織が大き過ぎてつぶせなくなり、民間 株主と暗黙の政府保証という組み合わせも相まって災難に見舞われた。 中国の金融システムにも中国版ファニーメイやフレディマックがたくさ んある」と続けた。

ファニーメイとフレディマックは融資焦げ付きによる損失で破綻の 瀬戸際に追い込まれ、2008年以降は米政府の管理下に置かれている。

債務はGDPの2倍以上

習総書記らが運営を引き継ぐ中国経済は、胡錦濤国家主席の03年就 任時よりも借り入れの度合いが大きい。スタンダードチャータードの昨 年11月のリポートによれば、政府や企業、消費者の債務は昨年15ポイン ト増えてGDPの206%に達したもよう。この比率は03年3月には150% だった。

スタンダードチャータードのスティーブン・グリーン氏らエコノミ ストは、中国の借り手が一部の新規融資を「不良債権を隠す」ために活 用し、地下銀行などのいわゆる影の金融が大きくなり過ぎたと指摘。不 良債権比率12%で銀行業界の資本7兆5000億元(約105兆円)が消失す ると試算している。

信託会社による融資は昨年1-11月期に、11年全体と比較して5倍 増えて1兆400億元に達した。さらに、貸出先のリスクが高いという問 題もある。国際通貨基金(IMF)は10月発表の金融安定化報告で、中 国信託会社の融資の相当部分が地方政府の資金調達を担う機関や銀行融 資にアクセスできない不動産会社など、リスクの高い組織に集中してい ると警告した。

成長モデルの破綻

ルービニ・グローバル・エコノミクスのアジア担当シニアエコノミ スト、アダム・ウォルフ氏は、「現下の成長加速は、債務と投資が主導 する成長モデルが破たんする際に現実となる急激な減速への瀬戸際に中 国経済を近づけるものだ」と語った。

同氏によると、中国の不良債権は今年後半に最大で9兆元に膨れ上 がり、銀行の貸出能力は損なわれ、経済のけん引役が不在になったとこ ろで投資が滞り始める。その結果、中国の成長率は10-12月期に7%を 下回り、14年には5%程度まで落ち込む見通しという。

原題:China Poised for 2013 Rebound as Debt Risks Rising for Xi (2)(抜粋)

--取材協力:Zhang Dingmin、Xin Zhou、Scott Lanman.

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