12月31日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルは総じて軟調、米大統領は合意近いと発言

ニューヨーク外国為替市場ではドルが主要通貨の大半に対して軟 調。オバマ米大統領は「財政の崖」を目指す交渉について、議会が高所 得層以外の増税回避で合意に「近い」との認識を示した。

円は対ドルで2年4カ月ぶりの安値に下落。麻生太郎財務相は28日 記者団に対し、米国はドル高政策を取るべきだとの考えを示した。ユー ロは主要16通貨の大半に対して値下がり。ドイツのメルケル首相は欧州 債務危機は決して終わっていないとの認識を明らかにした。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・フ ラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「財政の崖を回避する短期的な 措置が議会を通過しそうなため、全体的にリスクテーク意欲は改善の方 向にある」と指摘。「それがドルの重しになっている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで前営業日 比0.2%高の1ユーロ=1.3193ドル。ドルは対円で0.9%高の1ドル=86 円75銭。一時は2010年8月2日以来のドル高・円安水準をつけた。円は 対ユーロで0.8%安の1ユーロ=114円46銭。

ホワイトハウスと議会は減税措置の延長を含む財政案の大枠で合意 したと交渉に詳しい関係者が明らかにした。ただ、歳出削減の問題はま だ残っているという。

民主党のリード上院院内総務はこの日、財政交渉が「進展」してい るとした上で、合意は31日中に成立するかと聞かれると、「そうなるよ う真剣に望んでいる。だがまだ合意にたどり着いたわけでなはい」と話 した。

「ドルにマイナス」

バンク・オブ・ノバスコシアの為替戦略責任者、カミラ・サットン 氏(トロント在勤)は顧客向けリポートで「中期的にはドルにマイナス の影響を及ぼす」と指摘。「米連邦公開市場委員会(FOMC)の積極 的な政策、信頼できる財政政策の欠如、課題を抱える政治システム、お よび財政問題の長期化がドルの重しになるだろう」と続けた。

先進10カ国の通貨で構成するブルームバーグ相関加重通貨指数によ ると、ドルは年間で2.9%下落。円は15.1%安、ユーロは1%値下が り。

ユーロはこの日下落した。メルケル独首相は2013年の経済環境が今 年より厳しくなるだろうと述べるとともに、前進はあるが欧州債務危機 は決して終わっていないとの認識を明らかにした。

同首相は新年のスピーチで、「われわれが合意した改革は効果が出 始めている」と指摘。「それにもかかわらず、われわれはなお多くの忍 耐が必要だ。危機は終わっていない」と述べた。

日本の政策

円は対ドルで月間ベースでも値下がりした。安倍政権が発足したこ とで円高是正策が強化されるとの見方が強まった。

安倍晋三首相の金融・為替政策に関する積極的な発言で円安が進 み、これが世界的な通貨安競争につながるとの見方に対して、麻生財務 相は「外国に言われる筋合いはない。通貨安に急激にしているわけでも 何でもない」と強調。米国に対してドル高政策を取るよう注文をつけ た。

原題:Dollar Weakens as Obama Says Deficit Deal Is Close; Yen Falls(抜粋)

◎米国株:上昇、S&Pは年最終日として38年ぶり大幅高

31日の米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は年間最終日の 上げとしては1974年以来で最大となった。米議会は「財政の崖」回 避で合意に近づきつつあるとの見方が背景にあった。

コンピューターのヒューレット・パッカード(HP)と建機メーカ ーのキャタピラーはいずれも大きく上昇。景気の変動に敏感な銘柄が買 いを集め、テクノロジー株やエネルギー株、素材株が上昇した。フェイ スブックも高い。モントリオール銀行による株式投資判断の引き上げが 好感された。

S&P500種は1.7%高の1426.19。年間ベースでは13%高と、2009 年以来の大幅高だった。ダウ工業株30種平均は166.03ドル(1.3%)高 の13104.14ドル。

BMOプライベート・バンクのジャック・エイブリン最高投資責任 者(CIO)は「交渉の内容を具体的に知ることはまだ無理だが、少な くとも議会が時限爆弾のタイマーを止めることができるという希望は持 てる」と述べ、「議会が何かで合意できるということだけでも、祝うに は十分だ」と続けた。

マコネル共和党上院院内総務は合意は「すぐそこまで来ている」と 述べ、「増税回避の部分を今通過させよう」と訴えた。

崖回避の合意、視野に

オバマ米大統領は「財政の崖」回避での合意成立が「視野」に入っ てきたとした上で、合意はまだだと述べた。

匿名を条件に述べた当局者によると、減税延長の対象となる所得層 の上限を45万ドルとし、それ以上の富裕層については所得税率を39.6% に引き上げることが提案されている。また失業保険手当の2013年末まで の延長も提案されている。

米議会予算局(CBO)は財政の崖を回避できなければ、米国の景 気は2013年初めに低迷する恐れがあると指摘している。ブルームバーグ がまとめたエコノミスト86人の予想中央値によると、米国の経済成長率 は2013年に2%と、今年の2.2%から低下する。

シクリカル指数

景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指数 は2.2%上昇と、11月19日以来で最も上げた。ダウ輸送株平均は1.6% 高。住宅建設株価指数は2.5%の上昇。S&P500種産業別10指数のテク ノロジー株価指数は2.2%上昇した。

HPは4.2%高、キャタピラーは3.2%値上がりした。

フェイスブックは2.7%高。モントリオール銀行のアナリストはフ ェイスブックの株式投資判断を「アンダーパフォーム」から「アウトパ フォーム」に引き上げた。

原題:S&P 500 Has Best Final-Day Rally Since 1974 on Budget Progress(抜粋)

◎米国債:下落、期限前ぎりぎりの財政合意への期待で

米国債相場は4営業日ぶりに下落。財政の崖回避策をめぐり深夜 の期限までには合意が成立するとの観測から、安全性を求めて米国債 を買う動きが鈍った。

オバマ米大統領は議会の合意は「近い」と発言した。このままで は6000億ドルを超える強制的な歳出削減と増税が1月1日に始まる。議 会予算局(CBO)は財政の崖を回避できなければ、米経済は2013年上 期に景気後退(リセッション)に陥る恐れがあると警告している。10年 債利回りはこの日は上昇したものの、年末水準としては過去最低を記録 する気配だ。

BNPパリバの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(ニュー ヨーク在勤)は「時間切れは迫りつつあるが、何らかの合意を期待する 市場の姿勢に変わりはない。こうした楽観が利回りを押し上げている」 と指摘。「何も起きないとなれば、この楽観は一気に冷める」と続け た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後2時現在、10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇の1.76%。200日移動平均の1.74%を上抜けた。同年債 (表面利率1.625%、2022年11月償還)価格は1/2下げて98 26/32。30年 債利回りは8bp上昇して2.95%。

短縮取引

この日の米国債市場は米証券業金融市場協会(SIFMA)の勧告 に基づき、午後2時までの短縮取引。1月1日は休場となる。

オバマ大統領は財政の崖を回避するための議会合意は「まだ成立し ていない」ものの、一部の減税延長で議会は合意に至ることができると 「期待している」と述べた。そのうえで、財政赤字には段階的な対応が 可能だと指摘した。

10年債利回りは昨年末の1.88%から下落。ブルームバーグ・ニュー スが1月12日に発表したエコノミスト調査では、今年末の10年債利回り の予想中央値は2.5%とされていた。同利回りは7月25日には1.379%ま で下げ、日中の低水準の記録を作った。

ブルームバーグがまとめたデータによると、10年債利回りは年末水 準としては少なくとも1962年以来の最低。これまでの記録は昨年 の1.88%だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調 査によると、来年末は2.17%が予想されている。

グロース氏

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のビル・グロース氏は来年末時点での5年債利回りを0.7%と予想して いると、ツイッターに投稿した。同利回りはこの日、0.72%。

同氏はまた、来年はドルが下落する一方で原油は上昇し、1バレル 当たり100ドルを超えるとみている。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、米国債 の今年のリターンは28日までで2.3%。マイナス3.7%となった2009年以 来で最悪のパフォーマンス。欧州が債務危機の封じ込めに取り組んでお り、米経済統計に改善が見られることから、安全性に逃避する動きが鈍 った。

CRTキャピタル・グループのストラテジスト、デービッド・エー ダー氏は「債券市場は30年にわたる強気相場を経験した」と指摘。「過 去30年に債券市場が享受してきたようなリターンは今後はない。数学的 にみてあり得ない」と述べた。

原題:Treasuries Drop on Bets Congress May Reach Budget-Deficit Deal(抜粋)

◎NY金:反発、財政合意楽観-直物は年間で1920年来最長連続高

ニューヨーク金先物相場は反発。米財政協議が合意に近づいている との楽観や、世界の各中央銀行が景気てこ入れ措置を強化するとの見方 から買いが膨らんだ。金直物は年間ベースでは少なくとも1920年以降 で最長の連続高となった。

オバマ米大統領はこの日、ホワイトハウスで記者団に対し、財政交 渉での合意が「視野に入ってきた」と述べた。

キングスビュー・ファイナンシャルのストラテジスト、マシュー・ ジーマン氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「世界中での紙幣増 刷が金を下支えしている」と指摘。「財政協議に関しては全体的に楽観 が広がっており、貴金属は全般的に買われている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物2 月限は前営業日比1.2%高の1オンス=1675.80ドルで終了。金直物相場 は一時1.5%値上りした。

原題:Gold Extends Longest Streak Since 1920 on Central-Bank Stimulus(抜粋)

◎NY原油:2カ月ぶり高値に上昇、土壇場での財政合意に期待

ニューヨーク原油先物相場は土壇場での財政合意への楽観から上 昇。「財政の崖」回避で合意が成立すれば、経済成長を脅かす6000 億ドル以上もの増税と歳出削減が免れる。

オバマ米大統領は財政の崖回避で議会が合意できると「期待してい る」と発言。「より規模の大きい合意」の方が望ましかったが、米国は 財政赤字に段階的に対応できるとも述べた。原油相場は年間ベースで は2008年以来で初のマイナス。米国での生産急増が響いた。

プレステージ・エコノミクス(テキサス州オースティン)のジェイ ソン・シェンカー社長は「合意に達しそうな気配だ」と指摘。「合意成 立はまだ完全には織り込まれていない。従って合意となれば価格は一段 と上昇するはずだ。米国が財政の崖から転落すれば世界的なリセッショ ンの観測が高まっていただろう」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前営業 日比1.02ドル(1.12%)高の1バレル=91.82ドルで終了。終値として は10月18日以来の高値。年初来では7.1%の値下がり。

原題:Oil Advances to Two-Month High on Possible U.S. Budget Agreement(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず、米財政協議を懸念-年間では14%上昇

31日の欧州株式相場は前週末からほぼ変わらず。米国では「財政の 崖」を回避するための期限を年末に控え、土壇場の協議が行われてい る。指標のストックス欧州600指数は年間ベースでは2009年以降で最大 の上昇率を記録した。

イタリアの公益事業会社、ACEAは2.4%安。RTRへの太陽光 発電プラント売却の発表が売り材料。スペインの銀行、バンキア は3.2%下落。一方、人工ケーシングを手掛けるスペインのビスコファ ンは6.8%高と、指数構成銘柄の中で最大の上げを演じた。

短縮取引となったこの日、ストックス欧州600指数はロンドン時間 午後1時44分現在、前週末比0.1%上昇の279.14。年初来では14%上昇 した。年初来安値となる233.87を付けた6月4日以来では19%上げてい る。

オフィ・パトリモワンヌ(パリ)の運用担当者ジャック・ボルタ氏 は「米財政協議で年末に意欲がそがれたものの、欧州株には極めて良い 1年だった。2013年に向け、欧州市場には2つの大きな利点がある。安 いバリュエーション(株価評価)と債務危機をめぐるストレス軽減だ」 と語った。その上で、「米財政をめぐるこう着状態は続いているよう で、これは悪材料だ」と付け加えた。

31日の西欧市場では18カ国中、ドイツとスイスを含む9カ国が休 場。英FTSE100指数は0.5%下げた一方、フランスのCAC40指数 は0.6%高となった。

原題:Europe Stocks Little Changed; Stoxx 600 Ends Year With 14% Gain(抜粋)

◎英国債:小じっかり、先週の上昇分維持-10年債利回り1.82%

31日の英国債相場は小じっかり。週 ベースで1カ月ぶり大幅上昇となった先週の上昇分を維持した。「財政 の崖」で米国がリセッション(景気後退)に陥るとの懸念は根強い。

英国債の2年、5年、10年、30年物の利回りは今年、いずれも 過去最低を記録した。ユーロ圏の危機深刻化に加え、イングランド銀行 (英中央銀行)の資産買い取りプログラムで需要が高まった。

英10年債利回りはこの日1.82%と、前週末からほぼ変わらず。 同週は6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げ、11月30日終 了週以来最大の低下となっていた。7月23日には1.407%と、ブルーム バーグが1989年にデータ集計を開始して以来の最低を付けた。同国債 (表面利率1.75%、2022年9月償還)価格はこの日、99.41となった。

RBCキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、サム・ヒ ル氏は英国債利回りについて、「国内の金融政策が利回り抑制で効果的 なほか、ユーロ危機が支援要因となっていることを反映して過去最低に 近い水準」にとどまっていると発言。「2013年に入っても、低水準で安 定した利回りが緩慢な景気回復の重要な構成要素の一部であり続けると 期待される」と続けた。

原題:Pound Rises a Second Day Against Euro as U.K. Sentiment Improves(抜粋)

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