米JPモルガン・チェースなど一部 の大手銀行が、電力取引をめぐり米規制当局から数百万ドルの支払いを 求められるなど制裁を科されている。これは、2001年の米エネルギー会 社エンロンの破綻後に監督当局の権限が整備された結果と言える。

米連邦エネルギー規制委員会(FERC)は過去3年間に拡充し た200人規模の執行部門の勧告に基づき、過去1カ月間に英バークレイ ズやドイツ銀行に対し、エネルギー取引を操作したとして制裁金の支払 いを提案した。14日にはJPモルガン・ベンチャーズ・エナジーの電力 取引の権利を来年、半年間にわたって停止すると発表した。実際に市場 に参加している企業に対するこのような措置は初めて。

FERCのウェリングホフ委員長はインタビューで「銀行のあら探 しをしているわけではない。これらの市場を操作したり不正行為をした りしていれば、どんな企業でも調査対象になる」と述べた。

FERCは常にこのような権限を行使していたわけではなかっ た。2000-01年にエンロンのトレーダーらの行動がきっかけで停電が相 次いだ米カリフォルニア州の電力危機を受けて権限が強化された。米議 会で05年に包括的なエネルギー法が成立し、FERCに対し不正行為や 操作を調査する権限が与えられた。FERCには、送電網の信頼性を阻 害した場合には1日当たり最高100万ドル(約8100万円)の制裁金を科 す権限が与えられている。

深い知識を駆使

消費者団体パブリック・シティズン(ワシントン)のエネルギープ ログラム担当ディレクター、タイソン・スローカム氏は、ウェリングホ フ委員長はFERCが金融機関を標的にしていることを否定したが、一 連の調査は、これらの企業が市場システムについて深い知識を駆使して いることを証明していると指摘する。

スローカム氏はインタビューで「過度に複雑な市場の規則の活用に 関してウォール街の企業が重要な役割を果たしているように思える」と 指摘。規制当局は市場を操作したとされる全ての企業からエネルギー取 引の権利を剥奪すべきだとし、それがFERCが行使できる最も重要な 権限だと主張する。

ウェリングホフ委員長は、トレーダーらはFERCの執行部門が 「全力で」取り組んでいることを分かっているので違反行為は減少する とみている。FERCは特定の企業に加え個人も「調査対象とする」予 定。それにより金融業界が動揺する可能性については懸念していないと 述べた。

同委員長は15日、FERCの月次会議の後、記者団に対し「トレー ダーに会ったことがあるか。おびえたりおじけづいたりしている者は、 ほとんどいない」と語った。

原題:JPMorgan’s Energy Trades Ensnared by Post-Enron Enforcement Zeal(抜粋)

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