シャープ株の一段の値下がりを見込 み、信用取引で売り建てていた投資家は、同社株価が今月38年ぶり安値 を付けた後に20%上昇する事態に直面している。

シャープ株下落で利益を上げることを狙う投資家が積み上げた同社 株式の国内における信用売り残は30日時点で3560万株に増加し、日本証 券金融が1997年8月から1日毎のデータ公表を始めて以降で最高の水準 に接近した。ブルームバーグが集計した週間データによれば、シャープ 株の空売り残高は先週時点で過去最大の8460万株に増加した。株価は30 日、前日比6.2%高の172円で終了。今月17日には143円と74年以来の安 値を付けたが、それ以降20%値上がりした。

シャープ株上昇の背景には、同社が米アップルなど主要取引先と提 携するとの観測が強まっていることがある。ブルームバーグがまとめた アナリスト17人の予想平均では、シャープの今期(2013年3月期)の純 損益は2960億円の赤字となる見通し。

ジャガーノート・キャピタル・マネジメントのファンドマネジャ ー、ヤシュワント・バジャジ氏(シンガポール在勤)は「信用売りポジ ションは厳しい状況にある」と指摘。「株式投資家は往々にして企業の 財務状況に気を取られ、好調時に何がその企業を優良会社にしたのかに 十分な注意を払わないことがある。シャープの場合、極めて優れた技術 を有しているという点だ」と述べた。

ブルームバーグが継続調査している証券会社22社のうち、シャープ 株の投資判断を「買い」としている企業は1社もなく、「売り」が13 社、「ホールド」が9社。シャープが今期の利益は2年連続の赤字にな るとの見通しを発表した8月2日以降、少なくとも7社が同社株式の投 資判断を引き下げた。

しんきんアセットマネジメント投信運用部の藤原直樹副部長は、市 場参加者は良い結果を期待していないため空売りは積み上がる可能性が あると指摘。液晶パネルの値下がりやテレビ販売の不振、欧州の景気減 速を受け、決算は厳しいものになると市場は予想していると話した。

原題:Shorters Get Sharp Shock as Ailing TV Maker Gains Before Results(抜粋)

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