スウェーデン・クローナは新たなフランか-避難先通貨の特徴

スウェーデン・クローナはスイス・ フランのような通貨になりつつある。経済が成長し、貿易収支が黒字 で、債務負担が縮小している国の高めの金利を投資家が求めているため だ。

スウェーデン・クローナは6月から3.11%上昇と、主要な先進国通 貨で構成する通貨バスケットの中で最大の上げとなり、2位のノルウェ ー・クローネの約2倍の上昇率となった。ブルームバーグが集計したエ コノミスト予想の中央値によると、ユーロ圏の経済はマイナス成長に陥 っているものの、今年のスウェーデン経済はプラス1.2%成長が見込ま れている。トラックメーカーのスカニアは、通貨高にもかかわらず、生 産能力を拡大する方針を示している。

ストラテジストらは3カ月足らずの間にスウェーデン・クローナの 対ドルでの見通しを約8%引き上げた。スウェーデンの中央銀行はクロ ーナの上昇を抑制する必要はないと示唆。ドルやユーロとは対照的だ。 ドルは7-9月、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の刺 激策を受けて下落したほか、債務危機発生から3年が経つユーロも下げ た。

米ヘッジファンド、FXコンセプツのジョン・テイラー最高経営責 任者(CEO)は9月27日のインタビューで、「クローナはさらに大き く上昇する可能性がある」と指摘。「バーナンキ議長がドル安を促して いるほか、欧州でも問題が続いていることから、スウェーデンには追い 風が吹いている」と述べた。

セーフヘイブン

テイラーCEOは、クローナが11月末までに1ドル=6.35クローナ に達する可能性があると指摘。そうなれば上昇率は3.5%となる。クロ ーナは日本時間10月1日午後0時12分現在、前週末比0.3%安の1ドル =6.5833クローナ。6月1日に付けた年初来安値の7.3285クローナから 上昇している。ユーロに対しては、ほぼ変わらずの1ユーロ=8.4351ク ローナ。先週は0.9%上昇していた。

ストラテジストらはクローナの上昇ペースを追うのに苦労してい る。ブルームバーグが集計したストラテジストの予想中央値によると、 9月28日時点での12年末のクローナ予想は1ドル=6.62クローナと、7 月時点の7.17クローナから上方修正されている。13年半ばの見通し は7.12クローナから6.81クローナに引き上げられた。

スイス・フランと同様に、クローナは経常黒字の恩恵を受けてい る。フランと異なるのは、政策当局がクローナの上昇を抑制しようとし ていないことだ。スイス国立銀行(中銀)は、11年9月に1ユーロ =1.20フランの上限を設定した。

ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)の通貨スト ラテジスト、ピーター・フランク氏(ロンドン在勤)は9月28日の電話 インタビューで、スウェーデン・クローナは「セーフヘイブン(安全な 避難先)に必要とされるあらゆる柱となる特徴を備えている」との見方 を示した。

--取材協力:Anchalee Worrachate、Johan Carlstrom、Ola Kinnander、Peter Levring、Paul Dobson.

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