9月28日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ユーロが対ドルで下落-リスク需要が後退

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対して下落。製造 業景況指数や消費者マインド指数が市場予想を下回ったことで、高リス ク資産の需要が低下した。

ただスペインが救済を要請するとの観測が広がる中、同国が実施し た銀行ストレステストで資本不足額が計593億ユーロと当初予想よりも 小幅にとどまったことに反応し、ユーロは下げを縮めた。ドルは主要16 通貨の大半に対して上昇。米シカゴ購買部協会が発表した9月の製造業 景況指数は、活動の拡大と縮小の境目を示す50を3年ぶりに下回った。 中国人民元は対ドルで1993年以来の高値に上昇した。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は電話取材で、「スペイ ンのストレステストの結果で世界の成長懸念が緩和されるとの見方に、 私は懐疑的だ」とした上で、「ユーロ圏の救済基金のための火力はある 程度維持できるだろう。これはユーロにとってプラスととらえられる」 と述べた。

ニューヨーク時間午後3時57分現在、ユーロは対ドルで前日 比0.5%安の1ユーロ=1.2851ドル。一時0.4%高となる場面もあった。 対円では0.1%上げて100円30銭。ドルは円に対して0.6%上昇し1ドル =78円05銭。

ユーロの値下がり

ブルームバーグ相関加重通貨指数によると、ユーロは年初以 降3.4%下落と、先進10カ国中で円に次いで2番目に大きい下げとなっ ている。ドルは2.5%安。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替戦略世界責任者、マーク・ チャンドラー氏は電話取材で、「弱い経済指標が株式市場の重しとな り、そこからリスクオフの環境が生まれ、ユーロが打撃を受けつつあ る」と分析。「単にユーロだけではない。幅広く値下がりしている」と 続けた。

ニュージーランド(NZ)ドルは今月、米ドルに対し3.2%上昇 と、主要通貨中で最大の上げ。一方で最も上昇率が小さいのはブラジ ル・レアルで0.2%高にとどまった。

7-9月(第3四半期)では、スウェーデン・クローナが5.4%高 と主要通貨中で最大の上昇。一方で南アフリカ・ランドは1.9%安と最 大の下げとなっている。

JPモルガン・チェースによると、主要7カ国(G7)通貨のイン プライド・ボラティリティ(IV)指数は7.73と、2007年10月以来の低 水準を付けた。

経済指標

シカゴ購買部協会が28日発表した9月のシカゴ地区の製造業景況指 数(季節調整済み)は49.7と、前月の53から低下した。ブルームバー グ・ニュースが実施したエコノミスト調査の予想中央値は52.8だった。

9月のトムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数(確 定値)は78.3と、前月の74.3から上昇した。速報値の79.2から下方修正 された。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央 値は79.0だった。

GFTマーケッツの市場ストラテジスト、ニール・ギルバート氏 は28日付のリポートで、「指標の内容がかなり悪かったことからリスク 敬遠が強まり、逃避先のドルを求める動きが広がっている」と指摘し た。

人民元は上昇。中国当局が景気減速を食い止めるための対策を強化 するとの見方が広がった。元は一時0.3%高の1ドル=6.2835元。

原題:Euro Falls Against Dollar as Economic Data Limits Risk Demand(抜粋)

◎米国株:下落、S&P500は週間ベースで6月以来の大幅安

28日の米国株式相場は下落。S&P500種株価指数は週間ベース で6月以来最大の下げを記録した。経済統計の内容が投資家の失望を誘 った。

スペインが実施した銀行のストレステストで資本不足額は計593億 ユーロと、前回の結果を下回ったことが好感され、米国株は下げ渋っ た。外食産業最大手のマクドナルドは下落。ジャニー・モンゴメリー・ スコットが同社株の投資判断を引き下げたのが手掛かりだった。スポー ツ用品最大手のナイキも安い。今年9月から来年1月分の受注が予想を 下回ったことが嫌気された。

S&P500種株価指数は0.5%安の1440.67。一時は0.8%安まで下げ た。週間ベースでは1.3%下落した。ダウ工業株30種平均は48.84ドル (0.4%)下げて13437.13ドルだった。

シマング・キャナル・トラスト(ニューヨーク州エルマイラ)の上 級投資責任者、トム・ワース氏は「経済統計は成長失速と整合的だ」と 述べ、「失望する内容だ。成長の加速を期待していた。欧州に関しては 常に不安感が伴う。前にも見たことのある情景だ」と続けた。

朝方発表された米シカゴ地区の製造業景況指数で縮小が示されたほ か、8月の個人消費支出の伸び悩みが手掛かりとなり株が売られた。一 方、9月の米消費者マインド指数は前月から上昇した。

スペインのストレステスト

スペイン政府は不動産バブル破裂で揺らいだ同国金融業界への信頼 回復を目指し、ストレステストを実施。同国は銀行救済のための最 大1000億ユーロの資金支援で欧州各国と合意しており、外部機関による 銀行のストレステスト実施は合意した条件の1つだった。同国の金融シ ステムは不動産関連で1800億ユーロ余りの損失を抱えている。

グリーンウッド・キャピタルのウォルター・トッド最高投資責任者 (CIO)は、「再び欧州に注目が集まった」と述べ、「欧州は危機が 起きると対応し、そこで満足してしまうということの繰り返しだ。少し の間は順調だが、その後また緊張が高まる」と指摘した。

S&P500種は月間ベースで2.4%上昇。7-9月の四半期ベースで は5.8%上げた。月間ベースでの上昇は4カ月連続。

S&P500種産業別10指数のうち9指数が下げた。特に通信サービ ス株やテクノロジー株、商品関連株が下げた。ダウ輸送株平均は1% 安。半導体のインテルは1.9%下げた。バンク・オブ・アメリカ (BOA)は1.6%安。

アップルが下落

マクドナルドは1.6%下落。ジャニー・モンゴメリー・スコットは マクドナルド株の株式投資判断を「買い」から「ニュートラル」に引き 下げた。

ナイキは1.1%安。同社は、販売が振るわない商品の在庫を処分す るために中国で値引きをしており、それが新製品への需要に影響してい る。中国からの受注は為替変動を除いて6%減。アナリストらは1.2% 増を見込んでいた。

アップルは2.1%安。同社が先週発表したスマートフォン(多機能 携帯端末)「iPhone(アイフォーン)」向けの新しい地図ソフト ウエアで、誤った場所が表示されるなどの欠陥に多数の苦情が寄せられ ていた問題について、ティム・クック最高経営責任者(CEO)が謝罪 した。

クックCEOは28日、「お客様に不愉快な思いをさせたことを当社 は大変申し訳なく思っている。地図を改善するためにできる限りを尽く している」とする顧客宛ての書簡をウェブサイトに掲載した。

原題:S&P 500 Caps Worst Week Since June as Business Activity Shrinks(抜粋)

◎米国債:2週連続高、米統計が成長鈍化を示唆-逃避需要

米国債相場は2週連続高。欧州首脳による債務危機阻止の取り組み が難航する一方、米統計が経済成長の鈍化を示唆したことを背景に、安 全資産とされる米国債の投資妙味は依然として強く、買いが優勢となっ た。

28日の10年債相場は上げ幅を縮小する展開。スペインの銀行ストレ ステスト(健全性審査)で資本不足額が一部の市場予想を下回ったこと が手掛かり。利回りは朝方、3週ぶり低水準に下げた。個人消費支出と 個人所得が伸び悩んだことを受け、買いが先行した。バンク・オブ・ア メリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、四半期ベース(7-9 月)の米国債リターンは0.6%。前四半期は3%だった。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デビッ ド・コード氏(ニューヨーク在勤)は「ソブリン債危機や世界の経済成 長鈍化への懸念が米国債相場を押し上げた」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時30分現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下して1.63%。一時1.60%と、今月7日以来の低水 準に下げる場面もあった。週間ベースでは12bpの低下。同年債(表面 利率1.625%、2022年8月償還)価格は7/32上げて99 30/32。

30年債利回りは2.82%。一時は2.78%まで下げた。週間では12bp 低下した。

スペイン銀行

スペインの銀行の資本不足額は計593億ユーロ(約5兆9500億円) であることが、28日公表のストレステストの結果で明らかになった。こ れを受けて米10年債利回りは3週ぶり低水準から反発した。ストレステ ストは、スペイン政府が7月に要請した1000億ユーロ規模の銀行システ ム救済に際して受け入れた条件。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「恐れていたほ ど悪くはないと分かり、相場が反応した。最大1500億ユーロに上るとの 憶測も出ていた」と述べた。

米国債は朝方に買い進まれた。米商務省が発表した8月の個人消費 支出(PCE)は、インフレ調整後の実質ベースで前月比わずかな伸び にとどまった。PCEは名目ベースで前月比0.5%増加。PCE価格指 数が0.4%上昇と、大幅な伸びを示したことがPCEの押し上げにつな がった。8月の個人所得は名目ベースで前月比0.1%増と、前月から変 わらず。

9月のシカゴ地区の製造業景況指数が予想に反して3年ぶりに縮小 を示したことも買い材料となった。シカゴ購買部協会が発表したシカゴ 地区の製造業景況指数(季節調整済み)は49.7と、前月の53から低下し た。同指数は50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。ブルームバー グ・ニュースが実施したエコノミスト調査の予想中央値は52.8だった。

上昇ペースは鈍化

ラホイ政権は27日、ユーロ圏で3番目の規模の財政赤字を削減する ため、宝くじ賞金への課税や省庁の支出削減などを承認した。スペイン やギリシャでは今週、歳出削減に抗議するデモ隊と警察が衝突した。

米国債の上昇は今四半期に入り減速。利回り低下を受け、投資家が より高いレートの投資先を求めたことが背景にある。

BOAメリルリンチのデータによると、年初から前日までの米国債 リターンは2.3%。一方、投資適格級と投機的等級の社債は9.5%上昇し た。先進国と新興国の株式指標であるMSCIオールカントリー世界指 数は同期間中に14%上昇した。

原題:Treasuries Rise for Second Week as Investors Crave Safest Assets(抜粋)

◎NY金:反落、ドル上昇で代替投資需要弱まる-週間でも下げ

ニューヨーク金先物相場は反落。ドルが上昇し、代替投資としての 金需要が弱まった。

世界的な景気減速懸念を背景に、ドルは主要通貨バスケットに対し て最大0.6%上げた。金は7-9月(第3四半期)に11%上昇、2010年 6月以来の大幅高となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が追加 緩和を発表したため、インフレが加速し、ドルが下落するとの懸念が強 まった。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシ ュ氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「ドルの強さが金を抑制し ている。過去数週間、相場が上昇していたため、利益確定の動きもあ る」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.4%安の1オンス=1773.90ドルで終了した。週間で は0.2%安と、6週間ぶりに下げた。

原題:Gold Declines in N.Y. as Stronger Dollar Crimps Investor Demand(抜粋)

NY原油:続伸、中東緊張で供給障害を警戒-四半期8.5%高

ニューヨーク原油相場は続伸。中東情勢の緊迫で原油供給に障害が 起きかねないとの見方から買いが続いた。四半期ベースでは今年最大の 値上がり。ガソリン価格が5カ月ぶり高値に上昇したことも原油の買い を促した。

オバマ米大統領がイスラエルのネタニヤフ首相と、イランの核兵器 開発を阻止するとの目標で「完全一致」したとホワイトハウスが明らか にした。ガソリンは供給ひっ迫への懸念から4日続伸。原油価格は14日 の取引中にバレル100ドルを超えた後、26日までに10ドル以上値下がり したところで、買いが戻ってきた。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)の市場担当シニア アナリスト、フィル・フリン氏は「中東で高まる緊張が懸念されてい る」と指摘。「短い期間に10ドルという大幅な調整が入った後なので、 持ち直す時期に来ていた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前日 比0.34ドル(0.37%)高の1バレル=92.19ドルで終了。週間では0.8% の値下がり。月初来では4.4%のマイナス。7-9月(第3四半期)入 りしてからは8.5%上昇した。

原題:Oil Caps Biggest Quarterly Gain This Year on Middle East Tension (抜粋)

◎欧州株:3週ぶり安値-スペイン銀行健全性審査の発表を控え

28日の欧州株式相場は3週間ぶり安値を付けた。取引終了後に発表 されるスペインの銀行ストレステスト(健全性審査)の結果を控え、売 りが優勢となった。指標のストックス欧州600指数は四半期ベースでは プラスを維持した。

スウェーデンの衣料小売り、ヘネス・アンド・マウリッツ(H& M)は1.7%安。SEBとCAシェブルーが同銘柄の売りを推奨した。 英エンジニアリング会社エレクトロコンポーネンツは約7年ぶりの大幅 安。通期利益が見通しを下回るとの予想が嫌気された。

仏コンピューターサービス会社キャップ・ジェミニは0.8%上昇。 通期利益がアナリスト予想を上回ったとの見方を、アクセンチュアが示 したことが手掛かり。仏蘭系航空会社エールフランス・KLMグループ は4.6%高。UBSによる投資判断の引き上げが買いを誘った。

ストックス欧州600指数は前日比1.2%安の268.48で終了。終値とし ては5日以来の最低。週間ベースでは2.7%下げた。ただ、世界各国の 中央銀行が追加刺激策を講じたことを背景に、7-9月(第3四半期) は前期比6.9%高となった。

コメルツ銀行のエコノミスト、ピーター・ディクソン氏(ロンドン 在勤)は、「スペインが銀行を対象にした新たなストレステストを発表 するという事実は、過去1年にわたり市場が懸念していた問題がまだ存 在することを示唆する」とも述べた。

この日の西欧市場では、18カ国中16カ国で主要株価指数が低下し た。フランスのCAC40指数は2.5%下げ、先月2日以来の水準となっ た。

原題:European Stocks Drop to Three-Week Low; Electrocomponents Falls(抜粋)

◎欧州債:スペイン債ほぼ変わらず、救済申請の観測-英独債堅調

28日の欧州債市場では、スペイン国債が一時下げたものの、その 後持ち直して結局ほぼ変わらずとなった。スペインが救済を要請し、欧 州中央銀行(ECB)が同国債を購入するようになるとの観測が広がっ た。

スペインの銀行ストレステスト(健全性審査)の結果発表を控え、 同国の10年債利回りは3日連続で一時6%を上回った。ただ、月間ベ ースでは昨年12月以来で最も低下した。ドイツ国債は堅調で、四半期 ベースでは1998年以降最長の上昇局面となった。9月のユーロ圏イン フレ率が予想に反して上昇したものの、相場には影響しなかった。フラ ンス国債は週間ベースで8月以来の上げとなった。同国政府はこの日、 2013年予算案を発表した。

ウニクレディト・グローバル・リサーチ(ミラノ)のシニア債券ス トラテジスト、ルカ・カツラーニ氏は「週末に救済を要請するとの見方 とともに今週の取引を終えつつある。こうした憶測がリスクを伴う取引 を促進しており、スペイン国債を支えている」と述べた上で、「時期的 には早過ぎ、憶測には根拠がないと思われる」と続けた。

ロンドン時間午後4時40分現在、スペイン10年債利回りは

5.95%で、前日からほぼ変わらず。一時は12bp上げ6.06%に達し た。同国債(表面利率5.85%、2022年1月償還)価格は99.29。月 間では91bp低下。2年債利回りは13bp上げた後、6bp上昇の

3.43%となった。

ドイツ10年債利回りは前日比2bp低下の1.44%。5日以来の 低水準となる1.42%まで下げる場面もあった。四半期ベースでは15b p低下し、6四半期連続で下げている。

英国債

英国債市場では10年債相場が上昇し、利回りは約2週間ぶりの低 水準を付けた。ロンドン時間午後4時19分現在、同利回りは前日比2 bp低下の1.72%。一時は1.68%まで下げた。週間ベースでは12b p低下した。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格はこ の日、0.14上げ100.31。

原題:Spanish Bonds Pare Declines Amid Bailout-Request Speculation(抜粋) U.K. Gilts Gain for Second Week on Spain Concern; Pound Slides(抜粋)

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