米国債:2週連続高、米統計が成長鈍化を示唆-逃避需要

米国債相場は2週連続高。欧州首脳 による債務危機阻止の取り組みが難航する一方、米統計が経済成長の鈍 化を示唆したことを背景に、安全資産とされる米国債の投資妙味は依然 として強く、買いが優勢となった。

28日の10年債相場は上げ幅を縮小する展開。スペインの銀行ストレ ステスト(健全性審査)で資本不足額が一部の市場予想を下回ったこと が手掛かり。利回りは朝方、3週ぶり低水準に下げた。個人消費支出と 個人所得が伸び悩んだことを受け、買いが先行した。バンク・オブ・ア メリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、四半期ベース(7-9 月)の米国債リターンは0.6%。前四半期は3%だった。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デビッ ド・コード氏(ニューヨーク在勤)は「ソブリン債危機や世界の経済成 長鈍化への懸念が米国債相場を押し上げた」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時30分現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下して1.63%。一時1.60%と、今月7日以来の低水 準に下げる場面もあった。週間ベースでは12bpの低下。同年債(表面 利率1.625%、2022年8月償還)価格は7/32上げて99 30/32。

30年債利回りは2.82%。一時は2.78%まで下げた。週間では12bp 低下した。

スペイン銀行

スペインの銀行の資本不足額は計593億ユーロ(約5兆9500億円) であることが、28日公表のストレステストの結果で明らかになった。こ れを受けて米10年債利回りは3週ぶり低水準から反発した。ストレステ ストは、スペイン政府が7月に要請した1000億ユーロ規模の銀行システ ム救済に際して受け入れた条件。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「恐れていたほ ど悪くはないと分かり、相場が反応した。最大1500億ユーロに上るとの 憶測も出ていた」と述べた。

米国債は朝方に買い進まれた。米商務省が発表した8月の個人消費 支出(PCE)は、インフレ調整後の実質ベースで前月比わずかな伸び にとどまった。PCEは名目ベースで前月比0.5%増加。PCE価格指 数が0.4%上昇と、大幅な伸びを示したことがPCEの押し上げにつな がった。8月の個人所得は名目ベースで前月比0.1%増と、前月から変 わらず。

9月のシカゴ地区の製造業景況指数が予想に反して3年ぶりに縮小 を示したことも買い材料となった。シカゴ購買部協会が発表したシカゴ 地区の製造業景況指数(季節調整済み)は49.7と、前月の53から低下し た。同指数は50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。ブルームバー グ・ニュースが実施したエコノミスト調査の予想中央値は52.8だった。

上昇ペースは鈍化

ラホイ政権は27日、ユーロ圏で3番目の規模の財政赤字を削減する ため、宝くじ賞金への課税や省庁の支出削減などを承認した。スペイン やギリシャでは今週、歳出削減に抗議するデモ隊と警察が衝突した。

米国債の上昇は今四半期に入り減速。利回り低下を受け、投資家が より高いレートの投資先を求めたことが背景にある。

BOAメリルリンチのデータによると、年初から前日までの米国債 リターンは2.3%。一方、投資適格級と投機的等級の社債は9.5%上昇し た。先進国と新興国の株式指標であるMSCIオールカントリー世界指 数は同期間中に14%上昇した。

原題:Treasuries Rise for Second Week as Investors Crave Safest Assets(抜粋)

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