日本株反落、景気や業績懸念で自動車、海運など幅広く下げ-内需も

東京株式相場は反落。8月の日本 の鉱工業生産指数が低下するなど景気、企業業績に対する不透明感が 根強い上、中国の景気減速や日中関係悪化の影響も懸念された。業績 不安からホンダなど輸送用機器、海運株の下げが目立ち、金融など内 需関連株も安い。

TOPIXの終値は前日比8.17ポイント(1.1%)安の737.42、 日経平均株価は79円71銭(0.9%)安の8870円16銭。両指数とも、 午後の取引で下げ幅を広げた。

三井住友アセットマネジメントの金本直樹シニアファンドマネジ ャーは、「政策サポート効果が出尽くす中で、実体悪の方に目が行き始 めている」と指摘。対中関係改善の糸口が見えず、自動車などの足元 業績に影響が出始めている上、今後は中国が景気対策に動いても、日 本企業だけ恩恵を受けられない可能性があると言う。「日本の企業業績 は、10-12月期まで下方修正が続く懸念がある」と金本氏は話した。

経済産業省が取引開始前に発表した8月の鉱工業生産は前月比

1.3%下がり、2カ月連続で低下した。市場予想は同0.5%低下だった。 シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストによると、生産減 少の最大の背景は輸出の減少傾向が挙げられるとし、日本の景気は「こ とし3月ごろを山に、後退局面に入った可能性が高い」と結論付けた。

中国リスク、短観警戒も

また中国についても、格付け会社のフィッチが2012年成長率見通 しを従来の8%から7.8%に下方修正。きょうの中国の上海総合指数 は上昇傾向を強めたものの、両国関係が悪化する中では日本株への好 影響も限定された。

立花証券顧問の平野憲一氏はきょう午後に日本株指数の下げが拡 大したことについて、鉱工業生産はマイナス幅が予想よりも広がって いるとし、「来週月曜日に出る日本銀行の企業短期経済観測調査 (短観)がかなり悪くなるのではないか、というイメージが出ている」 と話していた。

東証1部33業種のうち、TOPIXの下落寄与度1位、下落率で 2位だったのが輸送用機器。ゴールドマン・サックス証券では28日、 中国での不買運動は同国の自動車需要期という最悪のタイミングで起 きたとし、ホンダやトヨタ自動車など大手自動車3社の業績予想を引 き下げた。下落率1位の海運については、メリルリンチ日本証券が業 績下方修正の可能性やバランスシート悪化のリスクなどを勘案し、日 本郵船など大手3社の投資判断を「中立」から「アンダーパフォーム」 に引き下げたことも響いた。

国内景気の後退懸念が強まっているだけに、銀行や保険など内需 も下落。8月の全国のコアCPI(消費者物価指数)は前年同月比

0.3%低下し、根強いデフレ圧力も示された。「生産が減少し、給与も 下がれば、いずれ国内消費にも影響しかねない」と、三井住友アセッ トの金本氏は危惧していた。

花王売られる

東証業種別33指数は海運、輸送用機器、証券・商品先物取引、保 険、陸運、非鉄金属、水産・農林、卸売、銀行、不動産など30業種が 下落。上昇は石油・石炭製品、食料品、鉄鋼の3業種。東証1部の売 買高は概算で17億5670万株、売買代金は1兆1199億円、騰落銘柄数 は上昇405、下落1153。

個別では、4-9月期連結営業利益の下振れ予想が28日付の日本 経済新聞朝刊で報じられた花王が下落。半面、ゴールドマン・サック ス証券が判断を「買い」に上げたあおぞら銀行が急伸。上期営業利益 が前年同期比26%増益だったイオンクレジットサービスも高い。

--取材協力:久保山典枝  Editor:Shintaro Inkyo

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