米国債:9日ぶりに下落、スペイン財政前進との見方で

米国債相場は9日ぶりに下落。スペ インが財政赤字の削減目標達成に一歩近づいたとの見方から、米国債へ の逃避需要が減退した。

投資家のリスク回避志向は弱まったものの、27日の7年債入札(発 行額290億ドル)は四半期末を控えた安全資産の需要に支えられた。最 高落札利回りは1.055%と、ブルームバーグがまとめた入札直前の市場 予想の1.064%を下回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.61 倍と11か月ぶり低水準。過去10回の入札の平均である2.82倍を下回っ た。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレクタ ー、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「一服感が出てい る」とし、スペインについては、「必要な措置を取っている。前向きな 一歩だ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時15分現在、既発7年債利回りは前日比2ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)上昇の1.03%。

10年債利回りは3bp上昇して1.64%。同年債(表面利 率1.625%、2022年8月償還)価格は9/32下げて99 27/32となってい る。30年債利回りは5bp上昇の2.83%。

欧州危機

米国債は前日まで8日続伸し、2008年12月以来で最長の連続高とな っていた。欧州債務危機からの資金の逃避先として、安全とされる米国 債の需要が高まったことが背景。スペインやギリシャでは今週、歳出削 減に抗議するデモ隊と警察が衝突した。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ジャ ージー氏(ニューヨーク在勤)は「前日の不安感がやや和らいだ。スペ インが救済を要請しないかもしれないという不安や、騒乱によって政府 が緊縮財政の断念を迫られるという懸念があった」と述べた。

スペインのラホイ政権は27日、発足から9カ月で5回目となる財政 緊縮パッケージを発表。これを受けて米国債は下げ足を速めた。同政権 の発表には、欧州に救済を要請した場合により厳しい条件を課されるこ とを避ける狙いがあるとみられる。

ラホイ首相はユーロ圏の救済基金からの救済を要請する決断を先延 ばししており、欧州首脳陣の一角はいら立ちを募らせている。正式な救 済要請があれば欧州中央銀行(ECB)がスペイン債の下支えに動くこ とが可能となる。

7年債入札

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 今月これまでの米国債リターンはマイナス0.2%と、四半期ベースの上 げを0.7%に縮小した。年初来リターンは2.4%。米国債相場は2011年に は9.8%上昇した。

この日の7年債入札の結果によると、外国の中央銀行を含む間接入 札の落札全体に占める比率は34.9%と、1月以来の低水準。過去10回の 入札の平均は40.6%となっている。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入 札の落札比率は17%と、過去10回の平均である14.1%を上回った。

この日の最高落札利回りは、ブルームバーグが記録をとり始め た1980年以降で2番目に低い水準だった。過去最低は今年7月に付け た0.954%。

米国債は朝方に下げ幅を縮める場面も見られた。米商務省が発表し た第2四半期の実質個人消費が1.5%増と、改定値の1.7%増から下方修 正されたことが手掛かり。全米不動産業者協会(NAR)が発表した8 月の中古住宅販売成約指数も前月比2.6%低下と、米国債の買い戻しを 誘った。

原題:Treasuries Snap Longest Rally Since 2008 Amid Optimism on Spain(抜粋)

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