経済の弱さが債務圧縮妨げ、現実的な目標必要-IMF報告

イタリアやギリシャが、1990年代の カナダのように大幅な債務圧縮に成功することは難しい。国際通貨基金 (IMF)が世界経済の弱さを理由にこうした見解を示した。

IMFは20世紀のさまざまな時期における先進国6カ国のそれぞれ の債務削減の取り組みを検証し、外部環境は各国の財政計画の成否を左 右する重要な要因だったと結論付けた。

IMFは世界経済見通しの中の1章で、今日の高債務国は「多くの 国での財政引き締め政策、民間部門のレバレッジ解消の圧力、不利な人 口動態、金融危機の後遺症」に直面していると分析。「達成可能な削減 についての期待は現実的なものでなければならない」と論じた。

この検証はユーロ圏債務危機の解決に向けた取り組みに、過去の経 験に基づく視点から光を当てた。ギリシャは昨年の時点で国内総生産 (GDP)の165%相当に膨らんでいた債務を、2020年までに120%を下 回る水準に引き下げることを目指している。

IMFは通貨同盟と金融セクターをめぐる問題への対応がなされる まで、ユーロ圏の進展は限られる可能性があるとの見方を示した。一 方、米国には財政健全化のための環境が整っていると指摘した。

外部環境からの支援要因がほとんどない状況の下で財政再建を進め る国の政府は、並行して成長促進の措置も講じることが必要だと促し、 そうした措置の1つとして特に低金利政策を挙げた。一時的な措置を避 け、経済を根底から変革すべきだと付け加えた。

日欧米の経験

「善と悪、そして卑劣:公的債務の崖の100年」と題されたこの章 は債務が対GDP比の100%を超えた国の経験を検証。第1次世界大戦 後の英国、第2次大戦後の米国、1980年代と90年代のベルギー、カナ ダ、イタリア、日本を取り上げた。

IMFは別の章で新興市場の回復力に言及し、政策の改善と経済的 ショックの減少を指摘した。ただ、米国の急激な財政引き締めと欧州危 機の長期化は新興市場に対するリスクでもあると説明。「外部環境が再 び悪化した場合、新興市場および発展途上国・地域は大恐慌時にそうだ ったように、先進国・地域経済との連動を再び強める公算が大きい」と 分析した。

原題:Weak Economy to Hamper Debt Reduction Efforts, IMF Report Says(抜粋)

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