日本株反発、医薬品などディフェンシブ高い-化学やSNSは売り

東京株式相場は反発。欧州の景気 や債務問題への警戒、円高傾向を受け企業業績の不透明感が強い中、 医薬品や食料品、電気・ガスといったディフェンシブ業種が高い。中 国の景気対策への期待で、機械など輸出関連株の一部も出直った。

半面、業績への懸念で大手化学株、ニトリホールディングスやヤ マダ電機など一部小売株の下げが目立ち、競争激化の可能性が警戒さ れディー・エヌ・エー、グリーのSNS関連銘柄は売買を伴い急落。 相 場全般の上値を抑えた。

TOPIXの終値は前日比3.05ポイント(0.4%)高の745.59、 日経平均株価は43円17銭(0.5%)高の8949円87銭。

DIAMアセットマネジメントの平川康彦ファンドマネジャーは、 「足元で業績予想を下方修正している企業などから判断すると、今期 の業績は下期回復どころか、上期ですら未達になりそうだ」と言う。 投資資金は「業績懸念のある銘柄を外し、ディフェンシブなものへと 向かっている」との見方を示していた。

26日の欧州債市場では、スペイン10年債利回りが大幅上昇し、 再び6%を突破。同国首都のマドリードでは緊縮策に抗議するデモが 発生し、スペイン中央銀行は同国経済が7-9月(第3四半期)も著 しく縮小した、との見方を示した。26日の米国株は、S&P500種株 価指数が5日続落と7月以降で最長の下げを記録。為替市場では、円 が対ドルや対ユーロで高止まっている。

アムンディ・ジャパンの吉野晶雄チーフエコノミストは、「今まで は金融緩和期待の方へ目が行っていたが、再び欧州の方に向かいつつ ある」と指摘。市場参加者の間では、「金融緩和だけで景気が良くなる のか、という疑問が強い」と話していた。過剰流動性相場への期待か ら下値は堅い一方、海外景気や為替への不透明感も残るとあって、投 資マネーは業績への不安が相対的に少ない業種に向かっている。

統計低調で中国に政策期待

日経平均は、投資家の短・中期的な採算ラインである75日移動平 均線(8859円)を今月11日以来、割り込む場面もあったが、当面の 下値めどとみられていた同水準まで達し、その後は下げ渋り。加えて、 低調な経済指標の発表をきっかけに、景気刺激策発動への期待で中国 株が大幅高となったことも午後後半に日本株が持ち直す要因となった。

中国の工業セクターは、8月の企業利益が5カ月連続で減少を記 録。同国が7四半期連続で成長鈍化に向かっている兆しがあらためて 示された。DIAMアセットの平川氏は、「中国の政策当局は、成長が 急失速することで国内の不安定を引き起こすことが分かっているため、 市場ではいずれ金融政策か財政政策で行動を起こすという漠然とした 期待感はある」としている。

「米国のマクロ指標は景気を大きく危ぶむ状況にはなっていない。 欧州も、ギリシャのユーロ離脱が懸念されたときほどの緊迫感はない」 と見るのは、プレステージ・アセット・マネジメント証券の井上哲男 チーフ・ストラテジスト。米国株は上昇トレンドの中のテクニカルな 日柄調整期間で、市場環境自体は大きく変わっていないと分析。日経 平均は9月上旬の安値水準である8700円近辺から「下に行く理由はな い」とし、調整はかなり進んだと見ていた。

化学やSNS下げ、業績懸念映す

一方、企業業績に対する懸念の強さは個別銘柄の値動きにも表れ た。きのう午前に日本ゼオンが業績予想を下方修正し、あらためて化 学業界の収益環境の厳しさが警戒され、住友化学や三井化学など化学 大手が大幅安。ニトリHDは、上期営業利益の計画比下振れを受け、 ゴールドマン・サックス証券などから投資判断引き下げの動きがあっ た。シティグループ証券ではヤマダ電機の業績予想を引き下げた。

また、DeNA、グリーのSNS関連は競争環境激化による収益 性の悪化、コンテンツ囲い込みのためのソーシャルゲームプラットホ ーム手数料の値下げリスクなどが懸念され、売買代金上位で急落。N TTドコモは、高機能携帯電話(スマートフォン)などで楽しむソー シャルゲーム事業に参入する、と27日付の日本経済新聞朝刊が報じた。

東証1部業種別33指数では、ガラス・土石製品、電気・ガス、医 薬品、証券・商品先物取引、倉庫・運輸、保険、ゴム製品など23業種 が上昇。空運、パルプ・紙、サービス、非鉄金属など10業種は安かっ た。東証1部の売買高は概算で16億2875万株、売買代金は同1兆165 億円。値上がり銘柄数は777、値下がりは756。

--取材協力:久保山典枝  Editor:Shintaro Inkyo

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