長期金利は1カ月半ぶり低水準、欧州懸念の再燃で債券買いが先行

債券市場では長期金利が一時1カ月 半ぶりの低水準を付けた。欧州債務問題に伴う景気懸念から前日の米国 市場で株安・債券高が続いた流れを引き継いで買いが先行した。ただ、 取引が進むにつれて高値に対する警戒感も出て上げ幅は縮小した。

みずほインベスターズ証券の落合昂二チーフマーケットエコノミス トは「スペインのデモを背景に欧州問題の混乱に対する懸念が強まり、 質への逃避が連想され、買いが先行したものの、長期金利が0.8%を割 り込んでおり、高値警戒感が出始めて、伸び悩んだ」と指摘。「欧州の 混乱もエスカレートするかどうか不透明なので、上値を買い進んでいく 状況にはない」とも話した。

東京先物市場で中心限月12月物は、前日比14銭高の144円24銭で取 引を開始。直後に144円25銭に上昇し、中心限月ベースで8月7日以来 の高値を付けた。その後は上値が重くなり、144円10銭台でもみ合い。 午後の取引終盤には2銭安の144円08銭まで下落したが、結局は横ばい の144円10銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の325回債利回りは 同1ベーシスポイント(bp)低下の0.77%と、8月9日以来の低水準で始 まった。その後も同水準の推移が続いたが、午後3時前に0.5bp低 い0.775%に低下幅を縮めた。

20年物の140回債利回りは1bp高い1.645%に上昇。30年物の37回債 利回りは午前に1.5bp低い1.87%と、6日以来の低水準を付けたが、午 後は売りが優勢になり、0.5bp高い1.89%に上昇した。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャーは 欧州でリスク回避の動きが予想よりも早く再燃する中、欧米や中国の景 気減速懸念の強まりなどから「金利は低下せざるを得ない状況」と指摘 した。その上で、スペインが支援を要請するには厳しい規制を国民が受 け入れるか不透明感が高まっているとの見方を示した。

2年債入札は予想通り

財務省がこの日実施した表面利率0.1%の2年利付国債(10月発 行、321回債)の入札結果によると、最低落札価格は100円00銭と市場予 想と一致。平均落札価格も100円00銭。小さければ好調とされるテール (最低と平均落札価格の差)はゼロとなり、前回の2厘から縮小した。 投資家の需要の強さを示す応札倍率は11.39倍と、前回の12.62倍からや や低下した。

SMBC日興証券金融経済調査部の山田聡部長は、2年債入札につ いて「最低落札価格は予想通り。平均落札価格については、100円より やや高くなるとの見方もあったが、中間期末というタイミングだったの で、前回と比べると過熱感がやや落ち着いた印象」と分析。相場につい ては、欧州懸念の再燃で質への逃避的な買いが復活していると述べた。

26日の米債相場は8日続伸。米10年債利回りは前日比6bp低下 の1.61%程度。スペイン債利回りがこれまで他の欧州諸国が救済を求め ざるを得なかった水準付近に達したことに反応して買いが入った。ま た、同日実施の米5年債入札結果によると、投資家の需要を測る指標の 応札倍率は3.06倍と、過去10回の平均値2.92倍を上回り、4月以来の最 高だった。一方、米株相場は欧州債務危機に対する懸念を背景に続落し た。

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