債券は続伸、米株安・債券高や投資家の買い一安倍氏勝利で一時売りも

債券相場は続伸。根強い景気懸念を 背景に前日の米国市場で株安・債券高となった流れを引き継いだほか、 投資家から現物債に買いが入ったことも相場を支えた。一方、自民党総 裁選で安倍晋三元首相が勝利したことで財政規律が緩むとの懸念から一 時的に売りが優勢となる場面があった。

パインブリッジ・インベストメンツ運用本部の松川忠債券運用部長 は、安倍氏は成長重視の上げ潮路線の人で、消費増税の先送りを示唆し ており、債券は一時ネガティブな反応を示したと指摘。ただ、「野田佳 彦首相が政権を維持しているため、安倍氏の自民党総裁就任は中期的に は影響するが、反応は限定的。債券相場は、国内要因よりも海外要因を 背景に堅調」との見方も示した。

東京先物市場で中心限月12月物は、前日比10銭高の144円06銭で取 引を開始し、その後144円12銭まで上昇し、中心限月の日中で6日以来 の高値を記録した。午後に入り、自民総裁選の結果が判明するといった ん144円02銭まで水準を切り下げたが、再び買いが優勢になり、144円12 銭まで上昇。結局は14銭高の144円10銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の325回債利回りは 同1ベーシスポイント(bp)低い0.78%と、4日以来の低水準で開始し た。その後は同水準で推移したが、総裁選の結果を受けて一時0.785% を付けた。その後再び0.78%で推移した。20年物の140回債利回りは 1bp低い1.64%と、6日以来の水準に下げていたが、一時的に1.645% を付け、再び1.64%に下げた。30年物の37回債利回りは2bp低い1.88% から、一時1.89%を付け、その後は1.885%で取引された。

安倍自民新総裁、次の首相も

自民党は26日午後、党本部で総裁選の投開票を行い、決選投票の末 に安倍氏が石破茂前政調会長を逆転で破り、選出された。安倍氏は、同 党が次期衆院選で第1党に返り咲ければ「次の首相」に就任する可能性 がある。

UBS証券の伊藤篤シニア債券ストラテジストは、石破氏は特例公 債法を政争の具としないと発言していることから、解散と引き換えでな くても特例公債法に賛成する可能性があるとし、「午前のフラットニン グ維持か、さらなるフラットニング圧力がかかるとみられる」と分析。 一方、安倍氏が決選投票で逆転した場合は「フラットニングの修正があ りえる」との見方を示していた。

一方、JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、 安倍氏について、経済政策に関しては「上げ潮路線、財政再建よりも成 長・デフレ脱却を優先、日銀に強い要求などが並ぶ。ただ、首相となれ ば、安倍政権時代のように経済財政諮問会議などを立ち上げ、そこが議 論の主導権を握る可能性が高い。 実際には、現実的な政策に置き換え られていく」と分析。インフレ目標を高めたとしても、実際にインフレ になるとは限らないとし、金利が低位で推移する蓋(がい)然性は引き 続き高いと言う。

25日の米債相場は7日続伸。米10年債利回りは前日比4bp低下 の1.67%程度。フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は25日、米当局 の新たな資産購入プログラムは経済成長の押し上げにつながらないであ ろうと発言。これを受けて安全資産とされる米国債に買いが集まった。 一方、米株相場は下落。S&P500種株価指数は1.1%下げて1441.59。 これは6月25日以来で最大の下げ。

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