安倍元首相が自民党総裁に、領海しっかり守る-早期解散を要求

自民党は26日午後、党本部で総裁選 の投開票を行い、決選投票の末に安倍晋三元首相が石破茂前政調会長を 逆転で破り、選出された。安倍氏は、同党が次期衆院選で第1党に返り 咲けば「次の首相」に就任する可能性がある。総裁経験者の復帰は1955 年の同党結党以来、初めて。

安倍氏は総裁就任のあいさつで、「政権奪還に向けて全力を尽くし たい」との決意を表明。その後の記者会見で、野田佳彦首相が求める党 首会談には応じる考えを示した。野田首相が谷垣禎一前総裁に「近いう に国民に信を問う」と伝えたことについては「国民との約束だ。このこ とは実行してもらえると考えているし、それを前提にいろんなお話をさ せてもらう」と早期の衆院解散を求める考えを強調した。

幹事長などの党執行部人事に関しては「あと一両日、じっくり考え ていきたい」と指摘。石破前政調会長が党員票の過半数を取ったことを 挙げ、「重く受け止めなければならない。これから石破さんとも話をす るが、協力をしていくことが求められている。来るべき総選挙を勝ち抜 くことのできる強力な布陣を考えていきたい」と述べ、同氏に協力を求 める考えを明らかにした。

総裁選には安倍、石破両氏に加え、町村信孝元外相、石原伸晃幹事 長、林芳正政調会長代理(元経済財政担当相)の5氏が立候補。党員を 含めた1回目の投票では199票を得た石破氏がトップで141票の安倍氏が 2位だった。両氏による国会議員のみの決選投票では安倍氏が108票を 獲得し石破氏の89票を上回った。

赤字国債法案

安倍氏は当面、早期の衆院解散を求めて野田佳彦政権に対抗してい くことになる。消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革を進めるた めの民主、公明両党との合意は維持する方針を示しているが、2014年4 月からの引き上げにはデフレからの脱却が前提との考えだ。

当面の課題となっている赤字国債を発行するための公債特例法案へ の対応に関しては、14日の総裁選立候補者による共同記者会見で、「政 争の具にしようという考えは全くない」としながらも、「もっとムダを なくしなさい、将来の成長に資する予算にしなさいということで組み替 え動議を出しており、それに応えるべきは民主党だ」と述べ、12年度予 算の減額などを求めている。

尖閣諸島に関しては総裁選公約で国有化と避難港創設など実効支配 の強化、領海警備のための自衛隊法改正を明記している。26日の総裁記 者会見では、尖閣をめぐる中国の動きについて「この尖閣、そして領 海、しっかりと守っていくという意思を示したい」と強調。その上で、 「日中関係は極めて重要だ。国益がぶつかっても、お互いがお互いを必 要としているという認識を戦略的に考えながらそういう事態をコントロ ールしていこうという考え方に変わりはない」と語った。

安倍氏は1954年9月生まれの58歳。衆院山口4区選出で当選6回。 祖父は岸信介元首相、叔父は佐藤栄作元首相、父は安倍晋太郎元外相と 政治家一家に育った。小泉純一郎政権で党幹事長、官房長官などの要職 を歴任し、06年9月に戦後最年少の52歳で首相に就任したが、わずか1 年で退陣した。

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