米国株:S&P500種が5日続落、欧州危機の悪化を懸念

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米株式市場ではS&P500種株価指 数が5日続落。7月以降で最長の下落局面となった。欧州の債務危機が 悪化しているとの懸念から売りが出た。

新築住宅販売件数が予想を下回ったため、パルトグループなど住宅 建設株が大幅安。原油相場が7週間ぶり安値に沈み、エネルギー株に売 りが出た。電子部品メーカーのジェイビル・サーキットは業績見通しが 失望を誘い、9.9%下落。ハイテク株全体に売りが広がった。

S&P500種株価指数は0.6%下げて1433.32で終了。過去5営業日 では1.9%下げている。ダウ工業株30種平均は44.04ドル(0.3%)下げ て13413.51ドルで終えた。米証券取引所全体の出来高はほぼ64億株と、 3カ月平均を6.3%上回った。

ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクのグローバル投資スト ラテジスト、ショーン・リンチ氏は電話インタビューで、「景気刺激策 が立て続けに実施されているが、世界経済は大きくは改善していないと いう状況にある」と指摘。「スペインやギリシャのニュースが再び紙面 をにぎわし、政治的なリスクが意識される中、株式投資家は現在、小休 止を望んでいる」と述べた。

ドイツ、オランダ、フィンランドの3カ国は25日夜、スペインは自 国の銀行問題のコストを負担すべきで、ユーロ圏の恒久的な救済基金で ある欧州安定化メカニズム(ESM)による銀行への資本注入は限定的 であるべきだとの認識を示した。これを材料に、この日は世界的に株安 となった。スペイン銀行(中央銀行)は第3四半期の同国経済が「著し いペース」で縮小を続けていると指摘した。

「投資家の過信」

ブリンマー・トラストで約60億ドル相当の資産運用に携わるエリッ ク・ソーン氏は電話インタビューで「米金融当局のリップサービスと刺 激策により、投資家は金融当局が景気を浮揚し成長をもたらせると過信 していた」と発言。「現在の景気回復局面は予想よりも時間がかかると の現実が見えてきたとき、相場は急速かつ大幅に下落する恐れがある」 と語った。

S&P500種は第3四半期に入って5.2%上昇している。UBSのス トラテジスト、ボリス・ルジャビンスキ氏は24日付の顧客向けリポート で、年金基金が今週、分散投資の配分見直しで株式を売らざるを得ない 可能性があると指摘。米年金基金は5兆ドルの資産のうち、約55%を株 式で保有しており、最大360億ドルを株式市場から引き揚げ、多い場合 は190億ドルを債券市場に流入させるとの試算を明らかにした。最大の 資金流出は米大型株で、最悪の場合210億ドルが売却されるという。

住宅建設株

S&Pスーパーコンポジット住宅建設株指数は4.2%下落と、6月 以来の大幅安。構成する11銘柄全てが下げた。8月の新築一戸建て住宅 販売(季節調整済み、年率換算)は前月比0.3%減の37万3000戸。ブル ームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は38万戸だっ た。前月は37万4000戸(速報は37万2000戸)に修正された。

パルトグループは4.7%安。D.R.ホートンは3.9%、レナー は4.5%それぞれ下げた。

S&P500種のエネルギー株指数は0.9%下落。米エネルギー省の統 計で石油需要の減少が明らかになり、原油相場は1.5%安となった。

S&P500種の情報技術(IT)株指数は0.8%下落。アップル は1.2%下げ、3日続落。スマートフォン(多機能携帯電話)の新機種 「iPhone(アイフォーン)5」の発売後最初の週末の販売台数が 一部アナリスト予想を下回ったことが、引き続き株価を圧迫している。

ジェイビルは9.9%安と、S&P500種の構成銘柄で最も下げがきつ い。9-11月(第1四半期)の1株当たり利益が62セント以下にとどま るとの見通しを示した。アナリストの平均予想は67セント。

原題:S&P 500 Has Longest Decline Since July Amid Concern Over Europe(抜粋)

--取材協力:Sarah Jones.

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