米国債:続伸、リスクテーク意欲弱まる-米欧景気先行き懸念

米国債市場では10年債が7日続伸 し、過去1年4カ月で最長の連続高となった。フィラデルフィア連銀の プロッサー総裁は25日、米当局の新たな資産購入プログラムは経済成長 の押し上げにつながらないであろうと発言。これを受けて安全資産とさ れる米国債に買いが集まった。欧州債務危機は悪化しているとの観測が 広がりリスク意欲が減退したことも背景にある。

米統計を手掛かりに米国債は伸び悩む場面も見られた。消費者信頼 感と住宅価格指数は予想を上回る伸びを示した。米財務省はこの 日、350億ドル相当の2年債入札を実施。今週は3日間にわたり計990億 ドルの入札が予定されている。米連邦公開市場委員会(FOMC)は今 月の会合で、景気浮揚と失業率の押し下げを目指し月額400億ドルの住 宅ローン担保証券(MBS)購入を決定した。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレクタ ー、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「米国債は依然と して買いが優勢だ。多くの中銀が金融緩和を拡大したにもかかわらず、 世界の経済成長をめぐる懸念はほとんど変わっていない」と指摘。「引 き続き世界の成長は緩慢で、不確実性が高いというのが現実だ」と述べ た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後3時45分現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下して1.67%と、11日以来の低水準。前回利回りが 7日連続で低下したのは2011年5月だった。既発2年債の利回りはほぼ 変わらずの0.26%となっている。30年債利回りは5bp低下し て2.85%。

この日の2年債入札の最高落札利回りは0.273%と、ブルームバー グがまとめた入札直前の市場予想と一致した。投資家の需要を測る指標 の応札倍率は3.60倍と、過去10回の平均である3.78倍を下回った。

プロッサー総裁

プロッサー総裁はフィラデルフィア連銀で講演し、FOMCが今月 発表した新たな資産購入計画について、成長や雇用を押し上げる可能性 は低く、金融当局の信頼性を脅かしかねないとの認識を示した。

総裁はまた、経済調査では追加の資産購入が「長期金利を顕著に低 下させる可能性は低い」ことや、金利を「さらに数ベーシスポイント」 下げても成長や雇用を加速させる効果はないことが示されていると言 明。米経済は「緩やかなペース」で成長し、2013、14年の成長率は約 3%になると予想した。

FOMCは今月13日、景気回復が十分達成されるまでMBSの購入 を続けると表明。政策金利を少なくとも2015年半ばまで事実上ゼロ近辺 に据え置くことで経済成長を支え、3年7カ月にわたり8%を超える水 準で高止まりしている失業率の引き下げを図る方針を示した。

統計が堅調

この日の入札で海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占め る割合は27.2%だった。過去10回の平均は31.7%。。プライマリーディ ーラー以外の直接入札者の落札比率は17.5%と、過去10回の平均 (11.6%)を上回った。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 2年債の年初来リターンは0.2%。これに対し米国債全体のリターン は1.9%となっている。2011年の2年債リターンは1.5%、米国債全体の リターンは9.8%だった。

この日の米国債は一時、下げに転じる場面があった。米民間調査機 関のコンファレンス・ボードが発表した9月の消費者信頼感指数は70.3 と、7カ月ぶり高水準だった。

全米20都市を対象にした7月の米スタンダード・アンド・プアーズ (S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.2%上昇し た。

原題:Treasuries Gain in Longest Streak in 16 Months on Growth Concern(抜粋)

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