円一段高、対ドル77円後半で1週間ぶり高値ー世界景気に懸念

東京外国為替市場では、午後の取引 で円が一段高となり、対ドルでは1ドル=77円台後半で、約1週間ぶり の高値を更新した。欧州を中心とした世界景気の減速懸念を背景に、リ スク回避に伴う円買い圧力が強まった。

ドル・円相場は午前9時すぎに77円91銭を付けたあと、円がじりじ りと水準を切り上げ、午後には一時77円75銭と、14日以来の円高値を付 けた。午後3時20分現在は77円77銭付近で取引されている。また、ユー ロ・円相場も午後の取引で円買いが活発化し、一時は1ユーロ=100 円24銭と、13日以来の水準までユーロ安・円高が進んでいる。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、欧州の経済をけ ん引してきたドイツにユーロ圏内の景気後退の影響が出てきていると指 摘。その上で、欧州が足を引っ張る形で世界景気全体が悪くなる可能性 が高くなってきたとし、再びユーロ売り圧力がかかり、「消去法的に円 が買われる」展開になりやすいとみている。

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は24日に行った米ワシ ントンでの講演で、各国政策当局の誓約の実行能力をめぐる不安が世界 経済の重しになっていると指摘。最も緊急に行動力が求められるのはユ ーロ圏であるとしつつ、米国も来年に財政の引き締めが起こる可能性が あり「大きなリスク」を抱えていると述べた。IMFは世界の経済成長 予想を引き下げる見込み。

欧州財政懸念くすぶる

独Ifo経済研究所が24日発表した9月の企業景況感指数は101.4 と、前月の102.3を下回り、2010年2月以来の低水準となった。欧州情 勢をめぐる懸念を背景に、前日の米株式相場はS&P500種株価指数が 3営業日続落。株価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引 所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指数)は4営業日ぶりの 水準に上昇している。

24日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇。同10年債利回りは約1週 間ぶりの低水準となった。欧州首脳らが危機解決方法で合意できない中 で、域内で最も安全とされる同国債の需要が高まった。

ラガルドIMF専務理事は、ギリシャが景気低迷や民営化の遅れで 財政状況が悪化しているため、検討中の財政措置では解決できない資金 調達ギャップに直面していると指摘している。

そうした中、ドイツでは、メルケル首相のキリスト教民主同盟 (CDU)の幹部、ミヒャエル・マイスター議員が24日、ベルリンでの インタビューで、独議会はギリシャの一段の債務減免を拒否するだろう と述べた。

ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)の為替戦略グローバル 共同責任者、レイ・アトリル 氏(シドニー在勤)は、スペインが正式 な金融支援の要請に関して消極的な姿勢を続けていることが懸念要因に なっており、仮にめどが付いたとしても、すぐにまたギリシャ問題が持 ち上がる可能性があると指摘。その上で、「ユーロ圏の情勢に関して は、回復や改善の兆しが見られない」と説明している。

ユーロ・ドル相場は午後に1ユーロ=1.29ドル台を割り込み、13日 以来の水準となる1.2887ドルまで値を切り下げた。

--取材協力:Mariko Ishikawa、Monami Yui. Editors: 青木 勝, 山中 英典

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