日本株は反発、その他製品や不動産、建設高い-配当権利取り下支え

東京株式相場は反発。アナリスト の間で強気のセクター判断を確認する動きがあった不動産、建設株が 高く、その他製品や金属製品、銀行株も堅調だった。世界的な金融緩 和による過剰流動性相場への期待感が底流にあるほか、きょうは上期 末の権利付き最終売買日で、配当取りの動きも下支え役を果たした。

TOPIXの終値は前日比3.98ポイント(0.5%)高の757.66、 日経平均株価は22円25銭(0.3%)高の9091円54銭。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの三沢淳一株式運用部 長は、日本銀行が前週表明した追加金融緩和は時期がサプライズだっ たものの、「内容はもう一段踏み込んだものを期待していた。円高が進 む中、市場では日銀の追加緩和への期待値が残っている」と指摘した。

きょうの日本株は、為替の円高進行や海外景気の先行き懸念など から売り先行で始まったが、日経平均が心理的節目の9000円を目前に 踏みとどまり、先物に買い戻しが入ったことなどをきっかけに徐々に 持ち直した。「米欧日と金融緩和に動いたことで極端なリスクオフがな くなり、多少は債券から株式にマネーが戻ってきていることが底堅さ につながっている」と、野村証券の佐藤雅彦エクイティ・マーケット アナリストは言う。

不動産が終日堅調

アジア株軟調の影響などで午後半ばにかけてはTOPIX、日経 平均とも再び弱含む場面が見られたが、結局大引け段階ではプラスと なった。株価指数が方向感を失っていた中で、終日堅調に推移したの が不動産株。東京の不動産価格上昇が株価に反映されるとし、クレデ ィ・スイス証券ではセクター判断の「オーバーウエート」を強調。個 別でも、来期の営業増益予想などを理由に三菱地所を格上げした。野 村証券でも、欧州投資家訪問ではセクターに前向きな投資スタンスを 持っているとの印象を受けたとし、「強気」スタンスを継続した。

このほか、震災復興需要はこれからが本番などとし、ドイツ証券 が判断「オーバーウエート」を確認した建設株も上昇。LIXILグ ループ、リンナイなど住設関連企業を含む金属製品株も高かった。

SMBCフレンド証券の中西文行シニアストラテジストはきょう の相場について、配当の権利付き最終売買日で、「株価が下落した時点 では配当取りの買いが入りやすい」と話していた。同氏によれば、配 当取りが予想される高利回り業種の代表は医薬品や銀行など。ブルー ムバーグ・データによると、あすの日経平均の配当落ち分は73.45円 と試算されている。

東証1部33業種の騰落は、その他製品や金属製品、繊維製品、水 産・農林、鉱業、不動産、化学、建設、銀行、その他金融など27業種 が上昇。海運や鉄鋼、電気・ガスなど6業種が安い。東証1部の売買 高は概算で17億4553万株、売買代金は1兆732億円、値上がり銘柄 数は1130、値下がりは380だった。

上値重さも実感

株価指数は上昇したものの、上値の重さを印象付ける1日でもあ った。ドイツのIfo経済研究所がまとめた9月の独企業景況感指数 が予想に反し低下したことで、債務危機がユーロ圏の景気回復を妨げ ているとの懸念から、24日の海外為替市場ではユーロが対ドル、対円 で下落。海外株安の動きも影響し、円は大半の通貨に対し上昇、対ド ルでは6営業日ぶりの円高水準である一時77円81銭まであった。

海外景気の先行きや円高に対する警戒感から、ファナックやコマ ツ、キヤノンなど輸出関連株の一角が下落。海運や鉄鋼株も弱く、原 子力発電所再稼働への不透明感が広がった四国電力など、電気・ガス 株も軟調だった。ファナックには野村証券の投資判断引き下げ、コマ ツには米キャタピラーの利益見通し減額の連想という悪材料があった。 前週再上場した日本航空の下落ぶりも目立った。

三井住友トラスト・アセットの三沢氏は、「日本株は割安だが、 為替や海外景気を受けた足元の企業業績のモメンタムは良くない。大 きな売買エネルギーがない中で、割安というだけで一気に水準訂正で きない」と話していた。

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