帝人:初のドル建て協調融資、通貨スワップ活用し調達金利を抑制へ

帝人は今月末に満期を迎える総 額300億円の円建てシンジケートローン(協調融資)の借り換えとし て、一部に同社としては初めてドル建て協調融資を組み入れる。通貨ス ワップ取引でドルから円への転換に有利な市場環境を利用し、調達コス トを削減する狙い。

今回の融資は、5年前に借り入れた300億円の円建て協調融資の借 り換えで、三菱東京UFJ銀行とみずほコーポレート銀行が共同主幹事 として取りまとめる。年限5年、150億円強を円建て、残りをドル建て で月内に契約。ドル建て部分は円とのスワップ取引で、調達コストを抑 える。5年前に借り入れた当時の金利はLIBOR(ロンドン銀行間取 引金利)+5.5bp(ベーシスポイント、1bp=0.01%)だった。

帝人CFOの園部芳久氏は、ドル供給余力がある邦銀からは、「ド ルは比較的安い金利で借りられる」と指摘。直接、円建てで借り入れる よりも、ドルの借入金を通貨スワップ取引を使って円に転換した方が、 「トータルの調達コストが下がる」と述べた。

ブルームバーグ・データによると、5年物のドル円通貨スワップレ ートは2011年の平均マイナス59bpから、今年は平均マイナス76bpへ 低下。マイナス幅が大きいほど、ドルで借り入れて円に転換することが 有利になる。ただ、世界的な金融緩和や欧州債務危機の後退を背景に、 ドル需給のひっ迫度が緩和、足元のスワップレートは25日時点でマイナ ス59bpと、急速にマイナス幅が縮小している。

同社では重点戦略事業に位置付けるヘルスケアや炭素繊維の設備増 強を中心として、今期の設備投資額は前年度比1.5倍の500億円、中長期 的にM&Aを含め年平均1000億円への拡大を見込んでいる。園部氏は 「調達コストも歴史的に見て一番低いレベル」とみており、債務負担の 拡大に備え、調達環境の良いうちに投資資金を前倒しで確保することも 検討している。同社の有利子負債は6月末時点で2547億円。

--取材協力:Yusuke Miyazawa. Editors: 持田譲二, 平野和

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