米国債:6日続伸、米景気の回復を悲観-欧州債務不安も再燃

米国債相場は6営業日続伸。欧州債 務危機を収束させる方策をめぐり首脳間で意見が対立したほか、今週発 表の耐久財受注や個人消費統計で米経済の回復の遅れが示されるとのエ コノミストの予想が背景にある。

10年債は6営業日続伸し、過去約1年で最長の連続高。ドイツのメ ルケル首相とフランスのオランド大統領は、欧州の銀行監督一元化に向 けた行程表をめぐり意見が分かれた。米政府のデータによると、米国内 投資家による米国債の購入は2010年以降で初めて、海外投資家を上回る 伸びとなった。米財務省は今週、総額990億ドル相当の証券入札を控え ている。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「米経済成長の減速見 通しや、長引く欧州危機が世界の金融市場に与える影響が意識された」 と指摘。「こういったこと全てが米国債相場を下支えした」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後3時47分現在、10年債利回りは前週末比4ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の1.72%。一時、12日以来の低水準とな る1.70%を付ける場面も見られた。同年債(表面利率1.625%、2022年 8月償還)価格は10/32上げて99 5/32となっている。

この日の30年債利回りは4bp低下して2.91%と、200日移動平均 の2.94%を下回った。利回りは今月17日には3.12%と、4カ月ぶり高水 準に上げていた。

欧州不安

1カ月物の財務省短期証券(TB)のレートは0.005%と、8月6 日に付けた低水準に並んだ。8月29日には0.122%と、今年最高の水準 に上昇していた。年初来最低は1月3日に付けたマイナス0.01%。過 去10年間の平均は1.61%となっている。

連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが開発した金融モデ ルに基づく10年物タームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)による と、米国債はここ2週間で最も割高感が高まっている。この日のターム プレミアムはマイナス0.9%と、今月10日以来で最も割高な水準。マイ ナスのタームプレミアムは、適正水準を下回る利回りでも投資家が積極 的に受け入れていることを意味する。年初来平均はマイナス0.74%。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「欧州の材料を 受けたリスクオフの取引に伴う買いが集まった」と解説した。

ドイツのIfo経済研究所がまとめた9月の独企業景況感指数 は101.4と、前月の102.3を下回り、2010年2月以来の低水準となった。

米景気の減速見通し

メルケル独首相のキリスト教民主同盟(CDU)の幹部、ミヒャエ ル・マイスター議員はベルリンでのインタビューで、スペインのラホイ 首相は全面的救済が必要かどうかを明言するべきだと苦言を呈した。欧 州中央銀行(ECB)は今月6日、救済対象国に条件を課す政府債買い 入れ計画を発表したが、ラホイ首相は救済要請に消極的な姿勢を見せて いる。

ブルームバーグがまとめた調査によると、商務省が27日発表する8 月の製造業耐久財受注額は前月比5%減(予想中央値)となる見通し。 7月は4.1%増だった。28日発表の8月の個人消費支出(PCE)は前 月比0.5%増と見込まれている。7月は0.4%増。

トレーダーのインフレ見通しの指標は、連邦公開市場委員会 (FOMC)による追加緩和の発表前日以来の低水準。10年債と同年限 のインフレ連動債(TIPS)の利回り格差(ブレークイーブンレー ト)は2.46ポイントに縮小。今月12日以降で最小となった。17日に は2.73ポイントと、2006年5月以来で最大となっていた。年初来の平均 は2.21ポイント。

米財務省は2年債入札(発行額350億ドル)を明日に控えているほ か、今週26日に5年債(発行額350億ドル)、27日には7年債(発行 額290億ドル)と入札が続く。

原題:Treasuries Rise Sixth Day on Europe Crisis Concern, U.S. Outlook(抜粋)

--取材協力:Anchalee Worrachate、Cordell Eddings.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE