バーナンキFRB議長への疑念、国内投資家の米国債購入促す

米国の投資家による米国債の購入ペ ースが2010年以降で初めて海外投資家を上回っている。米国の公的債務 残高が16兆ドル(約1250兆円)を上回る中で政府の借り入れ努力を支え ている。

ブルームバーグがまとめた財務省の直近データによると、米連邦準 備制度理事会(FRB)を除いた国内投資家が保有する政府債務証券は 今年1-7月期に10.7%増加し3兆6100億ドルに達した。中国やドイツ など海外投資家の保有額は同期間に6.9%の伸びだった。昨年は海外投 資家の保有が13%増えた一方、米国内投資家の保有は4.6%減った。

投資家はバーナンキFRB議長を中心とする連邦公開市場委員会 (FOMC)で決まった前例のない規模の刺激策が、景気を浮揚させず 失業率も押し下げない恐れがあると懸念。記録的な低金利も米国の投資 家の妨げにはなっていない。4年連続で1兆ドルを超えるとみられる財 政赤字を穴埋めを目指す米政府にとって、国債需要が頼みの綱だ。

ブラウン・アドバイザリーで36億ドル相当の債券資産を運用するト ム・グラフ氏は今月7日の電話インタビューで、「不確実性の高まりで 家計資産に現金が過剰に積み上がっている」と述べ、個人投資家が「リ ターン追求」よりも安全志向である限り、低過ぎるという利回りは特に ないと指摘した。

米国債残高の50.4%を海外投資家が保有。その割合は11年5月 の49%から上昇したものの、08年の55.7%からは低下している。米国債 を最も多く保有する外国は中国で、その保有額は1兆1500億ドルと、11 年7月の1兆3100億ドルから減少している。

借り入れコスト

米政府は世界恐慌後で最悪の金融危機からの経済立て直しを狙った 財政出動で借り入れを膨らませた。米国の公的債務残高は07年の9兆ド ル弱から急増。それでも借り入れコストは投資家の安全志向を背景に低 下している。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、10年物米国債利回 りは先週、11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し1.75% となった。07年半ばは5%を超えていた。

プルデンシャル・ファイナンシャルの公債部門チーフ投資ストラテ ジスト、ロバート・ティップ氏は今月19日のインタビューで、「ありき たりな言い方だが、元本に対するリターンではなく元本が戻ってくるの かが心配されている」と指摘した。

米投資信託協会(ICI)が12日公表したデータによると、課税対 象の債券に投資する投資信託には11年9月から今年7月までに月平均 で166億ドルが流入した。これに対し、株式投信からは月平均で109億ド ル流出した。20日公表のFRBのデータによれば、家計部門では米国債 保有が今年1-6月(上期)に昨年末比51%増と記録的な伸びを示 し、8780億ドルに達した。

原題:Bernanke Recovery Doubts Spur U.S. Investors’ Bid for Treasuries(抜粋)

--取材協力:Lynn Thomasson.

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