ユーロ下落、スペイン懸念で対円は一時1週間ぶり安値

東京外国為替市場ではユーロが下 落。スペインの支援問題などの行方が依然不透明で、同国の格下げリス クも意識される中、ユーロは売りが先行する展開となった。

ユーロは対円で一時1ユーロ=101円台を割り込み、14日以来の安 値となる100円87銭まで下落。その後いったん101円台に戻したが、上値 は重く、午後3時44分現在は100円99銭前後となっている。ユーロ・ド ル相場も1ユーロ=1.29ドル後半から一時1.2928ドルと2営業日ぶりの 水準までユーロ安が進み、同時刻現在は1.2940ドル付近で推移してい る。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の村田雅志通貨ストラ テジストは、スペインの格下げ自体はほぼマーケットに織り込まれてい るとみており、「それが新たなユーロの売り材料というよりは、むしろ 当局のセーフティーネットに対して政府がマーケットの期待通りに動か ないことへの失望だ」と指摘。「特に短期的にはユーロはずっと買い戻 しが続いてきたので、高値から売り圧力が強まるのは自然な流れだ」と 話した。

一方、ドル・円相場は1ドル=78円前半で上値の重い展開が続き、 一時は14日以来の安値となる78円01銭までドルが軟化する場面が見ら た。同時刻現在は78円05銭前後。

村田氏は、「今週は日本企業の中間期末に向けたレパトリエーショ ン(自国への資金回帰)需要も思惑としてはあるだろうし、日米の金融 政策の姿勢の違いというものもあり、ドル・円の上値は重い」と指摘。 ただ、介入警戒感や日本の貿易赤字の定着化、国内景気の後退懸念もあ るため、一方的にドル安・円高が加速する状況でもないと語った。

スペイン問題

タイムズ紙は、スペインが欧州中央銀行(ECB)の支援を数日中 に求める見通しと報じた。同紙が情報源を明らかにせずに報じたところ によると、ラホイ首相はECBへの国債購入要請について、ブリュッセ ルの当局者と内密に協議しているもようだ。

村田氏は、「スペインは今、条件闘争の状態で、ギリシャの時もそ うだったようにかなり長引く可能性がある」と指摘。「ECBにせよド イツにせよ、支援するためのハードルを現時点で下げることは考えにく い」とし、ユーロについては「じり安感が強まって、1.28ドルや1.26ド ルぐらいまで売り圧力が続くとみておいた方がいい」と話した。

ドイツのショイブレ財務相は21日、記者団に対し、スペインには銀 行救済を超えるプログラムは必要ないとする自身の見解は「揺らいでい ない」と述べた。

ムーディーズはスペインの「Baa3」の格下げの可能性を示唆し ており、格付けの見直しが9月末まで続く見通しであることを明らかに している。

一方、ギリシャが財政目標の達成時期を2年先送りすれば財政赤字 額は300億-400億ユーロに膨らむと、オランダ紙フィナンシエール・ダ フブラットがトロイカの査察結果について知るブリュッセルの関係者ら の話を基に伝えた。欧州連合(EU)欧州委員会とECB、国際通貨基 金(IMF)の通称トロイカは21日にギリシャ政府との協議をいったん 打ち切っている。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、ユーロ崩壊が真剣に 議論された6、7月のような悲観一色のムードではないが、「ギリシャ もスペインの話も含めてもまだ予断は許さないということを再確認しつ つある」と指摘。ECBによる債券購入合意を受け、「浮かれていた分 の反動が出てき始めている」と話した。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 ドイツのIfo経済研究所がこの日発表する9月の独企業景況感指数 は102.5と8月の102.3とほぼ変わらずとなる見通し。同指数は8月まで 4カ月連続で低下している。

円相場

日本銀行の山口広秀副総裁は24日午後、都内で講演し、「世界経済 をめぐる不確実性は非常に大きい」とした上で、先行きの金融政策運営 はこれまでと同様、「必要と判断される場合には、果断かつ柔軟に対応 していく」と述べた。また、講演後の質疑応答では、「金融政策を用い て直接、為替相場に影響を与えることは一切考えていない」と述べる一 方で、為替を通じて経済、物価への影響を見定め、「必要があるとみれ ば、対応を行っていく」と話した。

大和証券投資情報部担当部長の亀岡裕次氏は、「米国の長めの金利 や商品市況が下がってきていて、株価も伸び悩みとなっており、全体と してみると、少しリスクオン(選好)が弱まっている」とし、そうした 中では円が買われやすいと話した。

--取材協力:三浦和美. 油井望奈美 Editors: 青木 勝, 崎浜秀磨

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