日本株反落、中国景気減速と円高を懸念-輸出や素材、海運中心安い

東京株式相場は反落。中国の景気 減速や為替の円高に対する懸念から、キヤノンや日産自動車など輸出 関連、鉄鋼など素材関連株、海運といった中国経済の恩恵を受けやす い業種の下げが目立った。海運は東証1部33業種の下落率トップ。

TOPIXの終値は前週末比2.70ポイント(0.4%)安の753.68、 日経平均株価は40円71銭(0.5%)安の9069円29銭。

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの角田成広シニアイ ンベストメントマネジャーは、「世界全体の貿易量が低下するなど、中 国にとっての外需の弱さは同国経済の足かせとなっている」と指摘。 中国景気の底打ちは、「Ⅴ字型というよりL字型になりそう」と言う。

中国の製造業者と小売業者の売り上げに対する楽観的な見方が3 カ月前に比べ後退し、人員削減に踏み切る企業が増えていることが米 連邦準備制度理事会(FRB)のベージュブック(地区連銀経済報告) をモデルにした米CBBインターナショナルの調査で分かった。

同調査は、中国の製造業活動や貿易、小売売上高の伸びが7-9 月に減速していることを示す経済指標に基づくもので、経済成長率が 7四半期連続で鈍化し、年間で22年ぶりの低成長に陥る可能性を示唆 している。中国国家統計局の邱暁華元局長は22日、中国の経済成長率 が7-9月に7.4%に低下する可能性がある、と発言した。

「米国はまだ良いが、日欧中の経済指標は悪いまま」と、りそな 銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・ストラテジスト。金 融緩和の効果が出るまでなお時間がかかるとして、「それまで景気の悪 化が加速するかどうかで、今は動きにくくなっている」とした。きょ うの中国株の戻りに連れ、日本株も午後には下げ渋る場面があったが、 上値は限られた。

1ドル=77円台視野

また、東京外国為替市場では、円が対ドルで一時78円1銭、対ユ ーロでは100円87銭まで円高が進行。東京株式市場の前週末終値時点 は78円16銭、101円52銭だった。対ドルでは14日以来となる77円 台が視野に入りつつある。

欧州では同地域の各種問題について、危機打開の手詰まり感が台 頭している。ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領の22 日の会談で銀行同盟について意見の相違があったほか、金融支援をめ ぐるスペインの動きも鈍く、ギリシャが救済条件を達成する方法に関 する協議もまとまっていない。米格付け会社ムーディーズ・インベス ターズ・サービスは、スペインの格付けの見直し作業を行う予定だ。

岩井コスモ証券投資情報部の清水三津雄副部長によると、「中国経 済の底打ちで今年度下期業績は回復を予想していたが、為替の円高と 中国減速で10月下旬からの決算発表では通期業績が下方修正される 可能性がある」という。為替が1ドル=77円台に入るようなら、「日 経平均8800円程度までの下げは覚悟しなければならない」と見る。

キヤノン下げきつい

東証1部業種別33指数では、中国経済の恩恵を受けやすい業種の 下げが目立ち、下落率上位は海運、鉄鋼、ゴム製品、鉱業、電機、輸 送用機器、非鉄金属、ガラス・土石製品など。中国での自動車販売の 減少が懸念され、自動車部材の鉄鋼やゴムは終始弱い動きを見せた。 個別でも、反日デモ活動への従業員の動揺が続くキヤノンは大幅安。

半面、電気・ガス、不動産、情報・通信、その他金融、食料品、 サービスなど内需関連株は堅調で、株価指数を下支えした。このうち 情報・通信では、アップルの新型スマートフォン(多機能携帯電話) 「iPhone(アイフォーン)5」販売への期待でKDDI、ソフ トバンクが高い。「日本株は現在の株価水準からさらに売り込まれるよ うなバリュエーションや配当利回りではない」と、損保ジャパン興亜 の角田氏は強調、東証1部では値上がり銘柄数がやや優勢だった。

みずほ証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは21日、アジア 太平洋株のカントリーアロケーションにおいて、日本をオーバーウエ ートとした。中国経済減速や中間決算での下方修正懸念から日経平均 はことし9月末に9000円程度、年末9500円程度とみる半面、世界の 景気回復などで13年半ばに1万1000円程度へ上昇すると予想した。

東証1部の売買高は概算で14億1044万株、売買代金は同9134 億円、代金の1兆円割れは6営業日ぶり。値上がり銘柄数は773、値 下がりは725。

--取材協力:久保山典枝 Editor:Shintaro Inkyo

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