ルネサス:官民が1000億円超の出資検討、米KKR対抗-関係者

経営不振の半導体企業ルネサスエ レクトロニクスに対し、産業革新機構やトヨタ自動車などの製造業大手 は年内に1000億円超を共同出資して過半数の株式を取得する方針。10 月中にもルネサスの大株主や取引銀行に提案する見通しだ。政府関係者 が24日、ブルームバーグ・ニュースの取材に語った。

ルネサスに関しては米投資ファンドのKKRも8月に1000億円の 投資を提案、機構などが出資を提案すれば争奪戦となる。ルネサスは家 電や自動車などの制御に使われる半導体であるマイコンの世界シェア首 位で、大株主はNEC、日立製作所、三菱電機の3社。

官民による出資検討は22日付の日本経済新聞朝刊が報道。トヨタ 以外にパナソニックや日産自動車、ホンダ、キヤノンなども出資に加わ ると伝えた。革新機構幹部は同日朝、ルネサスから要請があれば支援を 検討する意向を示していた。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長は 「出資候補の企業としては、必要不可欠なマイコンを安定して確保した いと思っている」との見方を示した。さらに「KKRが出資した場合、 収益が悪くなるとリストラも考えられるが、単に効率性で再編されても 困る、との意識が働いたと推測される」とコメントした。

内山田竹志トヨタ副会長は24日に都内で記者団に対し「ルネサス は技術も高く、供給の安定化を希望している」と述べたが、出資に関す るコメントは避けた。パナソニック広報の檜篤史氏とキヤノン広報の藤 森寛朋氏もコメントを避けた。ルネサスは同日朝、報道は「当社から発 表したものではない。決定した事実もない」とのコメントを発表した。

ストップ高で配分

ルネサス株は24日、ストップ高(値幅制限いっぱいの上げ)とな る前週末比80円(31%)高の336円での買い気配のまま値がつかず、 比例配分された。

同社は7月、経営再建に向け5千数百人の応募を想定した早期優遇 退職を募ると発表。国内生産拠点は最大で半数に当たる9拠点が売却や 閉鎖の対象となっている。リストラ費として、大株主3社は10月1日 付で計495億円の資金支援を実施予定。合わせて取引銀行も計約500億 円を支援する見通し。

経営不振は、国内テレビ販売の急減などに伴う主力製品のシステム LSI(大規模集積回路)の収益低迷が主因。このため別の主力製品で あるマイコンに特化する形で再建を進めている。

米調査会社IHSアイサプライによるルネサスの昨年のマイコン世 界シェアは27%で、車載用は42%。ルネサスは2010年にNECの半 導体子会社と日立・三菱電の共同出資会社が統合し発足した。ブルーム バー グ・データによる出資構成はNEC35%、日立31%、三菱電25%。

--取材協力:萩原ゆき,Mariko Yasu, 小笹俊一

Editors: 小坂紀彦, 駅義則, 室谷哲毅

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