超長期債が上昇、高利回りで投資家の買い-民主代表選の影響限定的

債券市場では超長期債相場が上昇し た。新発30年債利回りが前日に5カ月半ぶり高水準まで達したことで、 投資家などからの買いが優勢だった。半面、相場全体では長期金利 の0.8%割れに対する警戒感や国内株高が重しとなった。

マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ 長は「利回り曲線が傾斜化して割安感があったので、超長期債には買い が入っているようだ。一方、スワップの動きをみると、中期ゾーンが重 い印象。10年債利回りは0.8%割れを試したものの、上値が重たい展開 だ」と話した。

現物債市場で20年物の140回債利回りは前日比1.5ベーシスポイント (bp)低い1.665%まで下げた後、足元では1.67%で推移している。30 年物の37回債利回りは一時2bp低い1.92%まで下げ、その後 は1.925%。前日には1.95%と、新発30年債利回りとして4月6日以来 の高水準を付けた。

長期金利の指標となる新発10年物325回債利回りは横ばいの0.80% で始まり、その後も同水準で推移した。日銀が19日午後に追加緩和を決 めた直後に一時0.795%を付けたが、その後は0.8%台前半での推移が続 いている。野村証券の松沢中チーフストラテジストは「今のところ投資 家は0.8%割れに対し強い抵抗を見せており、0.7%台は基本的に戻り売 りスタンスと考えている」と指摘した。

一方、松沢氏は「目先の需給を考えると、まず0.7%台へ買い進む 投資家の動きがないと、次の景気指標好転を受けて0.9%台へと売られ るような素地ができてこない」との見方も示した。

先物は横ばい

東京先物市場で中心限月12月物は、前日比横ばいの143円80銭で開 始し、直後に5銭高の143円85銭まで上昇した。その後は伸び悩む展開 となった。午後に入ると、日経平均株価が上げ幅を拡大したことなどか ら水準を切り下げ、一時は6銭安の143円74銭まで下げた。その後は持 ち直し、結局は143円80銭に戻して引けた。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは、日 米金融政策会合など重要イベントを通過した後は、材料不足で方向感が ないとしながらも、「輸出が伸びず、内需が低迷しており、年度後半の 景気に対する懸念が強いことが相場の支えとなっている」と話した。

20日の米国株市場で、S&P500種株価指数は前日比0.1%安 の1460.26。中国から日本、欧州さらに米国に至るまで弱い経済指標が 示されたことを背景に世界的に景気が一段と減速しているとの懸念が強 まった。米国債市場では、米10年債利回りは1bp低下の1.76%程度。

こうした中、野田佳彦首相は21日午後に行われた民主党代表選で再 選を果たした。国会議員、党員・サポーター票などを合わせた合計1231 ポイントのうち、6割を超える818ポイントを1回目の投票で獲得し、 再選を決めた。野田首相は24日から国連総会出席のため訪米。帰国後、 内閣改造を本格化する。

UBS証券の伊藤篤シニア債券ストラテジストは、民主党の代表選 の焦点は内閣改造・党役員人事だと指摘。輿石東幹事長の後任候補とし て安住淳財務相の名前も挙がるとし、「仮に財務相が交代した場合でも 野田総理である限り、消費税の増税や為替介入などのスタンスは不変で 市場への影響は限られる」とみている。

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