出光:3-5年で1000億円の社債検討、直接調達を20%に-大規模投資

出光興産は、今月予定の同社初の社 債発行を皮切りに、今後3-5年で総額1000億円の起債を検討している ことが分かった。これまでは銀行からの借り入れに全面的に依存してい たが、市場からの直接調達比率を2割程度に引き上げる。ベトナムのニ ソン精製所プロジェクトなど高水準の設備投資が続く中、資金調達手段 の多様化で調達コストの低減を図るのが狙いだ。

出光は20日、同社初となる社債200億円を発行する。13日に条件決 定した表面利率は5年債で年0.62%(円スワップレート+0.20%ポイン ト)、7年債で同1.01%(同+0.43%ポイント)と、同社の長期借入金 の平均金利1.09%を下回った。

同社経理部の谷口雅春資金課長は、「これまで銀行借り入れ一本だ ったが、2006年の上場を機に社債発行の検討を始めた。良好な起債環境 が続いているので発行に踏み切った」とし、有利な条件で発行できたと の見方を示した。今後も、相対(あいたい)融資、協調融資、社債を組 み合わせ、「少しでもコストを抑えながら、安定して調達していきた い」と述べた。

出光は株式上場の翌07年に社債発行のための格付けを取得。しか し、その後は08年の金融危機のほか、原油価格の高騰、急落など経営環 境の急速な変化を背景に、社債発行を見送ってきた。

同社は6月末時点で、総額9013億円の有利子負債を抱えており、 年1000億円程度の借り換え資金が必要となっている。また今年度までの 3年間で総額3000億円の戦略投資を行い、今後はニソン製油所プロジェ クトへの開発投資など、投資負担は重くなっている。

ニソン製油所

ニソン計画は、クウェート国際石油やベトナム国営石油会社べトロ ベトナム、三井化学とともに開発を手掛ける日量20万バレルの製油所 で、建設費用は58億ドルを予定。総事業費は80億-100億ドル(約6200 億-7800億円)になるとみられる。

その大半はプロジェクトファイナンスでの調達を予定しているが、 金融面の交渉が長引いていることから、最終投資決定を延期している。 内需の伸び悩みを背景に、出光は海外事業を拡大させており、今回のプ ロジェクトも製品の大半がベトナム向けとなっている。

日本格付研究所(JCR)は11日、出光の発行体格付を「A-」、 見通しは「安定的」に据え置くと発表した。また「当面は高水準の投資 が続く見込みだが、財務構成への影響が限定的にとどまるとみている」 とコメントした。

野村証券の荻野和馬クレジット・アナリストは、「一般的に発行実 績が出てくると、発行体にとって良い条件になる。またそれが借り入れ もいいレートでできるよう条件交渉の材料の一つになる」と述べ、調達 コストの負担を全体的に引き下げる効果があるとの見方を示した。

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