薄れるドラギ効果、市場安堵つかの間か-スペイン決断迫る恐れ

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総 裁は、欧州債務危機を終わらせるためにECBのバランスシートを最大 限活用する貢献を行っており、だからこそ先行きに楽観的になる理由が あると考えている。

しかし、そのような自信は、欧州の政治指導者らの今後の行動に左 右される。ユーロ圏情勢を一変させるギリシャ財政危機が発生した2009 年以降の彼らの実績や、約束を実行に移すために必要な妥協の数々を見 る限り、シティグループのユーロ圏担当チーフエコノミスト、ユルゲ ン・ミヒェルス氏(ロンドン在勤)は懐疑的にならざるを得ない。

ミヒェルス氏は「答えの見つからない問題がまだ非常に多く残って おり、ユーロ圏は成長を回復し、債務を減らす方策を見いだす必要があ る。実に長い道のりだ」との見方を示す。

ドラギ総裁がECBによる国債購入を約束し、5000億ユーロ(約51 兆3800億円)の支援能力を持つユーロ圏の恒久的救済基金、欧州安定化 メカニズム(ESM)の発足が近いことは、時間稼ぎの効果がある。し かし、キプロスで先週開かれたユーロ圏財務相会合と欧州連合(EU) 財務相理事会は目立った成果もなく終わり、ドラギ氏の国債購入プラン を好感した国債相場の上昇は勢いを失い、スペインとイタリアの国債相 場も最近の上昇分の一部を消した。

スペインは条件闘争か

ECBの政策委員会メンバー、ベルギー国立銀行(中央銀行)のク ーン総裁は17日、スペインが支援要請を行わなければ、市場のつかの間 の安堵(あんど)は「長続きしない」と指摘。「利回り格差(スプレッ ド)が再び拡大し、スペインはあらためて決断を迫られ、条件付きのプ ログラムを受け入れざるを得ないだろう」と語った。

これに対し、ユーラシア・グループのアナリスト、アントニオ・バ ローゾ氏(ロンドン在勤)は「スペイン政府による支援要請が差し迫っ ている可能性は小さい。新たな救済プログラムに付与される条件の数を 制限し、追加支援受け入れに伴うマイナスの政治的影響を抑えることが ラホイ首相にとって優先事項だ」と話している。

原題:EU Track Record Casts Doubt on Crisis Fight as Draghi Rally Ebbs(抜粋)

--取材協力:James G. Neuger、Ben Sills、James Hertling.

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