日本株上昇、日銀政策を好感-輸出や海運主導で日経平均5月来高値

東京株式相場は上昇し、日経平均 株価は約4カ月半ぶりの高値を付けた。日本銀行が追加の金融緩和策 を決定したことで為替が円安方向に振れ、業績懸念の後退で輸送用機 器や電機など輸出関連株が上昇。運賃市況急伸の材料も加わった海運 株の上げも目立った。

日経平均株価の終値は前日比108円44銭(1.2%)高の9232円 21銭と、終値ベースで8月23日の直近高値(9178円)を上抜け、5 月2日以来の水準を回復。TOPIXは6.44ポイント(0.9%)高の

764.80と、8月21日以来の高値で終えた。

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの中尾剛也シニア・ インベストメントマネジャーは、日銀が今回の会合で動くか懐疑的な 見方もあっただけに、「前倒し的な追加緩和となり、ポジティブ・サプ ライズ」と受け止めていた。実体経済面で需要を刺激する効果は見込 みにくいものの、「中銀間の緩和度合いの差で為替が影響を受けやすい 中、円安に傾き、輸出企業などの業績懸念が和らぐことが極めて重要」 としている。

日銀は18-19日の日程で金融政策決定会合を開き、きょう午後0 時半過ぎに結果を発表した。金融資産を買い入れる基金については、 短期国債購入、長期国債の購入をそれぞれ5兆円増額し、総額を従来 の70兆円から80兆円とした。6日には欧州中央銀行(ECB)が南 欧国債の買い入れで合意、13日には米連邦準備制度理事会(FRB) が量的緩和第3弾(QE3)を決定したばかりで、欧米に追随し、日 銀が追加の金融緩和に動くかどうかが最大の焦点だった。

こう着一変、先物主導で上げ拡大

きょうの日本株は、日銀の決定が市場に伝わるまでは様子見ムー ドが強く、TOPIXが一時マイナス転換するなど方向感を欠く展開 だった。ただ、午後に入り日銀決定を受けて為替が1ドル=79円台前 半、1ユーロ=103円台半ばまで円安が進むと、株価指数先物にも断 続的な買いが入り、相場水準を押し上げた。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎チーフ・ストラテジストは、 日銀の政策決定について「為替は円安方向に、株価は出遅れを修正し て上がっているので、タイミングとしてはそれをさらに後押しをする ことになる」と指摘。米国のように株価が高値圏にあればインパクト は限られるが、日本株はまだ水準が低く、押し上げ効果は相対的に大 きいと見ていた。安住淳財務相は省内で記者団に、日銀への歓迎意向 を示すとともに、「10兆円という増額規模はサプライズ」と語った。

海運急伸、JALは堅調初値

東証1部33業種では、海運や輸送用機器、電気・ガス、電気機器、 非鉄金属、証券・商品先物取引、保険、不動産、機械、繊維製品など 29業種が上昇。値上がり率1位の海運は、ばら積み船の国際運賃市況 であるバルチック海運指数が18日に5.1%高と、昨年8月末以来の上 昇率を記録し、市況反転による収益への好影響が見込まれた。一方、 鉱業、空運、情報・通信、陸運の4業種は安い。

東証1部にきょう再上場した日本航空(JAL)は、取引開始早々 に公開価格(3790円)を0.5%上回る3810円で初値を付けた。直後に 3905円まで上げ幅を広げたが、その後は初値をやや上回る水準での推 移が続き、終値は3830円。JALの売買代金は1556億円で、東証1 部全体の11%を占めた。

東証1部の売買高は概算で20億7449万株、売買代金は1兆3922 億円。騰落銘柄数は上昇1096、下落411。国内新興市場では、ジャス ダック指数が0.7%安の51.21と5営業日ぶりに反落、東証マザーズ 指数は1%高の344.08と反発した。

--取材協力:野原良明 Editors:Shintaro Inkyo

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