操業ストップ相次ぐ日本企業、中国で敵対感情激化-先行き不透明

尖閣諸島の国有化に端を発した中 国の反日行動のエスカレートで日本企業が打撃を受けている。自動車、 電機などの工場の一時操業停止が相次ぎ、先行きに不透明感も出始め ている。

ブルームバーグ・ニュースが各社広報に確認したところによると、 自動車メーカーでは18日に、トヨタ自動車が一部工場、日産自動車も 2工場の操業をそれぞれ停止。ホンダは18、19の両日、マツダは南京 工場で18日から21日まで操業を停止する。スズキは済南の二輪車工 場で18日の操業を停止したが、19日以降についてはまだ決めていな い。三菱自動車も湖南省の工場で18日の操業を停止、19日以降は状 況をみて判断する。

日本メーカーで中国販売が最も多い日産自の株価は18日、前週末 比で一時5.2%安の700円と、約4カ月ぶりの下落率となった。中国 最大の自動車ディーラー団体、中国汽車流通協会(CADA)の羅磊 副秘書長は17日、日本車の中国販売への影響が昨年の自然災害を上回 る可能性があると指摘し、「自然災害による影響は迅速な解消が可能だ が、日本車への敵対感情を消すには長い時間と取り組みを要する」と 述べた。

キヤノンは従業員の安全確保のため、広東省珠海市のコンパクト カメラ工場、同中山市のプリンター工場、江蘇省蘇州市の複写機工場 を18日まで臨時休業。ソニーは中国7工場のうち2工場で操業を停止 し、19日に再開の予定。

パナソニックでは15日、青島の電子部品工場にデモ隊が乱入し火 と煙が出たほか、蘇州の部品工場にもデモ隊が押し入り守衛室が壊さ れた。珠海では一部従業員が仕事を止めて抗議活動をしたため臨時休 業、いずれも18日まで操業を停止している。シャープは中国工場の被 害は出ていないという。

格付けに圧力も

格付け会社フィッチ・レーティングスは18日、日中関係の緊張が エスカレートし長引いた場合、日本の自動車メーカーやハイテク企業 の格付けが圧力にさらされると指摘。中国販売がどれだけ影響を受け るか、反日デモがいつまで続くかなど不透明との見方を示した。格付 け対象となっている日本企業ではシャープと日産自が中国の売り上げ が高いとしている。

流通では、イオンの青島市のジャスコ黄島店が店内を破壊、同社 は山東省と広東省で30店舗の営業を休止している。ファーストリテイ リングはユニクロ42店舗を18日臨時休業した。上海のユニクロでは 15日、現地従業員が「尖閣問題は中国固有の領土であることを支持す る」という張り紙を独自の判断で掲示する事態も起きた。

全日空は、11月末までのレジャー目的の旅行のうち、中国発、日 本行きで約1万5000席、日本発、中国行きで約3800席のキャンセル が発生。また近鉄エクスプレスによると、中国で今週から輸出入通関 の遅延が一部で発生する可能性があるという。

尖閣諸島をめぐっては、東京都の石原慎太郎知事が4月、魚釣島、 北小島、南小島を都の予算で買収する計画を表明。これに対し、日本 政府は9月に入り、これら諸島を直接買い取り、国有化した。

--取材協力:萩原ゆき、堀江政嗣、向井安奈、馬傑、小笹俊一、林純 子、藤村奈央子、松田潔社、室谷哲毅、Allen Wan、Aipeng Soo

Editor:谷合謙三、杉本等

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