世界経済は「トワイライトゾーン」へ-モルガン・スタンレー

世界経済は成長とリセッション(景 気後退)のはざまにある「トワイライトゾーン」に滑り込みつつある。

8月15日付のリポートでこう表現したモルガン・スタンレーのチー フエコノミスト、ヨアヒム・フェルズ氏(ロンドン在勤)は「どちらの 方向にも進み得る」とした上で、「われわれを世界的なリセッションに 向かわせるのはわけないことだ」と指摘した。

こうした困難な状況で各中央銀行は前面に出ることを迫られてい る。米連邦準備制度理事会(FRB)は量的緩和第3弾(QE3)を先 週発表し、欧州中央銀行(ECB)は国債購入計画を明らかにした。こ れらの動きは米S&P500種株価指数を2007年以来の高値に押し上げる のに十分だったが、世界経済を失速状態から回復させることができるか どうかが問題だ。

フィデリティ・ワールドワイド・インベストメントの資産配分担当 ディレクター、トレバー・グリーサム氏(ロンドン在勤)は「市場は素 晴らしいエコノミストになる。つまり、相場上昇に景気回復が続くこと が多いということだ。しかし、短期的に弱いデータが出ているため値固 め局面となる公算が大きい」とし、「両方向への引っ張り合いが生じて いる」と語った。

この緊張は不透明な景気見通しを警戒して株式を敬遠する陣営と、 刺激策や流動性拡大を理由に株式を買う方針を示す陣営に分かれている 株式ストラテジストの姿勢を反映している。モルガン・スタンレーは S&P500種が年内に20%下げて1167になるとみる一方、クレディ・ス イス・グループは上昇基調を維持して年末時点では1500と予想してい る。S&P500種は17日に1461.19で終了した。

「政府の行動が必要」

クレディ・スイスのグローバル株式ストラテジスト、アンドルー・ ガースウェイト氏(ロンドン在勤)は14日付のリポートで、「量的緩和 は機能し、その利点がコストを上回ると考えるなら、各中銀はそれを追 求し続けるだろう」と指摘。「われわれは買いを推奨する」とした。

モルガン・スタンレーの警告にはシティグループやパシフィック・ インベストメント・マネジメント(PIMCO)も同調している。それ は中銀が支援しても、最近の減速で景気が突然リセッションに陥りかね ない水準に成長は鈍化しているということだ。

フェルズ氏はECBのほかに中国や英国、日本の各中銀が追加緩和 に動くと予想している。そうすることで資産価格を支え、デフレを阻止 し、ソブリン債のデフォルト(債務不履行)回避とある程度の経済成長 の維持に寄与するとみる。

その一方で同氏は「中銀はリセッションを遠ざけてはいるものの、 その力だけでは持続的な回復へわれわれを導くことはできない」とし、 「トワイライトゾーンを抜け出すには、政府の行動が必要だ」と指摘し た。

原題:Economy in Morgan Stanley Twilight Zone as Stocks Suggest Growth(抜粋)

--取材協力:Maaike Noordhuis、Ian King、Alexis Xydias、Saeromi Shin、Melinda Grenier.

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