伊など欧州銀、レバレッジ解消先送りか-LTROで資産拡大

欧州の銀行は、債務危機を乗り切る ために総額1兆2000億ドル(約94兆3000億円)余りの資産を圧縮する方 針を昨年打ち出した。しかしその後、レバレッジの解消が進むどころ か、逆に資産が拡大する状況となっている。

欧州中央銀行(ECB)のデータによれば、ユーロ圏の銀行の資産 は7月末時点で34兆4000億ユーロ(約3540兆円)と、前年同期に比べて 7%増加した。フランスとスペイン、イタリアの銀行最大手である BNPパリバとサンタンデール銀行、ウニクレディトはいずれも6月末 までの1年間にバランスシートが拡大した。

ECBのドラギ総裁は9カ月前、期間3年の長期リファイナンシン グオペ(公開市場操作、LTRO)の導入を決定。ECBはLTROを 通じて1兆ユーロを上回る資金を市中銀行に供給し、投げ売り価格で銀 行に資産売却を迫る圧力が和らいだ。ECBの資金供給はまた、金融機 関が市場からの資金調達に依存する必要性を低下させ、短期的な信用逼 迫(ひっぱく)の回避にも成功した。だが、欧州の銀行が中央銀行のさ らなる支援に依存する状況が生じる恐れがある。

オリベトリー・セキュリティーズの銀行アナリスト、サイモン・モ ーン氏(ロンドン在勤)は「スペインとイタリアでは特にそうだが、レ バレッジ解消は進んでいない。それが迅速に行われず、ペースが非常に 鈍いという事実は、イタリアの銀行のバランスシートを存続させるた め、ECBの最初の資金供給の期落ちに対応する次なる資金供給が必要 になることを意味している」と指摘する。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、欧州の銀行は昨年、資 産全体の約3%に相当する9500億ユーロ余りを2年以内に圧縮すると表 明した。傘下の部門と融資を売却し、融資を抑制することで、短期的な 資金ニーズを減らし、資本を増強することが可能だと投資家を納得させ る狙いがあった。ECBによれば、ユーロ圏の金融機関の総資産額は昨 年7月時点で32兆2000億ユーロと、昨年のユーロ圏の域内総生産 (GDP)の3倍余りに達している。

原題:Europe Banks Fail to Cut Assets as Draghi Loans Defer Deleverage(抜粋)

--取材協力:Sonia Sirletti、Charles Penty、Fabio Benedetti-Valentini、Joe Brennan、Gabi Thesing、Anchalee Worrachate.

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