9月17日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が下落、日銀の追加緩和観測-日中の緊張も材料

17日のニューヨーク外国為替市場では円が対ユーロで4カ月ぶり安 値に下げた。日本銀行が今週の金融政策決定会合で緩和政策の拡大を決 定するとの観測が背景。また尖閣諸島問題も日中の緊張も円売りにつな がった。

円は対ドルでは1週間ぶり安値。ブラジル・レアルは下落。中央銀 行による介入が影響した。

ドイツ銀行のG10為替ストラテジー世界責任者、アラン・ラスキン 氏は「先週の米金融当局の決断で日銀の金融政策に注目が集まったが、 日銀のバランスシートに基づく政策対応は米国よりもずっと限定的なも のになる」と述べた。さらに米金融当局の発表内容を受けてリスクに対 する姿勢が積極的になったことも、円売り圧力をかけた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ユーロで0.3%下落して1 ユーロ=103円24銭。一時は103円86銭と、5月9日以来の安値に下げ た。円は対ドルで0.4%下げて1ドル=78円71銭。一時は7日以来の安 値となる78円93銭となった。ユーロは対ドルで0.1%安の1ユーロ =1.3117ドル。

日銀の政策決定会合

日銀は18、19両日に政策決定会合を開く。米連邦公開市場委員会 (FOMC)や欧州中央銀行(ECB)に続き緩和拡大に動くとの観測 がある。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると円は先週2.2%下落と、最も大幅な下げだった。ドルは0.9%安、 ユーロは1.4%上昇だった。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替戦略世界責任者、マーク・ チャンドラー氏は「日銀が資産購入による緩和拡大のために何か行動を 起こすとの観測がある」と述べ、「それが主に対円でのユーロに影響し ており、ユーロを押し上げている」と続けた。

沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる対立で日本と中国の 外交関係の悪化が2005年以降で最も深刻化しており、貿易面にも悪影響 が及ぶ恐れが出ている。日中間の貿易額はここ10年で3倍に膨ら み、3400億ドル超となっている。

ウェルズ・ファーゴ・アドバイザーズのポール・クリストファー氏 は「日中間の緊張がこれ以上悪化した場合、日本の貿易見通しも後退す ることになる。そうなれば若干、円が軟調になるだろう」と述べた。

ユーロのRSI

ドルと円に対するユーロの相対力指数(RSI、14日間)は70を上 回った。同指数が70を上回ると、買われ過ぎを示唆する。

ユーロはスペイン債下落に反応し、上げを失った。スペイン10年債 利回りは19ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して5.97% をつけた。

バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏(ニ ューヨーク在勤)は「スペインの正式な支援要請が明らかになるまでス ペイン債の利回りは上昇を続ける可能性がある」と述べた。

ユーロは対ドルで下落。スペインのラホイ首相は国家救済を要請す るかどうかまだ検討を進めている。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は0.1%上昇して78.941。

原題:Yen Weakens Versus Euro Amid Bank of Japan Stimulus Speculation(抜粋)

◎米国株:反落、欧州懸念が再燃-先週の急伸の勢い薄れ

米株式相場は反落。債務危機をめぐる欧州連合(EU)財務相らの 協議に進展が見られないほか、ニューヨーク連銀が発表した9月の製造 業景況指数が落ち込んだことが背景にある。S&P500種株価指数は前 週、2007年以来の高水準に上昇していた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)とモルガン・スタンレーは大幅 安。前週末までは週間ベースで2週連続高となっていた。アルミ生産の アルコアなど、商品株が売りを浴びた。鉄鉱石生産のクリフス・ナチュ ラル・リソーシズは急落。JPモルガン・チェースが同社株の投資判断 を引き下げたことが嫌気された。アップルは続伸。同社の「iPhon e(アイフォーン)5」の予約は受け付け開始から1日で200万台を超 えた。事務用品小売りオフィス・デポは上昇。スターボード・バリュー の出資が手掛かり。

S&P500種は前週末比0.3%下げて1461.19。ダウ工業株30種平均 は40.27ドル(0.3%)安の13553.10ドルだった。米証券取引所全体の出 来高は約57億株と、3カ月平均を5.4%下回った。

チャールズ・シュワブのトレーディング・デリバティブ担当ディレ クター、ランディ・フレデリック氏は「大幅に上昇した後では少し一服 する必要があるようだ」とし、「多少後退する可能性はあるが、想定外 のマイナスイベントが起こらない限り、今週末にかけて再び強気の域に 戻るだろう」と述べた。

欧州不安

S&P500種は先週、2007年12月以来の水準に上昇した。米連邦公 開市場委員会(FOMC)が住宅ローン担保証券(MBS)を買い入れ る計画を発表したことを受けて、リスク資産の需要が高まった。主要10 業種では商品株や金融、資本財株の上げが特に大きく、S&P500種全 体の2週間の上昇率は4.2%に拡大した。同指数は2007年10月に過去最 高水準に達した。

この日の株式相場は前週末から反落した。14日にキプロスで開催さ れたEU財務相会合は、銀行同盟実現への行程表で合意に至らなかった ほか、救済要請に伴う条件や欧州中央銀行(ECB)の役割をめぐる意 見の相違が鮮明になった。米シティグループは、中国の成長予想を引き 下げた。今月に入りこれまでに少なくとも13の銀行や証券会社が、中国 の2012年経済成長見通しを引き下げている。

ニューヨーク連銀が発表した9月の同地区の製造業景況指数はマイ ナス10.4に低下し、景気後退期にあった2009年4月以来の低水準に落ち 込んだことも株売りにつながった。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト予想の中央値はマイナス2だった。前月はマイナ ス5.9。同指数ではゼロが景況の拡大と縮小の境目を示す。

S&P500種の主要10業種では金融と商品株の下げが著しい。モル ガン・スタンレー・シクリカル指数は1.2%低下。前週末までは4日続 伸していた。ダウ輸送株平均は約1.5%下落。S&Pスーパーコンポジ ット住宅建設株指数は1.9%低下した。同指数は前週、8.5%上昇してい た。

アップル700ドル

KBW銀行株指数は1.7%低下。同指数を構成する24銘柄のうち23 銘柄が下落した。BOAは過去2週間で20%上昇していたが、この日 は2.6%安。モルガン・スタンレーは2.4%安で引けた。

アルコアは2.6%安と、ダウ平均銘柄で最大の下げ。クリフス・ナ チュラル・リソーシズは7%急落し、S&P500種採用銘柄で下落率が 最大となった。JPモルガンが同社の投資判断を「オーバーウエート」 から「ニュートラル」に引き下げたことが響いた。

アップルは1.2%上昇し終値としては過去最高の669.78ドル。引け 後の時間外取引では一時、初の700ドル台に乗せる場面が見られた。ア イフォーン5の予約が受け付け開始から1日で200万台を超え、これま での最高だったアイフォーン4S発売時の2倍を超えた。アップルの17 日発表によると、アイフォーン5の予約は初回出荷数を上回るため、一 部顧客への配送は当初予定の9月から10月にずれ込む見通し。

オフィス・デポは5.3%高。スターボード・バリューが同社の株 式13.3%を取得し、筆頭株主となった。

原題:U.S. Stocks Decline on Europe Concern After Last Week’s Rally(抜粋)

◎米国債:30年債が5日ぶり上昇-NY連銀製造業指数に反応

米国債市場では30年債が5営業日ぶりに上昇。ニューヨーク連銀管 轄地区の製造業活動を示す指数が市場予想を下回り、景気回復の維持に は追加の刺激策が必要との金融当局の懸念が裏付けられたことが手掛か り。

10年債は先週の下げから反発。ユーロ圏では域内債務危機の解決方 法をめぐり、意見の割れた状態が続いている。住宅ローン担保証券 (MBS)の相対利回りは過去最低を記録。米連邦公開市場委員会 (FOMC)が無期限でMBSを購入すると表明したことが材料だっ た。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「国外には多くの不透 明要因が存在する。また量的緩和(QE)の実体経済への効果をめぐる 不透明感も強い」と指摘。「株式相場に圧力がかかっており、若干リス クオフの傾向になっている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは前週末比5ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)低下の3.04%。同年債(表面利率2.75%、2042年8月償 還)価格は31/32上げて94 13/32。利回りは一時3.12%と、5月4日以 来の高水準を付ける場面があった。先週は週間で26bp上昇と、上昇幅 は09年8月以来で最大だった。

10年債利回りは2bp下げて1.84%。先週は週間で20bp上げた。

売買高

インターディーラー・ブローカー最大手ICAPによると、米国債 の売買高はニューヨーク時間午後5時3分現在、約1960億ドル。1日の 売買高は13日に4640億ドルと、11年8月以降で最大となった。過去5年 間の平均は2620億ドル。

株式市場では、S&P500種株価指数が前週末比0.3%下落。商品24 銘柄で構成するS&P・GSCIスポット指数は2.2%下げた。

ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)保証のMBSと米国債の利回り 格差を示すブルームバーグの指数はこの日約10bp低下して84bpと、 少なくとも1984年以来で最小となった。

ニューヨーク連銀はこの日、2020年11月から22年8月に償還を迎え る米国債47億ドル相当を購入。一方で14年12月から15年5月に償還を迎 える米国債78億ドル相当を売却した。

ニューヨーク連銀製造業景況指数

ニューヨーク連銀が発表した9月の同地区の製造業景況指数はマイ ナス10.4と、景気後退期にあった2009年4月以来の低水準に落ち込ん だ。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は マイナス2だった。前月はマイナス5.9。同指数ではゼロが景況の拡大 と縮小の境目を示す。

GMPセキュリティーズの債券ストラテジスト、エイドリアン・ミ ラー氏は電話取材で、「米経済はなおも非常に脆弱(ぜいじゃく)で、 指標は引き続きQE3が正当化されるとするFOMCの認識に沿った内 容になっている」と指摘。さらに、「最近の欧州中央銀行(ECB)の 前向きな発表にもかかわらず、欧州連合(EU)はなおも多くの構造的 かつ政治的な向かい風を受けている。これら全ての要因から米国債の買 いが続いている」と述べた。

原題:Treasury Bonds End 4-Day Slump as Factory Data Spur Haven Demand(抜粋)

◎NY金先物:小反落-プラチナは南ア需給問題の緩和で下落

ニューヨーク金先物相場は小反落。プラチナは南アフリカでの労使 抗争で解決の兆しが表れたため、供給懸念が和らぎ下落した。

南アでは英ロンミンのマリカナ鉱山でストを実施している労働者が 賃金要求の引き下げで合意。アングロ・アメリカン・プラチナムとアク エリアス・プラチナムは鉱山の操業再開を計画している。

CPMグループのアナリスト、エリカ・ランネスタッド氏は「アン グロの鉱山操業再開とロンミン労使交渉の進展で、プラチナ価格は下落 した」と指摘。「最近の大幅な上昇を受け、利益確定の売りが出てもお かしくなかったこともある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前営業日比0.1%安の1オンス=1770.60ドルで終了した。前週末 は一時1780.20ドルまで上げ、2月29日以来の高値をつけた。プラチナ 先物10月物は2.4%安の1672.60ドル。

原題:Platinum Falls, Snaps Longest Rally in 25 Years; Gold Declines(抜粋)

◎NY原油先物:大幅反落、一時は1分弱で3ドル超値下がり

ニューヨーク原油相場は反落。8週間ぶりの大幅安で引けた。オ プション10月限の最終取引を控え、取り引き終盤の1分弱に97.88 ドルから94.83ドルへと、3ドル以上値を下げ た。

ニューヨーク連銀管轄地区の製造業活動を示す指数が2009年4 月以来の低水準に落ち込み、需要低下の可能性が示されたとの見方か ら、原油先物は朝方から軟調に推移していた。

シティ・フューチャーズ・パースペクティブ(ニューヨーク)の エネルギーアナリスト、ティム・エバンス氏は「きょうの市場では材 料が価格を決めるのではなく、価格が材料を決めている」と指摘。 「大局的に見れば、利益確定の売りが暴走したとの考えに私は賛同す る」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前 営業日比2.38ドル(2.40%)安の1バレル=96.62ドルで終了。 年初来では2.2%の値下がり。この日の下げは7月23日以来で最大。

原題:Oil Drops Most in Eight Weeks as Price Falls $3 in a Minute(抜粋)

◎欧州株:反落、中国減速への懸念で-SSABとH&M安い

17日の欧州株式相場は反落。米連邦公開市場委員会(FOMC) が先週に量的緩和第3弾(QE3)を打ち出したことから楽観が広が ったものの、中国の景気減速への懸念から売りが優勢となった。

スウェーデンの鉄鋼会社、SSABは6.9%の大幅安。一部製品 の需要が予想を下回ったことが嫌気された。同国の衣料小売り、ヘネ ス・アンド・マウリッツ(H&M)は1.6%安。6-8月(第3四半 期)売上高が予想に届かなかったことが売り材料。

ストックス欧州600指数は前週末比0.3%安の275.01で終了。 先週に2011年6月以来の高値を付けた同指数は、年初来では12% 上げている。欧州中央銀行(ECB)当局者が無制限の国債購入プロ グラムに合意したほか、米当局がQE3を打ち出したことが背景にあ る。

ハーグリーブズ・ランズダウン(ロンドン)の株式部門責任者、 リチャード・ハンター氏は電子メールで、「先週の米当局発表に伴う 興奮状態が冷め、市場は相場を押し上げる次の材料を探している」と し、「株価指数は今年に入ってからそこそこ上げていることから、投 資家は利益を確定するため、上昇局面では売りを出す可能性がある」 と続けた。

17日の西欧市場では、ベルギーを除く17カ国で主要株価指数が 下落した。

原題:European Stocks Slip From 15-Month High; SSAB, H&M Shares Fall(抜粋)

◎欧州債:スペイン10年債利回り、6%突破-入札を週内に控え

17日の欧州債市場ではスペイン国債が下落し、10年債利回りは 一時6%を突破した。同国は週内の入札で、3年債と10年債合わせ て最大45億ユーロ(約4650億円)相当を発行する。

スペイン2年債は3営業日続落。キプロスで週末にかけて開かれ た欧州連合(EU)財務相会合では、銀行同盟実現へのスケジュール で合意できなかった。欧州中央銀行(ECB)による国債購入が伴う 公算の支援要請をスペインが差し控えるとの懸念も売り材料。域内で 最も安全とされる資産を求める動きから、ドイツ国債は買われた。

ラボバンク・インターナショナル(ロンドン)の債券ストラテジ スト、リチャード・マクガイア氏は「国債発行が注目されているのは 明らかだ」とし、「入札を前にやや売られているが、スペインが救済 要請するかどうかやその時期をめぐる不透明感で売りが加速した」と 語った。

ロンドン時間午後4時7分現在、スペイン10年債利回りは前週 末比20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の5.99%。 一時は6.01%に達し、7日以来の高水準を付けた。同国債(表面利 率5.85%)価格は1.435下げ98.99となった。

スペイン2年債利回りは21bp上昇し3.35%。4日以来の最高 となる3.36%まで上げる場面もあった。

スペインは20日に、2015年10月と2022年1月に満期を迎 える債券を発行する。6日の国債入札では35億ユーロ相当を発行。 応札倍率は前回入札を下回った。

イタリア国債も軟調。利回りは10年債が前週末比8bp上昇 の5.09%、2年債は6bp上げて2.32%。

ドイツ10年債利回りは2bp下げ1.68%。一時は1.73%と、 4月26日以来の高水準を付けた。

英国債相場は上昇。4カ月ぶり高水準に達した利回りが、投資家 を引き付けた。10年債利回りは4bp低下の1.93%。一時は

1.99%と、5月10日以来の水準を記録していた。同国債(表面利率

1.75%、2022年9月償還)の価格は0.345上げて98.405。

原題:Spanish 10-Year Yields Rise Above 6% Before This Week’s Sales(抜粋) 原題:Pound Rises for Fifth Day Against Dollar Before Inflation Report(抜粋)

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