欧州債務危機、事態改善が裏目にも-気の緩みでリスク再燃も

欧州ソブリン債危機解決の方法につ いて欧州各国政府は再び意見が分かれ、新たな市場混乱の恐れが出てき た。先週の相場上昇で域内統合深化を迫る圧力がやや弱まったことが裏 目に出そうだ。

欧州連合(EU)加盟国の財務相らは14-15日にキプロスのニコシ アで会談したが、域内銀行セクターの統合を進めるスケジュールについ て合意できなかった。ドイツを中心としたグループが、フランスとスペ イン、イタリアが求める大胆な統合案を退けた。財務相らは救済を要請 する場合の条件と欧州中央銀行(ECB)の役割についても舌戦を交わ した。

モルガン・スタンレーのチーフエコノミスト、ヨアヒム・フェルズ 氏(ロンドン在勤)は16日のリポートで「事態が改善すると政策当局が 気を緩め、危機が再燃するというパターンがこれまで繰り返されてき た」と指摘した。

ECBが国債購入計画を打ち出したことやドイツの連邦憲法裁判所 が恒久的救済基金の合憲性を認めたことで、3年に及ぶ危機の収束に光 は見えたものの、各国政府が今後の政策で意見の相違を乗り越えられな ければ、このところの前向きな展開も単なる時間稼ぎに終わることにな る。

キプロスでの会合が成果を出せなかったことを受け、17日朝のスペ イン債は下落。2年債利回りが一時13ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇し、9月6日以来の高水準となった。

同会合での最大の対立点は銀行監督の一元化問題。EUの欧州委員 会が来年初めの実現を目指す一方、ドイツのショイブレ財務相はスウェ ーデンとオランダ、ポーランドの支持を得て、ECBの権限拡大に慎重 な姿勢を主張した。銀行同盟の実現は、救済基金が域内各国の銀行に政 府を通さずに資本注入できるための前提条件。

銀行への支援に加え、国家救済を要請するかどうかの決断をラホイ 首相が迫られているスペインも焦点。ドイツが安易な救済要請を戒める 姿勢を示す中で、スペイン政府は月内に追加の財政改善措置を発表す る。

原題:European Squabbling on Euro Crisis Solution May Test Rally (1)(抜粋)

--取材協力:Rebecca Christie、Jim Brunsden、Maud van Gaal、James G. Neuger、Jonathan Stearns、Ben Sills.

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