【今週の債券】長期金利0.7%台に低下も、緩和観測で-米金利高は警戒

今週の債券市場で長期金利は0.7% 台に再び低下する場面があると予想されている。連休明けの相場では前 週末の米国金利上昇の影響を受けやすいが、国債の大量償還などに伴い 需給の改善が見込まれるほか、日本銀行による追加緩和観測がくすぶっ ていることが背景にある。

長期金利の指標となる新発10年債利回りについて、ブルームバー グ・ニュースが前週末に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジ は0.77-0.85%だった。前週末終値は0.80%。

前週の長期金利は、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和第 3弾(QE3)を決めたことを背景に、14日の相場で一時0.795%と3 日ぶりに0.8%を割り込んだ。しかし、前週末の米債相場は大幅に反落 し、米10年債利回りは約4カ月ぶり高水準の1.89%まで急上昇してお り、連休明けの国内債市場の金利上昇要因となる見込み。

今週は日銀が18、19日に開く金融政策決定会合が最大の注目。前週 にFOMCがQE3実施を決めたことを受けて、急速な円高が進行した 場合には追加緩和に踏み切るとの見方が強まっている。今回見送りとな っても、10月末までには追加緩和が行われるとの見方が大勢を占めてい る。JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は 「QE3で円高圧力が強まりやすいことも支援材料で、日銀による追加 緩和への思惑が強まっており、債券は買われやすい」と述べた。

国債大量償還

こうした中、市場の需給環境は改善の方向だ。今週の入札は、既発 債を対象とする流動性供給入札だけで、相場への影響の大きい10年債な ど主要な入札はない。加えて、20日には国債の大量償還を迎える。5年 以上の利付国債は3、6、9、12月に償還日が設定されるため、今月は 償還額が発行額を大幅に上回る。東短リサーチの調べによると、償還か ら発行を差し引いた金額は、合計5兆8000億円に上る。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は「先週までに国 債入札が一段落した。下期も金利上振れは、見込にくいとの見方から、 償還資金の一定額が再投資される公算も大きい」とみている。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は12月物、10年国債利回りは325回債。

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物12月物143円60銭-144円40銭

10年国債利回り=0.75%-0.83%

「欧州中央銀行(ECB)とFRBの金融政策がポジティブサプラ イズを与え、これまで景気期待でリスクオン(選好)の動きとなったが 再びリスクオフ(回避)に傾く。日銀は国債買い入れの対象年限を残存 3年から4年まで伸ばす可能性があるのではないか。資産買い入れ等基 金の拡大はなくとも、札割れ対策を出すかもしれない。景気は良くなら ず期待がはく落するのは時間の問題」

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物12月物143円50銭-144円10銭

10年国債利回り=0.77%-0.83%

「長期金利は需給良好を支えに0.8%付近で推移。QE3ではツイ ストオペが継続されたほか、MBS購入に伴うスプレッド縮小で米国債 も相対的な魅力が増すため、米長期金利の上昇余地は限定的とみる。欧 米の材料がいったん出尽くしたことで、需給動向の影響を受けやすい。 短中期の金利が安定することで、長期、超長期の金利高も抑制される。 中間期末接近もあって0.8%を下回っての買いには慎重となりそう」

◎SMBC日興証券の末沢豪謙チーフ債券ストラテジスト

先物12月物143円30銭-144円00銭

10年国債利回り=0.78%-0.85%

「米FOMCでの量的緩和を受けた日銀の金融政策決定会合が注目 だ。株高に加え、円高が進行しているわけではないことから、今回は追 加緩和は見送りとみている。近いうち解散後は、日銀を取り巻く環境は 一段と厳しくなることが想定される。欧州の政策対応進展も注目。10月 8日のESM設立に向け、欧州財政問題は徐々に沈静化の方向と想定さ れる。長期金利の0.7%台は売りスタンスが順当とみている」

--取材協力:Nobuyuki Akama. Editors: 山中 英典, 崎浜秀磨

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