9月14日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが対ユーロで4カ月ぶり安値、米追加緩和で

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで4カ月ぶりの安値 となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が前日にオープンエンド 型の量的緩和を決めたことが、ドル売り圧力になっている。

ドルは対ユーロで週間ベースでは2010年10月以来最長となる5週連 続安。円は主要16通貨すべてに対して下落した。安住淳財務相は一方的 な円高の動きについては「あらゆる措置を排除せず、必要な時には断固 として行動する」と強調した。スウェーデンの4-6月(第2四半期) 経済成長率が下方修正されたことを背景に、スウェーデン・クローナは 値下がり。

野村ホールディングスの外国為替ストラテジスト、チャールズ・サ ンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は「FOMCがオープンエンドの資 産購入を決めたという事実がリスク選好を促している」と指摘。「量的 緩和の実施は、その国の通貨にとってはマイナスになるため、ドルは全 般的に売られている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで前日比1.1%安 の1ユーロ=1.3130ドル。一時は1.3169ドルと、5月4日以来の安値を つけた。円は対ドルで1.2%安の1ドル=78円39銭。ユーロは対円 で2.2%高の1ユーロ=102円93銭。一時は103円02銭と、5月14日以来 の高値となった。

週間ベースでは、ドルは対ユーロで2.5%安。ユーロは対円で2.7% 値上りした。

ユーロの見通し

ユーロ圏の財務相は欧州債務危機を協議するため、14日から2日間 の日程でキプロスで会議を開催。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁 は先週、政策委員会が無制限の国債購入プログラムに合意したことを明 らかにした。

モルガン・スタンレーは年末の対ドルでのユーロ相場見通しを1.34 ドルに引き上げた。従来は1.19ドルを予想していた。クレディ・スイ ス・グループは3カ月先の同見通しを1.23ドルとし、これまでの1.17ド ルからユーロ高方向に修正。ブルームバーグがまとめたアナリスト48人 の予想中央値では、年末で1.23ドルとなっている。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は前日比0.5%下げて78.852。一時は78.601と、2月29日以来の 低水準をつけた。

日銀会合の「重要性高まった」

BNPパリバの為替ストラテジスト、メアリー・ニコラ氏(ニュー ヨーク在勤)は「来週の日銀の政策決定会合の重要性が高まった」と指 摘。「円安誘導に向け日銀が金融政策面で何らかの措置を講じるとの観 測が広がるだろう」と述べた。

一方、野村のサンタルノー氏は、対ドルで77円まで円高が進行しな い限り、日銀が為替介入する可能性は低いと指摘。「まだ介入をするよ うな状況ではない」と話した。

スウェーデン・クローナは対ユーロで0.8%安。スウェーデン統計 局が発表した4-6月期の国内総生産(GDP)改定値は前年同期 比1.3%増と、速報値の2.3%増から下方修正された。

原題:Dollar Weakens to 4-Month Low Versus Euro on Fed; Yen Declines(抜粋)

◎米国株:続伸、FOMCの追加緩和を好感し世界株高

米株式相場は続伸。米連邦公開市場委員会(FOMC)が前日発表 した債券購入プログラムを好感し、この日は世界的に株価が上昇した。

アルコアやエクソンモービルなどが高い。アップルも買い進まれ た。ナスダック総合指数は12年ぶり高値に上昇した。事務用品で米最大 手のステープルズは、複数のプライベートエクイティ(PE、未公開 株)投資会社が買収を検討していると報じられたことに反応し、買い進 まれた。医療用および空港警備システムを手掛けるアナロジックは大幅 高。利益が市場予想を上回ったことが好感された。

S&P500種株価指数は5.78ポイント(0.4%)高の1465.77。ダウ 工業株30種平均は53.51ドル(0.4%)上昇し13593.37ドル。

ウェルズ・キャピタル・マネジメント(ミネアポリス)のチーフ投 資ストラテジスト、ジェームズ・ポールセン氏は「FOMCの決定はち ょっとした興奮を短期に市場にもたらしているが、この株価上昇は市場 が考えるよりも基本的な経済情勢が影響していると思う」とし、「一段 落したら、経済が以前と比べてなおも勢いを増していることが分かるだ ろう」と続けた。

FOMCは声明で、労働市場が「大幅」に改善するまで債券の購入 を継続すると表明。声明を受け、前日はS&P500種の業種別10指数が 全て上昇した。FOMCは、オープンエンド型の形式で政府支援機関の 住宅ローン担保証券(MBS)を毎月400億ドル購入すると発表した。

S&P500種の動き

S&P500種は今年に入り17%上昇し、終値ベースでの過去最高値 まであと約7%の水準にある。各国の中央銀行が景気刺激策を講じると の期待が背景だ。先週は欧州中央銀行(ECB)が無制限の国債購入計 画を発表したことを好感し、株価が上昇した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)で米国株式戦略の責任者を務め るサビタ・スブラマニアン氏は、S&P500種が13年末に1600に上昇す ると予想。これは、これまでの最高値1565.15を2.2%上回る水準。同氏 はリポートで、企業利益が拡大する中でS&P500種は上昇を続けると の見方を示した。

この日発表された米経済指標では、8月の小売売上高が6カ月ぶり の大幅な伸び。消費者物価指数(CPI)はここ3年余りで最大の上昇 となった。また鉱工業生産指数は09年3月以来の大幅な低下を記録し た。一方、9月の消費者マインド指数は市場の予想に反して上昇した。

原油上昇

S&P500種の業種別10指数では商品関連株が最大の上げ。原油相 場が約4カ月ぶり高値となったことが手掛かりとなった。また景気敏感 株で構成するモルガン・スタンレー・シクリカル指数は1.3%高と、4 日続伸となった。

アルミ生産で米最大手のアルコアは2.2%高の9.84ドル。石油最大 手エクソンは1.2%上げて92.30ドルと、08年5月以来の高値。

金融株は0.8%高。BOAは1.6%上昇し9.55ドルだった。

アップルは1.2%高の691.28ドルで、上場来高値を更新した。ナス ダック総合指数は0.9%高の3183.95と、2000年11月以来の高値。

ステープルズは2.1%高の12.21ドル。米誌フォーチュンは13日、ベ イン・キャピタルを含む複数のPE投資会社がステープルズの買収を検 討していると報じた。

アナロジックは16%高の80.44ドル。同社の5-7月(第4四半 期)決算は、調整後の1株利益が1.32ドルと、アナリスト予想の平均 (84セント)を上回った。

原題:U.S. Stocks Advance as Global Markets Extend Rally on Fed Plan(抜粋)

◎米国債:30年債利回り、週間で09年以来最大の上げ

14日の米国債は下落。30年債利回りは週間ベースで3年ぶり の大幅な伸びに迫った。米金融当局が追加緩和を決定、景気が強さ を取り戻した後も緩和政策を継続すると示唆したことでインフレ懸 念が広がった。

トレーダーのインフレ見通しの指標となる償還期限の長い国債とイ ンフレ連動債(TIPS)の利回り格差は1年1カ月ぶり最大となっ た。8月の米消費者物価指数(CPI)がここ3年余りで最大の上昇と なったことが影響した。

住宅ローン担保証券(MBS)の相対利回りは過去最低を記録し た。米連邦公開市場委員会(FOMC)が無期限でMBSを購入すると 表明したことが材料だった。連邦準備制度理事会(FRB)は12-13日 に開催したFOMC終了後に声明を発表し、政府支援機関のMBSを毎 月400億ドル購入することを明らかにした。

BNYメロン(ニューヨーク)の資本市場部門で米国債トレーディ ングの責任者を務めるダン・マルホランド氏は、「米当局の金融政策は インフレを誘発する」と述べ、「長期債は後ろ盾を失った。FOMCは 前日、市場に金融政策のバズーカ砲を放った」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、30年債利回りは16ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上げて3.09 %。一時は3.11%と5月4日以 来の高水準をつけた。週間ベースでは26bp上昇と、2009年8月以降で 最大の上げだった。同年債(表面利率2.75%、2042年8月償還)価格は 前日比2 31/32下落して93 13/32。

10年債利回りは14bp上昇して1.87%。一時は1日当たりの上昇幅 としては2011年8月以来で最大となる17bp上昇した。週間ベースで は20bpと3月16日以降で最大の上げだった。

30年債とTIPSの利回り格差

30年債と同年限TIPSの利回り格差は2.67ポイント。過去10年間 の平均値は2.47ポイントとなている。

ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)保証のMBSと米国債の利回り 格差を示すブルームバーグの指数は約1bp下げて92bpと、少なくと も1984年以来で最小となった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、TIPSのリターンは年初から6.2%。30年債のリターンは0.9%と なっている。

米労働省が発表した8月のCPIは前月比0.6%上昇し、2009年6 月以来最大の上昇。CPI総合指数は前年比で1.7%上昇。コア指数は 同1.9%上昇だった。

タームプレミアム

連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが開発した金融モデ ルに基づく10年物タームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)による と、米国債の割高感が過去3週間の最低となっている。この日はマイナ ス0.81%と、8月21日以来で最も割安な水準。マイナスのタームプレミ アムは、適正水準を下回る利回りでも投資家が積極的に受け入れている ことを意味する。年初来平均はマイナス0.73%。

FOMCは前日、長期証券の保有を拡大する量的緩和第3弾(QE 3)を実施すると表明した。オープンエンド型の形式をとり、政府支援 機関のMBSを毎月400億ドル購入する。バーナンキFRB議長は声明 発表後の記者会見で、「継続的かつ持続的な労働市場の改善を期待して いる」と発言した。

FOMC声明は「少なくとも2015年半ばまで」フェデラルファンド (FF)金利の誘導目標をゼロから0.25%のレンジで据え置く可能性が 高いことを明記し、「景気回復の力強さが増した後も相当な期間、非常 に緩和的な金融政策スタンスが引き続き適切になると想定している」 と、時間軸長期化の理由を説明した。

またFOMCは6670億ドル相当の短期債を売却し、期間が長めの証 券を同額購入する、いわゆる「オペレーション・ツイスト(ツイストオ ペ)」を継続する方針をあらためて示した。

原題:Treasury 30-Year Yield Heads for Biggest Weekly Jump Since 2009(抜粋)

NY金:小幅続伸、米追加緩和で-終値1772.70ドル

ニューヨーク金先物相場は小幅続伸。米連邦公開市場委員会 (FOMC)が追加緩和を決定したことで、買いが先行した。

FOMCは前日、長期証券の保有を拡大する量的緩和第3弾(QE 3)を実施すると表明した。オープンエンド型の形式をとり、政府支援 機関の住宅ローン担保証券(MBS)を毎月400億ドル購入する。

スタンダード・バンクの商品ストラテジスト、マーク・グラウンド 氏は電話インタビューで、「前日の追加緩和発表が、この日の相場上昇 の一因になっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比60セント高の1オンス=1772.70ドルで終了。一時 は1780.20ドルと、2月29日以来の高値をつけた。

原題:Platinum Posts Longest Rally in 25 Years; Gold Advances on QE3(抜粋)

NY原油:続伸、一時100ドル台-米追加緩和や中東情勢で

ニューヨーク原油相場は続伸。約4カ月ぶりの高値となった。米連 邦公開市場委員会(FOMC)が前日に住宅ローン担保証券(MBS) の購入を表明したことが引き続き材料視された。

原油は一時、バレル当たり100ドルを上回った。FOMCは量的緩 和第3弾として追加の資産購入を発表した。欧州中央銀行(ECB)は 6日、救済要請国の国債購入を表明していた。中東や北アフリカでの反 米デモが石油輸出に支障を来すのではないかとの懸念も買い材料。

エナジー・セキュリティー・アナリシスのマネジングディレクタ ー、サラ・エマーソン氏は「すべての材料が価格の一段高を示唆してい る」と指摘。「今週のニュースを受けて、上値を追わなかったら意外 だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前日 比69セント(0.70%)高の1バレル=99ドルちょうどで終了。終値とし ては5月3日以来の高値となった。一時は100.42ドルまで上昇した。週 間では2.7%高。

原題:Oil Rises to Four-Month High as Fed Announces Stimulus Measures(抜粋)

◎欧州株:反発、1年3カ月ぶり高値-米追加緩和を好感

14日の欧州株式相場は反発。ストックス欧州600指数は1年3カ月 ぶりの高値となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が住宅ローン 担保証券(MBS)の購入を決めたことを好感した。

鉱山大手の英豪系BHPビリトンとリオ・ティントがいずれも大幅 上昇。オーストラリアのスワン財務相は同国の資源ブームが続くとの見 方を示した。プラチナ生産の英ロンミンは5%値上り。同社は南アフリ カ共和国のプラチナ鉱山でストを続ける労働者との協議を再開した。

ストックス欧州600指数は前日比1.3%高の275.95で終了。終値とし て、昨年6月1日以来の高値となった。

アッティカ・ウェルス・マネジメントのマネジングディレクター、 セオドア・クリンタス氏は「この種の流動性は株式市場の大きな支えに なる」と指摘。「キプロスで開催されている欧州財務相会合から何か明 るいニュースが出れば、相場の上昇は向こう数日で勢いづくだろう」と 述べた。

米消費者マインド指数が発表されると、株価は上げ幅を拡大した。 9月のトムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数(速報 値)は79.2と、前月の74.3から上昇。ブルームバーグ・ニュースがまと めたエコノミスト予想の中央値は74.0だった。この日の西欧市場で は、18カ国すべてで主要株価指数が上昇した。

原題:European Stocks Advance as Fed Announces More Asset Purchases(抜粋)

◎欧州債:スペイン債下落、入札予定を嫌気-独英国債も下げる

14日の欧州債市場では、スぺイン10年債が値下がり。指標銘柄 となる国債の入札を来週実施するとの発表が嫌気された。この日キプ ロスで開かれたユーロ圏財務相会合がスペイン救済をめぐる決定を先 送りしたことも売り材料。相場は週間ベースでも下落した。

スペイン2年債も下げた。財務相会合ではスペインが打ち出す経 済改革策を待つこととなり、欧州中央銀行(ECB)の国債購入を伴 う公算が大きい救済要請は差し控えられた。スペインの格付けは、米 ムーディーズ・インベスターズ・サービスが見直しを進めている。ド イツ10年債は週間ベースで2週連続安となり、同期間での利回り上 昇幅は昨年11月以来で最大。米連邦公開市場委員会(FOMC)の 量的緩和第3弾の決定が影響した。

クレディ・アグリコルCIBの債券ストラテジスト、オーランド・ グリーン氏(ロンドン在勤)は「下落防止措置が具体化するまでは、 国債発行は重しだ」と指摘。「スペインの行動が読めない。このまま耐 え抜くつもりなのだろうか。多分市場はそう考えているのだろう」と 付け加えた。

ロンドン時間午後4時50分現在、スペイン10年債利回りは前日 比15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の5.79%。 前週末からは16bp上げた。同国債(表面利率5.85%、2022年1 月償還)価格は1.105下げて100.425。2年債利回りは19bp上昇 の3.14%。

スペイン政府は10年債(2022年償還、表面利率5.85%)の入 札を20日に実施すると発表。2015年償還債(表面利率3.75%)も 同時に発行するという。

ドイツと英国

ドイツ10年債利回りは15bp上昇して1.71%。一時は16bp 上げて1.72%と、4月30日以来の高水準に達した。前週末からは 19bp上昇。8月31日は1.33%で、ここ2週間の利回り上昇幅は昨 年11月25日以来で最大。

英国債市場では10年債が下落し、利回りが4カ月ぶり高水準を 付けた。米国の量的緩和拡大でインフレ加速を見込む向きが増えた。

英10年債利回りは14bp上昇の1.94%。5月10日以来の高さ となる1.97%を付ける場面もあった。同国債(表面利率1.75%、2022 年9月償還)価格は1.24下げ98.165。

原題:Spanish Bonds Drop After Debt-Sale Announcement on Aid Concern(抜粋) 原題:Pound Rises to 4-Month High on Fed Stimulus Boost as Gilts Drop(抜粋)

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