米国債(14日):30年債利回り、週間で09年以来最大の上げ

14日の米国債は下落。30年債利回り は週間ベースで3年ぶりの大幅な伸びに迫った。米金融当局が追加緩和 を決定、景気が強さを取り戻した後も緩和政策を継続すると示唆したこ とでインフレ懸念が広がった。

トレーダーのインフレ見通しの指標となる償還期限の長い国債とイ ンフレ連動債(TIPS)の利回り格差は1年1カ月ぶり最大となっ た。8月の米消費者物価指数(CPI)がここ3年余りで最大の上昇と なったことが影響した。

住宅ローン担保証券(MBS)の相対利回りは過去最低を記録し た。米連邦公開市場委員会(FOMC)が無期限でMBSを購入すると 表明したことが材料だった。連邦準備制度理事会(FRB)は12-13日 に開催したFOMC終了後に声明を発表し、政府支援機関のMBSを毎 月400億ドル購入することを明らかにした。

BNYメロン(ニューヨーク)の資本市場部門で米国債トレーディ ングの責任者を務めるダン・マルホランド氏は、「米当局の金融政策は インフレを誘発する」と述べ、「長期債は後ろ盾を失った。FOMCは 前日、市場に金融政策のバズーカ砲を放った」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、30年債利回りは16ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上げて3.09 %。一時は3.11%と5月4日以 来の高水準をつけた。週間ベースでは26bp上昇と、2009年8月以降で 最大の上げだった。同年債(表面利率2.75%、2042年8月償還)価格は 前日比2 31/32下落して93 13/32。

10年債利回りは14bp上昇して1.87%。一時は1日当たりの上昇幅 としては2011年8月以来で最大となる17bp上昇した。週間ベースで は20bpと3月16日以降で最大の上げだった。

30年債とTIPSの利回り格差

30年債と同年限TIPSの利回り格差は2.67ポイント。過去10年間 の平均値は2.47ポイントとなている。

ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)保証のMBSと米国債の利回り 格差を示すブルームバーグの指数は約1bp下げて92bpと、少なくと も1984年以来で最小となった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、TIPSのリターンは年初から6.2%。30年債のリターンは0.9%と なっている。

米労働省が発表した8月のCPIは前月比0.6%上昇し、2009年6 月以来最大の上昇。CPI総合指数は前年比で1.7%上昇。コア指数は 同1.9%上昇だった。

タームプレミアム

連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが開発した金融モデ ルに基づく10年物タームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)による と、米国債の割高感が過去3週間の最低となっている。この日はマイナ ス0.81%と、8月21日以来で最も割安な水準。マイナスのタームプレミ アムは、適正水準を下回る利回りでも投資家が積極的に受け入れている ことを意味する。年初来平均はマイナス0.73%。

FOMCは前日、長期証券の保有を拡大する量的緩和第3弾(QE 3)を実施すると表明した。オープンエンド型の形式をとり、政府支援 機関のMBSを毎月400億ドル購入する。バーナンキFRB議長は声明 発表後の記者会見で、「継続的かつ持続的な労働市場の改善を期待して いる」と発言した。

FOMC声明は「少なくとも2015年半ばまで」フェデラルファンド (FF)金利の誘導目標をゼロから0.25%のレンジで据え置く可能性が 高いことを明記し、「景気回復の力強さが増した後も相当な期間、非常 に緩和的な金融政策スタンスが引き続き適切になると想定している」 と、時間軸長期化の理由を説明した。

またFOMCは6670億ドル相当の短期債を売却し、期間が長めの証 券を同額購入する、いわゆる「オペレーション・ツイスト(ツイストオ ペ)」を継続する方針をあらためて示した。

原題:Treasury 30-Year Yield Heads for Biggest Weekly Jump Since 2009(抜粋)

--取材協力:Anchalee Worrachate.

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