ホンダ:上海のディーラー前で「シビック」燃やされる

尖閣諸島の領有権問題で日中間の 緊張が高まる中、中国・上海にあるホンダ販売店前で13日午前、同社 の乗用車「シビック」に乗ってきた人物が車体に火をつけ炎上した。

北京在勤のホンダ現地法人の浅沼なつの氏によると、炎上したシ ビックは現場の販売店で過去に売られたものだが、現在の所有者は分 かっていない。火をつけた人物は当局が捜査をしており、ホンダ側で は把握していないという。

日本の自動車メーカーにとって、世界最大の自動車市場の中国で 反日感情が高まっていることは、昨年の東日本大震災やタイ洪水から 立ち直り販売拡大を目指すタイミングで思わぬブレーキとなりそうだ。

CSCインターナショナル・ホールディングスの韓偉琪アナリス トは「消費者の多くは日本製品を敵視し始めている」と指摘した上で、 「敵意を抱かない人であっても、いま日本製品を買えば周囲から非難 されたり暴動の標的にされるのを恐れて買えない」との見方を示した。

尖閣諸島をめぐっては、東京都の石原慎太郎知事が4月、魚釣島、 北小島、南小島を都の予算で買収する計画を表明。8月15日には魚釣 島に上陸した香港の活動家らを、日本の当局が出入国管理・難民認定 法違反容疑で逮捕、強制送還した。日本政府は今月、尖閣諸島を国有 化した。その後、中国の海洋監視船が14日、同諸島周辺の日本の領海 域内に相次いで侵入するなど、緊張は続いている。

反日運動広がる

中国での反日運動は、日本の超党派議員団のメンバーが8月19 日に慰霊祭のため魚釣島に上陸したころから激しさを増した。日本製 品ボイコット運動や、中国に滞在する日本人への嫌がらせも始まった。

上海の日本総領事館が13日付で出した注意喚文書によると、「酒 に酔った邦人3人が中国人女性をナイフで傷つけた」など反日感情を 煽(あお)るインターネット書き込みが散見されるとしている。邦人 からの報告では、タクシーで移動中にオートバイに乗った人物がタク シー運転手に「金を払うので、乗客を降ろせ」と要求した、歩道で中 国人から「日本人か」と聞かれ、突然、脚を数回殴られ打撲傷を負っ た、との事例もあったという。

日産自動車の志賀俊之最高執行責任者(COO)は今月6日、日 本の自動車メーカーは中国当局から屋外での販売イベントなどを控え るようにアドバイスを受けていることを明らかにした。

中国自動車工業協会(CAAM)によると、8月の日本メーカー の乗用車販売台数は前年同月比2%減だったのに対し、ドイツ車は 27%増、米国車は20%増、韓国車は13%増となっている。

中国の自動車メーカーBYDの営業トップを務めるホウ・ヤン氏 は、シビックを燃やした人物が「熱狂的な愛国心を示した」として、 BYDの小型セダン「Surui」を贈呈することを決めたと電話取 材に語った。BYDが自動車を贈呈することは中国の人気ブログ「W eibo」にも書き込まれた。

--取材協力:萩原ゆき、Tian Ying、Chua Kong ho、笠原文彦

Editor:Hideki Asai、Kazu Hirano

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