債券は反発、米量的緩和による米債高・円高で-日銀追加緩和の観測も

債券相場は反発。米連邦準備制度理 事会(FRB)による量的緩和第3弾(QE3)決定を受けて前日の米 債相場が反発した流れを引き継いで買いが先行した。日本銀行も追加緩 和に追い込まれるとの思惑も支援材料。午後には株価が一段高となり、 相場の上値が重くなる場面があった。

シュローダー証券投信投資顧問債券チームの金丸壮史ファンドマネ ジャーは、QE3決定は予想通りだったが、実施期間や先々までの購入 額を決めない「オープンエンド」型としたのは「ポジティブ・サプライ ズだ」と評価。米国で短・中・長期債利回りが低下したのに加え、円高 進行も円債には支援材料だと語った。

東京先物市場で中心限月12月物は前日比17銭高の143円77銭で取引 を開始。直後に143円76銭を付けたが、午前9時15分前後には31銭高 の143円91銭まで上昇した。その後は143円80銭台半ばを中心にもみ合 い。午後1時前には株高を背景に143円81銭まで伸び悩んだが、引けに かけてはじり高となり、結局は27銭高の143円87銭で取引を終えた。

JPモルガンアセットマネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、欧 州中央銀行(ECB)の債券購入策に加え、FRBの追加緩和と円高も あり、日銀も追加緩和するとの思惑が高まっていると指摘。市場から買 い入れている国債の対象年限を現在の3年までから4年までに拡大する 可能性があると述べた。

長期金利0.8%割れ

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の325回債利回りは 前日より2ベーシスポイント(bp)低い0.805%で開始。午前9時ごろか ら0.80%で推移した後、11時前に3bp低い0.795%に低下し、11日以来 の0.8%割れとなった。午後1時前からは再び0.80%での取引が中心。 2年物の320回債利回りは0.5bp低い0.095%に低下し、新発2年債利回 りとしては8月22日以来の0.1%割れとなった。5年物の106回債利回り は1bp低下の0.205%。

前日入札された20年物の140回債利回りは1.5bp低い1.66%で始ま り、午前10時前に2bp低い1.655%に低下。午後1時前からは再 び1.66%で推移した。30年物の37回債利回りは横ばいの1.905%。

みずほインベスターズ証券の井上明彦チーフストラテジストは、米 連邦公開市場委員会(FOMC)の決定後に米株上昇・米長期金利低下 となり、「きょうの国内市場もおおむね米国市場の流れを踏襲して株 高・債券高」だと指摘。その上で、長期金利は9月には3年連続で前月 比で低下しており、今月末も需給の良さを支えに0.7%台に低下すると 予想した。

従来の米QEとは異なる反応

きょうの円相場は1ドル=77円台後半が中心。昨日は77円13銭と約 7カ月ぶりの高値を付ける場面があった。ユーロに対しては軟調で、き ょう午後には一時、6月29日以来初めて1ユーロ=101円32銭台まで下 げた。日経平均株価の終値は前日比1.8%高の9159円39銭と、約3週間 ぶりの高水準。

13日の米債相場は上昇。米10年債利回りは前日比3bp低下の1.72% 程度。米株式相場も上昇。FOMCが景気浮揚に向け住宅ローン担保証 券(MBS)の購入を発表したことが材料視された。S&P500種株価 指数は同1.6%高の1459.99と、2007年12月31日以来の高値。

FRBは12、13日に開催したFOMC終了後に声明を発表し、長期 証券の保有を拡大するQE3実施を表明。オープンエンド型の形式をと り、政府支援機関のMBSを毎月400億ドル購入する。

三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、FRBが FOMCでMBSの買い入れを期限を設けず必要な期間続けるというオ ープンな形で実施することを決めたほか、金融緩和の時間軸延長と十分 な対応で株高、債券高だと指摘。「QE1、QE2の時は株高・金利上 昇だったが、今回は違う反応」とも述べた。

--取材協力:Nobuyuki Akama. Editors: 山中 英典, 青木 勝

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