9月13日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル下落、FOMCがQE3決定-対円7カ月ぶり安値

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨の大半に対して下 落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)が量的緩和第3弾(QE 3)の開始を決定したことを受け、ドルの価値劣化を懸念する売りが広 がった。

ドルはユーロと円に対して軟調に推移した。対ユーロでは4カ月ぶ り、対円では7カ月ぶりの安値に下落した。FOMCは13日の会合後に 声明を発表し、長期証券の保有を拡大する量的緩和第3弾(QE3)を 実施すると表明。オープンエンド型の形式をとり、政府支援機関の住宅 ローン担保証券(MBS)を毎月400億ドル購入する。欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁は先週、政策委員会が無制限の国債購入プログ ラムに合意したことを明らかにしていた。

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は「市場はこの日の発表もECB の措置も想定していたが、米国の財政赤字ファイナンス、そして欧州の ユーロ周辺国問題という2つの主要なリスクを遠ざける役目を果たして いる」と指摘。「2つのテールリスクが消滅しつつある中で、投資家は 再びドル売りと株式市場への回帰を急ぎ、また程度は弱いが信用市場に も戻ってきている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時16分現在、ドルは円に対して前日 比0.5%安の1ドル=77円50銭。一時0.9%下げ、2月9日以来の安値を 付けた。対ユーロでは0.7%下落して1ユーロ=1.2987ドル。ユーロは 円に対して0.2%高の1ユーロ=100円66銭となっている。

円は一段高

円は対ドルで7カ月ぶり高値に上げた。日本の政策当局が円高阻止 を図り市場介入を検討するとの観測が強まった。

財務省の中尾武彦財務官は13日、東京で記者団に対し、ドルに対す る円の直近の上昇は「明らかに投機的」だとし、日本としてこのような 動きを看過することはできないと述べた。

シティグループのG10通貨戦略担当の北米責任者、グレッグ・アン ダーソン氏(ニューヨーク在勤)はFOMCの決定について、「意図す るところは米長期金利の押し下げであり、ドル円相場に下げ圧力となる だろう」とし、「われわれは反応を見守ることになる」と述べた。

安住淳財務相は昨年、円が戦後最高値を更新する1ドル=75円35銭 を付けたことを受け、10月31日に円売り介入を指示した。

FOMC声明

FOMCは13日まで2日間の会合を開催。この日発表した声明で、 「労働市場の見通しが大幅に改善しない場合、委員会は物価が安定した 状態で状況が改善するまで住宅ローン担保証券の購入を継続するほか、 追加の資産購入を実施し、必要に応じて他の政策手段を導入する」と明 記した。

FOMCはまた、「少なくとも2015年半ばまで」フェデラルファン ド(FF)金利の誘導目標をゼロから0.25%のレンジで据え置く可能性 が高いことを示唆した。1月以降、FOMCは少なくとも2014年遅くま で超低金利を維持する方針を示していた。この日の声明ではさらに、 「景気回復の力強さが増した後も相当な期間、非常に緩和的な金融政策 スタンスが引き続き適切になる」との認識を示した。

FOMCメンバーは2013年の実質国内総生産(GDP)見通し を2.5-3%増と、6月時点の予想(2.2-2.8%増)から引き上げ た。2014年については3-3.8%増と、6月の予想(3-3.5%増)から 上方修正した。

ドイツ銀行のG10為替ストラテジー世界責任者、アラン・ラスキン 氏(ニューヨーク在勤)は「FOMCの政策はリスクに非常に強気にな っている」と指摘。「より低い水準の失業率を目標に掲げるとの考え は、長期にわたる巨額のバランスシート拡大を約束するもので、おそら く他国の中銀の策を大きく上回る規模となるだろう」と述べた。

原題:Dollar Weakens as Fed Joins ECB to Increase Monetary Stimulus(抜粋)

◎米国株:上昇、追加緩和で景気浮揚に期待-金融・素材高い

米株式相場は上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)が景気浮揚 に向け住宅ローン担保証券(MBS)の購入を発表したことが材料視さ れた。S&P500種株価指数は2007年12月以来の高値となった。

S&P500種では業種別10指数が全て上昇。バンク・オブ・アメリ カ(BOA)やJPモルガン・チェースをはじめ金融株が高い。アルミ 生産のアルコアや鉄鉱石生産のクリフス・ナチュラル・リソーシズなど 素材株も上げた。前日に新型の「iPhone(アイフォーン)」を発 表したアップルも買い進まれた。

S&P500種株価指数は前日比23.43ポイント(1.6%)高の1459.99 で3日続伸。07年12月31日以来の高値での終了となった。ダウ工業株30 種平均は206.51ドル(1.6%)上昇し13539.86ドル。

スタイフェル・ニコラスの市場ストラテジスト、ケビン・キャロン 氏は電話取材で、「非常に力強い声明だった」とし、「FOMCは全力 を挙げている。特に、失業率の低下という形で望ましい結果が得られる まで資産購入を続けるというコミットメントにそうした姿勢が見られ る。今回の声明は物価安定の維持というFOMCのコミットメントに対 する多くの不透明感を取り除いた」と指摘した。

FOMC声明

FOMCは12-13日に開催した会合終了後に声明を発表し、オープ ンエンド型の形式で政府支援機関のMBSを毎月400億ドル購入し、長 期証券の保有を拡大すると発表した。また労働市場が大幅に改善しない 場合はMBS購入を継続するほか、追加の資産購入を実施し、必要に応 じて他の政策手段を導入すると表明した。

声明はこのほか、フェデラルファンド(FF)金利の異例な低水準 を「少なくとも2015年半ばまで」維持する可能性が高いと記述。1月以 降、FOMCはこの時間軸を「少なくとも14年遅くまで」としていた。 このほか、FOMCメンバーは13、14年の実質国内総生産(GDP)見 通しを引き上げた。

LPLファイナンシャルのエコノミスト兼投資ストラテジストのジ ョン・カナリー氏は電話取材で、「市場が予想していなかったのは、労 働市場の改善を後押しする内容だ」と指摘。「声明では、労働市場が改 善しない場合、委員会は緩和策を続けるとしている」とし、「これは市 場が考えていたよりも若干踏み込んだ措置で、それによりリスクオンの 地合いが強まっている」と続けた。

経済指標

この日の経済指標では、先週の新規失業保険申請件数が市場予想を 上回る増加となった。また8月の生産者物価指数(PPI)は、ここ3 年余りで最大の伸びとなった。

ダウ平均では構成する30銘柄全てが値上がり。S&P500種では業 種別10指数全ての上昇率が1%以上だった。特に金融や素材の上げが目 立った。

BOAは4.8%高の9.40ドル。JPモルガンは3.7%高の41.40ド ル。バークシャー・ハサウェイのクラスA株は2.1%上げて13万2851ド ル。

アルコアは3%高の9.63ドル。クリフス・ナチュラルは6.3%上昇 の43.18ドル。景気敏感株30銘柄で構成するモルガン・スタンレー・シ クリカル指数は1.7%上昇し3日続伸。24銘柄で構成するKBW銀行指 数は2.8%上げて51.02。

アップルは2%高の682.98ドルと、上場来高値を更新した。前日 も1.4%上げていた。

原題:U.S. Stocks Rally as Fed Takes Stimulus Steps to Boost Economy(抜粋)

◎米国債:利回り曲線スティープ化、追加緩和でインフレ懸念

13日の米国債市場では10年債と30年債の利回り格差が拡大し、ここ 1年で最大となった。米金融当局が無期限で住宅ローン担保証券 (MBS)を購入すると表明、景気が強さを取り戻した後も緩和政策を 継続すると示唆したことで、インフレ懸念が広がった。

利回り格差は一時1.21ポイントと、2011年8月以来の最大に拡大し た。30年債利回りは5月以来の高水準に上昇した。米連邦公開市場委員 会(FOMC)の声明発表後に行われたバーナンキ米連邦準備制度理事 会(FRB)議長の記者会見での発言に反応し、30年債は下げ幅を縮小 した。バーナンキ議長は今回の購入対象に入れなかった米国債を購入す る能力を保持していると述べた。

FRBは12-13日に開催したFOMC終了後に声明を発表し、「少 なくとも2015年半ばまで」フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標 をゼロから0.25%のレンジで据え置く可能性が高いことを示唆した。 FOMCは声明で長期証券の保有を拡大する量的緩和第3弾(QE3) を実施すると表明した。オープンエンド型の形式をとり、政府支援機関 のMBSを毎月400億ドル購入する。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニ ューヨーク在勤)は、「資産購入をオープンエンド型で実施し、低金利 見通しの期間を延長するということは、イールドカーブのスティープ化 を意味する。一段のインフレリスクがある」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、30年債利回りは2.93%。一時は8 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して3%と、5月14日 以来の高水準をつけた。10年債利回りは4bp低下して1.72%。一時 は1.83%と、8月21日以来の高水準をつけた。

インフレ見通し

トレーダーのインフレ見通しの指標となる10年債と同年限インフレ 連動債(TIPS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は2.49ポ イントと、2011年7月以来の高水準に達した。年初来の平均値は2.2% となっている。

FOMC予測の中央値によると、2013年の実質国内総生産 (GDP)見通しは2.5-3%増と、6月時点の予想(2.2-2.8%増) から引き上げられた。2014年については3-3.8%増と、6月の予想 (3-3.5%増)から上方修正された。

ブルームバーグがまとめた調査では、エコノミストの約3分の2は 量的緩和第3弾の決定を予測していた。

FOMC声明

FOMCは声明で「労働市場の見通しが大幅に改善しない場合、委 員会は物価が安定した状態で状況が改善するまで住宅ローン担保証券の 購入を継続するほか、追加の資産購入を実施し、必要に応じて他の政策 手段を導入する」と表明した。

さらに「景気回復の力強さが増した後も相当な期間、非常に緩和的 な金融政策スタンスが引き続き適切になると想定している」と続けた。

この日は米金融政策決定が発表される前に30年債の入札(銘柄統 合、発行額130億ドル)が行われた。同年債利回りは入札後に2.86%と この日の最低をつけた。

財務省が実施した30年債入札の結果によると、最高落札利回り は2.896%となった。入札直前の市場予想は2.929%だった。投資家の需 要を測る指標の応札倍率は2.68倍と、過去10回の平均値2.62倍を上回っ た。

原題:Treasury Yield Curve Steepens as Fed Spurs Inflation Speculation(抜粋)

◎NY金:大幅反発、1770ドル台-FOMCの量的緩和第3弾発表で

ニューヨーク金先物相場は大幅反発。2月以来初めてオンス当た り1770ドルを回復した。米連邦公開市場委員会(FOMC)が量的緩和 第3弾(QE3)を発表したことを好感した。

FOMCは会合後の声明で、長期証券の保有を拡大するQE3を実 施すると表明。オープンエンド型の形式をとり、政府支援機関の住宅ロ ーン担保証券(MBS)を毎月400億ドル購入すると明らかにした。

ETFセキュリティーズ(ニューヨーク)のマネジングディレクタ ー、ウィリアム・リンド氏は電話インタビューで、「相場はFOMCの 発表に反応している」と指摘。「オープンエンドの購入のため、インフ レ懸念が再び台頭するだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比2.2%高の1オンス=1772.10ドルで終了。6月29日以来の 大幅上昇となった。一時は1775ドルと、中心限月としては2月29日以来 の高値をつけた。

原題:Gold Futures Top $1,770 as Fed Announces QE3 to Boost Economy(抜粋)

◎NY原油:反発、FOMCに反応-中東不安で供給懸念も

ニューヨーク原油相場は反発。4カ月ぶりの高値となった。連邦 公開市場委員会(FOMC)が量的緩和第3弾(QE3)を実施する と表明したことが手掛かり。中東と北アフリカで抗議行動が広がって いることから、石油供給に障害が生じる可能性も懸念された。

FOMCはオープンエンド型の形式をとり、政府支援機関の住宅ロ ーン担保証券(MBS)を毎月400億ドル購入する。イエメンの首都サ ヌアで、抗議行動に集まった群衆が米国大使館を襲撃した。11日にはリ ビアの米領事館が抗議集団の襲撃に遭い、クリス・スティーブンス駐リ ビア米国大使を含む4人が殺害された。

プレステージ・エコノミクス(テキサス州オースティン)のジェイ ソン・シェンカー社長はFOMCについて、「長期的に強気材料にな る。景気刺激を徐々に拡大すると約束しているからだ」と指摘。「毎 月400億ドルのMBS購入によって流動性は高まる」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前日 比1.30ドル(1.34%)高の1バレル=98.31ドルで終了。終値ベースで 5月4日以来の高値。過去1年間では9%の値上がり。

原題:Oil Climbs to Four-Month High on Federal Reserve Stimulus Plan(抜粋)

◎欧州株:反落、FOMC控え-統合協議中のEADSとBAE大幅安

13日の欧州株式相場は反落。ストックス欧州600指数は前日の約1 年2カ月ぶり高値から下落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)の 政策発表を控え、様子見姿勢が広がった。

統合を協議中の航空宇宙・防衛関連企業EADSと英BAEシステ ムズが大幅安。両銘柄の保有を短期的に減らすことをバークレイズが投 資家に勧めたことが材料。一方、仏航空機器メーカーのゾディアック・ エアロスペースは2.1%高。ソシエテ・ジェネラルが投資判断を引き上 げた。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%安の272.42で終了。一時 は0.6%下げた。前日はドイツの連邦憲法裁判所が恒久的救済基金であ る欧州安定化メカニズム(ESM)の批准を承認し、2011年7月以来の 高値となっていた。

チャールズ・スタンレー・グループ(ロンドン)の調査責任者、ジ ェレミー・バットストーンカー氏は「相場はここ数週間、中央銀行によ る一段の行動への期待を織り込んで上昇してきたが、早計な判断となる 可能性もある」と指摘。「FOMCを控えてやや慎重なムードになって きた」と述べた。

ブルームバーグが行ったエコノミスト調査によると、6割超がこの 日のFOMC後に量的緩和第3弾が発表されると予想していた。同日の 西欧市場では、18カ国中11カ国で主要株価指数が下落した。

原題:European Stocks Fall From 14 Month-High; EADS, BAE Shares Slide(抜粋)

◎欧州債:スペイン2年債下落、救済要請先送りの見方-英国債上昇

13日の欧州債市場では、2年債を中心にスペイン債が下落。同 国政府が金融支援の要請を先送りするとの見方から、欧州中央銀行 (ECB)によるスペイン債購入の期待が後退した。

ドイツ10年債は値上がりし、利回りは約10週ぶり高水準から 低下した。格付け会社フィッチ・レーティングスがこの日、スペイン のカタルーニャ自治州の格付けをジャンク級(投機的格付け)に引き 下げる可能性を示唆したこともスペイン債の売りにつながった。イタ リアがこの日実施した入札では、3年債の落札利回りがほぼ2年で最 低。これを受け、流通市場では2年債が下げ幅を縮めた。

シティグループの債券ストラテジスト、ジェイミー・サール氏は、 スペイン債の最近の上昇は「ECBの購入を期待してのものだった」 と指摘。「スプレッドが縮小したからもう何もしなくていいとスペイ ンが考えている兆候が少しでもあれば、これまでの流れは反転する」 と述べた。

ロンドン時間午後4時12分現在、スペイン2年債利回りは前日 比13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.95%。 ユーロ導入以降の最高は7月25日に付けた7.147%。同銘柄(表面 利率4.75%、2014年7月償還)の価格は0.235下げ103.21。ス ペイン10年債利回りは1bp上昇の5.64%。

イタリアの2年債利回りは7bp上昇の2.26%。一時は2.29% まで上昇した。同国政府は3年債40億ユーロ相当を発行、平均落札 利回りは2.75%と、7月13日の入札での4.65%から低下した。

ドイツ10年債利回りは6bp低下して1.56%。12日は

1.65%に達し、6月29日以来の高水準となっていた。

12日の総選挙でユーロ反対の自由党が議席を減らしたオランダ の国債も上昇。10年債のドイツ債との利回り格差は一時24bpと、 1月17日以来の最小を付けた。

英国債

英国債市場では10年債が4営業日ぶりに上昇。イングランド銀 行(英中央銀行)はこの日公表した四半期報告で「ユーロ圏が直面し ている基礎的な困難はなくなっていない」との認識を示した。

英10年債の利回りは1bp低下の1.82%。同国債(表面利 率1.75%、2022年9月償還)の価格は0.115下げ99.38。

原題:Spanish Bonds Drop Amid Aid Request Concern; German Bunds Rise(抜粋) 原題:Pound Approaches 4-Month High Versus Dollar Before Fed Decision(抜粋)

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