米国債:利回り曲線スティープ化、追加緩和でインフレ懸念

13日の米国債市場では10年債と30年 債の利回り格差が拡大し、ここ1年で最大となった。米金融当局が無期 限で住宅ローン担保証券(MBS)を購入すると表明、景気が強さを取 り戻した後も緩和政策を継続すると示唆したことで、インフレ懸念が広 がった。

利回り格差は一時1.21ポイントと、2011年8月以来の最大に拡大し た。30年債利回りは5月以来の高水準に上昇した。米連邦公開市場委員 会(FOMC)の声明発表後に行われたバーナンキ米連邦準備制度理事 会(FRB)議長の記者会見での発言に反応し、30年債は下げ幅を縮小 した。バーナンキ議長は今回の購入対象に入れなかった米国債を購入す る能力を保持していると述べた。

FRBは12-13日に開催したFOMC終了後に声明を発表し、「少 なくとも2015年半ばまで」フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標 をゼロから0.25%のレンジで据え置く可能性が高いことを示唆した。 FOMCは声明で長期証券の保有を拡大する量的緩和第3弾(QE3) を実施すると表明した。オープンエンド型の形式をとり、政府支援機関 のMBSを毎月400億ドル購入する。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニ ューヨーク在勤)は、「資産購入をオープンエンド型で実施し、低金利 見通しの期間を延長するということは、イールドカーブのスティープ化 を意味する。一段のインフレリスクがある」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、30年債利回りは2.93%。一時は8 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して3%と、5月14日 以来の高水準をつけた。10年債利回りは4bp低下して1.72%。一時 は1.83%と、8月21日以来の高水準をつけた。

インフレ見通し

トレーダーのインフレ見通しの指標となる10年債と同年限インフレ 連動債(TIPS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は2.49ポ イントと、2011年7月以来の高水準に達した。年初来の平均値は2.2% となっている。

FOMC予測の中央値によると、2013年の実質国内総生産 (GDP)見通しは2.5-3%増と、6月時点の予想(2.2-2.8%増) から引き上げられた。2014年については3-3.8%増と、6月の予想 (3-3.5%増)から上方修正された。

ブルームバーグがまとめた調査では、エコノミストの約3分の2は 量的緩和第3弾の決定を予測していた。

FOMC声明

FOMCは声明で「労働市場の見通しが大幅に改善しない場合、委 員会は物価が安定した状態で状況が改善するまで住宅ローン担保証券の 購入を継続するほか、追加の資産購入を実施し、必要に応じて他の政策 手段を導入する」と表明した。

さらに「景気回復の力強さが増した後も相当な期間、非常に緩和的 な金融政策スタンスが引き続き適切になると想定している」と続けた。

この日は米金融政策決定が発表される前に30年債の入札(銘柄統 合、発行額130億ドル)が行われた。同年債利回りは入札後に2.86%と この日の最低をつけた。

財務省が実施した30年債入札の結果によると、最高落札利回り は2.896%となった。入札直前の市場予想は2.929%だった。投資家の需 要を測る指標の応札倍率は2.68倍と、過去10回の平均値2.62倍を上回っ た。

原題:Treasury Yield Curve Steepens as Fed Spurs Inflation Speculation(抜粋)

--取材協力:Susanne Walker.

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