日本株は続伸、欧州懸念薄れ景気敏感買い、電力も堅調-午後様子見

東京株式相場は続伸。欧州債務問 題への不安が薄れ、海運やガラス・土石製品、鉄鋼など景気敏感業種 が買われた。値上げ申請観測が浮上した九州電力、関西電力が急騰す るなど電力株も高い。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結 果を見極めたいとして様子見姿勢も強く、午後はこう着した。

TOPIXの終値は前日比2.41ポイント(0.3%)高の744.23、 日経平均株価は35円19銭(0.4%)高の8995円15銭。

BNPパリバ・インベストメント・パートナーズの清川鉉徳運用 本部長は、「FOMC結果待ちの中、独蘭でイベントを無事に消化し、 欧州情勢をめぐる過度な不安が後退したことで、ショートカバー(売 り方の買い戻し)主導の上げになった」と言う。

ドイツの連邦憲法裁判所は12日、恒久的救済基金である欧州安定 化メカニズム(ESM)の批准を条件付きで同国に認める判断を下し た。批准差し止めを目指した訴えを退ける一方、ドイツの負担につい ては議会の承認がない限り、1900億ユーロ(約19兆1000億円)を上 限とすることが必要との考えを示した。これを受け、ESMは10月8 日に稼働する見通しとなった。

このほか欧州では、12日投開票のオランダ総選挙で、ルッテ首相 率いる自由民主党が労働党に2議席の差をつけ、勝利が確実な情勢と なった。自由民主党が第1党を維持し、ユーロ圏債務危機への取り組 みで、緊縮策を重視するメルケル独首相の対応をオランダが支持する 姿勢は変わらないとみられる。いちよしアセットマネジメントの秋野 充成執行役員は、「欧州危機の解決に向け、着実にハードルをクリアし たことは評価できる」と話していた。

買い戻し中心、一時は9000円回復も

欧州情勢の改善期待を背景に、東証1部33業種では海運、電気・ ガス、パルプ・紙、ガラス・土石、鉄鋼、その他製品、保険、電機、 非鉄金属など26業種が上昇。半面、食料品や水産・農林、陸運、医薬 品などディフェンシブ業種を中心に7業種は下げた。値上がり率1位 の海運、2位の電気・ガスについては前日に下落した2業種で、きょ うは買い戻しが影響したことがうかがえる。

この日はTOPIX、日経平均とも朝方小安く始まったが、午前 10時ごろにプラス転換。一時は先物主導で水準を切り上げ、日経平均 は8月30日以来、2週間ぶりに9000円を回復した。午後に入るとこ う着感を強め、終値では9000円を維持できなかった。

カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストはきょうの動 きについて、株価指数先物・オプションの特別清算値(SQ)算出を あすに控え、デリバティブ(金融派生商品)の持ち高調整も峠を越え、 「FOMC待ちの一言に尽きる」と指摘。FOMCの結果、為替の反 応を決め打ちして動くことはできないとしていた。

米国の連邦準備制度理事会(FRB)は、12-13日の日程でFO MCを開催。ブルームバーグが実施したエコノミスト調査では、ほぼ 3分の2が量的緩和第3弾(QE3)の発表を予想している。また、 低金利政策維持の期間も2015年まで延長されるとみられている。

「iPhone」関連に買い

個別では、九州電と関西電が上昇。九州電はことし10月末をめど、 関西電は年内に政府に対し家庭用電気料金の値上げを申請する調整に 入った、と13日に読売新聞が報じ、収益改善につながるとみられた。 野村証券が投資判断「買い」を確認したグリーとディー・エヌ・エー も買われた。米アップルが12日に全面改良した新型の「iPhone (アイフォーン)5」を発表し、アップルに部品を供給する村田製作 所やフォスター電機、メイコーなども高い。

半面、東証1部の売買代金上位ではトヨタ自動車、ソフトバンク、 三井住友フィナンシャルグループ、JTなどが下落。家電量販店のケ ーズホールディングスとヤマダ電機も下げた。ゴールドマン・サック ス証券では、両社の8月の売り上げは浮揚感がないとし、業績予想を 下方修正した。

東証1部の売買高は概算で12億8816万株、売買代金は7698億円。 騰落銘柄数は上昇892、下落586。売買高は8月27日以来の低水準。 国内新興市場では、ジャスダック指数が0.8%高の51.35、東証マザー ズ指数は1.2%高の342.08とともに続伸した。

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